卓上グラインダー

18歳の時から研磨の仕事をしておりますが、初めて! グラインダーを買いました(^O^)♪
かなり嬉しい。
いやいやもちろん御刀をグィーンって削るわけではありませんので誤解の無きようお願い致します(^-^;
あれやこれやと材料を加工したり、道具を作る時に当然の如く必要なわけですが、今まではゴリゴリとヤスリで削ったり砥石でシコシコと作っていたりとまことに非効率な作業だったんです。
しかし大量に作るわけでもなく、頻繁に使うわけでもなくと言う事で欲しいながらも今まで買わずじまいで・・。
それにしてもグラインダーを今更なんて・・と言う感じでお恥かしい話ですが、今更ながらどうしても欲しい事になったんです。 
新しく色々と作る事はなんとも嬉しいもんですね。

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5千円ほどのホビー用の安価な品ですが十分でしょう。
こいつは研ぎ場で使ってしまうと砥石の粉で大変な事になってしまいますので屋外で使います。
手前はWA、奥はA。
PAが今回の用途には良さそうですが、有るのか・・? グラインダ初心者の私にはよく分かりません(^-^;
コーナンに行って見てみよう。
無かったらGCを買おう。
色々やってみよう。



備前國長船へ

今日は仕事で岡山県の長船町へ行って来ました。
日本刀の作風を大きく分類すると大和伝、山城伝、備前伝、相州伝、美濃伝と五つに分けられ、これを五家伝と呼んでいます。
それぞれの名前で示される国で確立された作風であり、いずれも強い個性を持っています。
これらの国は主に古刀期に刀剣の主要生産地で有ったわけですが、なかでも備前と美濃は特に大量に生産されていた国として知られます。
その一つ備前國。 
「備前長船」と言えば名刀の代名詞な訳で、世間では「備前長船」が刀の名前だと思っている方も多いようです。
しかし、実際はこの「備前長船」の後に、長光、康光、勝光、祐定などの銘が入り、それが作者名であり、「備前長船」は地名で有りまたブランド名なのです。
新幹線で岡山駅に着きそこから在来線で「長船」まで行くのですが、路線図を見て気持ちが高鳴ります。
備前、備中、備後と言う文字を見るだけでも普段刀の世界で大変なじみ深い物で嬉しいのですが、長船、妹尾、和気、尾道、三原などの駅名を見るとほんとに山陽地方は刀剣王国だったんだなぁと実感します。
地元の方は慣れてしまってて何も感じないんでしょうねぇ。 
京都に居て三条、五条、粟田口などの地名にあまり強く感じる物が無いのと同じだと思います(^^)
お仕事の用事の方ですが、本当に行ってよかったです。
私にとって大変意味のある大きな一日となりました(*^ー^)ノ
そして、現在備前長船刀剣博物館で開催されている「第四回 お守り刀展覧会」に行きました。
私、現代に造られる御刀について大変興味が有り、かなり好きですので(しかしまだまだ全く現代に造られている御刀については知らない事ばかりです)至高のひと時だったのですが、時間が無く短時間で終了。
受付の方にお聞きしたのですが、残念ながら館内撮影もNG(>_<) 返り際、刀剣の里の売店で磨き棒(ヘラ)発見!
最近小さいヘラを欲しいと思って居たところでした。
「売店で売っている道具なんて・・・」と思われるかも知れませんが、売ってる場所は関係有りません!良いか悪いかです(^^) (まだ使ってませんが・・・。ちょっと曲がってたので直しました(^-^;) 1万8千円也。
先の形状が面白いので色んな角度で力を変えられ重宝しそうで。

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先がかなり綺麗だったのでちょっと粗します。



今週も

 もう週末です。 早いです。
今週も支部鑑定を除き、多数の御刀を手にとって拝見する機会を頂きました。
古波平、古伯耆、磨り上げ無銘小太刀(古青江・古備前や山城か)、来国真、来国安、手掻、千手院、小反り、大磨り上げ(再刃と思われる)、末古刀在銘短刀、下原脇差、新刀在銘焼身、新刀磨り上げ無銘(越前関か)、慶長新刀薙刀、武蔵大掾忠廣二振り、新刀上々作脇差、康継脇差、南紀、紀充、信秀、江州新々刀、肥前名鑑漏れ新々刀、新々刀無銘短刀、時代不明大磨り上げ脇差(南北朝か新々刀か)、新々刀大磨り上げ無銘最上出来の御刀、新々刀無銘(漢文切り付け銘有り)、銘消し無鍛錬軍刀、現代刀三振り。
仕事として御刀に携わっておりますとこの様に、日々御刀と出会う毎日です。
(刀屋さんはこのペースの何倍~何十倍の御刀に触れてられて居る事でしょう)
こうして思い返しながらブログに書いてみると、その御刀の出来口も思い出しますので復習と言う意味で勉強になります。



まるく

私、昔はかなりの神経質でシーツのシワ一つでも気になって、っと言うか痛くて全く眠れませんし、めざまし時計も「ぴぴぴぴっ」とか「りりりりりー」とか「じじじじじー」などの音で目を覚ます事はまず無く、そうなる前の「カチッ」っと言う動作音の時点で必ず起きるタイプでした。
また、例えば左手や左肩、頭の左側などに触れられたり何かが当ったりした場合(自らの行為であっても同じ)、それと同じ強さで反対となる右側の同箇所に同じ刺激を与え、左右のバランスをとらないと気持ちが悪いのです。
しかしなかなか同じ強さの刺激と言うのは難しいもので、左肩を自分で触ってしまったとしたらなるべく同じ強さで右側を触るのですが、それが少し強すぎたりすると、同じ数値に成るように後少しだけ左に触れます。 しかしそれがまた強すぎて調整の為、右をちょい触れ・・・。 あぁめんどくさい。 
しかし年齢を重ねて行くにつれ、そんな体質も徐々に改善されて来ているようです。
嫁さんには「昔はあんなだったのに、今では・・・」っと、良いやら悪いらや・・・。
ですが神経質と言う事は研磨の仕事にとってはかなりプラスの面が多いのです。
大分まるくは成りましたが仕事に活かせる程度にそれは保てたらと思います。
本日は大事な用で夕方少し外出。
そして栗原信秀の重刀を拝見。 
長寸で身幅重ね共しっかり残っています。 
少し反りめで大切っ先。清麿門らしく、フクラ枯れぎみで鎬幅狭い造り込み。
棟先の反りがよく残っていて、打ち下ろし後あまり研ぎ重ねられない健体さが見て取れます。
刃は沸出来ですが、光源がいつもの基準の物とは違うため正確には把握出来ず。
地鉄は蛍光灯と太陽光で拝見しましたが大変強く素晴らしいものでした。
この御刀は所載刀でありその解説に地鉄「総体に流れごころ」となっておりますが実刀はそれほど流れごころと言う印象は有りませんでした。
古刀はまた別でしょうが、若い刀で意図せぬ流れと言うのはあまり良い評価にはならないと思いますので、この解説はすこし気の毒にも思います。
新々刀の重要刀剣にはそうそう出会う機会も有りませんので貴重な鑑賞でした。ありがとうございました。



21年9月13日 京都支部入札鑑定会

一号 刀
  
 二尺四寸ほどでしょうか。
心持ち反り深め。 身幅広めで重ね厚く、中切っ先少し延びごころ。
先の下がる棒樋。
肌流れ、立ち気味でかなり白ける。
刃は潤み、崩れなど目立ち総体に焼きが低い。
大きく焼落とし。
帽子は裏が延寿っぽく表は確認出来ず。
 平長盛と入札。
二号 太刀
 重美とだそうです。
定寸(じょうすん)ほど。 腰反りぎみで小さい切っ先で良い姿。
肌はかなり沈んでいますが、荒れなどは無く整って少し柾気有り。
淡く映り。
小沸出気の直ぐ調の刃で、所々沸が凝って尖りや互の目が交じり、飛び焼に成る部分もあり。
帽子沸え火炎風。深めに焼下げ。
 重美と聞いてしまったのでかなり迷います。
本国物では無いでしょう。 刃の沸え方や少し飛び焼きに成る所などが石州直綱とつながる雰囲気ですが、少し大人し過ぎる刃文です。 優しめの姿も気に成ります。 
清綱って重美何振りくらいあったかなぁ・・・。
 二王清綱に入札。
三号 太刀
 
 定寸弱か。 反り深め。 小切っ先ぎみ。 少し細身。鎬高めで重ね薄い。
板目大変よく目立ち、肌立つ部分も多い。 平地真ん中より少し刃寄りから鎬方向へ映る。
直刃。刃肌がかなり目立ち、染みる部分が多い。 帽子フクラに添い、先掃きかけ。
 わぁ迷います。 染みながらも沸えて明るい刃で、刃肌が沸粒で構成されて居て輝いています。
肌立つも嫌味が無い。
考え疲れてしまいました・・・。
 雲生に入札。
四号 刀
 二尺ほどか。 
広直刃。 刃中寂しい。 板目肌立ち気味。
 長船祐定(彦兵衛)と入札。
五号 短刀
 冠落し。 小さめ。 柾。
 新々刀で柾目で小さめと言うと何があるのでしょうか・・・。
 市毛徳鄰と入札。
 準然
 イヤ
 イヤ
 然
 準然
二号、山陽道でイヤでしたが、やはり姿の点で気になり直綱には入れられません。
古入道で重美が有ったかどうか忘れましたが、古入道国光で入札。
三号、この刃の良さから古備前や古青江も考えますが、どうにも違います。
名品刀絵圖聚成に龍門延吉の地肌の写真が載っているのですが(刀美名刀鑑賞にも載ってたような気が・・)、あの肌とどうしても重なります。 でも刃は大和じゃないけどなぁ・・。 もう疲れたので、龍門延吉に入札。
 準然
 準然
 イヤ
 然
 準然
わぁ、今日はおまけばっかり(^-^;
三号、肌物と言うつながりだけですが、実阿に入札。
提出しましたが、札を見て「もう一回入札してみっ」っと返して下さいました(^-^;
ん~~、違うけど考え方の方向が有って来たよと言う事だと捉えます。
まさか違うとは思うけどと、則重に入札。
 準然
 準然
 然
 然
 準然
一号 刀  源盛房作
        二月一日
二号 太刀 桃川長吉(重要美術品)
三号 太刀 無銘 古伯耆有綱(重要刀剣)
四号 刀   忠光
五号 短刀 月山貞一造
         明治二年夏  
二号桃川長吉ですが、頻繁に本で見るあの太刀の現物です。 こんなに良い茎味だったのですね!本ではもっとヘタってしまったタガネに見えるのですが太く鮮明な銘が残っております。
三号ですが、古伯耆を忘れておりました(^-^; 良い太刀です。
則重は古伯耆の肌の雰囲気を狙っていたとも考えられると言う事でおまけ然と言う事です。



疲れをとるため銭湯へ

ここしばらく高校生時代の学校が休みの日の昼を思い出します。
中学時代もそうですが、日々ひたすら部活ですので三年間で休みの想い出はほぼ有りません。
私はボート部だったので休日は朝から練習がきつく昼ご飯は体が受け付けません。
ここでちゃんと飯が食えるヤツと食えないヤツに別れるのですが、私は食えないヘタレでした(T-T)
最近この感じで、昼、夜とご飯がきついです。
まぁそう言っていては体力が持ちませんので無理やり食って、アリナミンEXとキューピーコーワゴールドαとリッチミンで体力回復を図りつつ仕事をこなします。
今日は少しでも研ぎの疲れを取り除くために銭湯へ行く事にしました。
こんな時代ですが京都市内には未だ百数十の銭湯が残っているそうです。
かなりの老舗銭湯も多数あり、北区の船岡温泉などはTVでも度々紹介され有名です。
今日は以前から気に成っていた左京区白川通り辺の白川温泉、同じく左京区で素敵な名前で気に成っていた雲母湯(きららゆ)のどちらかに行こうと準備。
しかし、銭湯なんてもんは地元民がいただきに行くのが前提ですので駐車場はまず有りません。
白川、きらら共に大変狭い所に有るものですから車の止め場所に困ります。
コンビにに止めちまおうかなどと考えましたが気の進むものでは無く、タイムズなどにとめて歩くには長距離過ぎるのでいずれも却下。
結局近くの以前研ぎ場を設けていた上賀茂社家町の銭湯へ。
上賀茂には独りで数年居て、ひたすら研磨の日々で色々想い出の有る土地です(^^)
ある方のブログで社家町を見ましたので貼ってみます。(明神川畔の旧私の研場も写真中にあります。)
あぁ慣れた銭湯はまたそれで気持ちいい。
一緒に行った息子はひたすら冷水をかぶっている。気持ちいいらしい。そう言えば田舎の川でも水から出てこなかった(^-^;
頼むから私にかけるのはやめて。
すっかり疲れもとれました。
これでまた研げます。
富山県水墨美術館に於いて、「大名家秘蔵の名刀展 ~源平の武将から維新の志士たちまでの愛刀~」と題した展覧会が9月23日まで開催されております!
今日のブログでも少し触れました北区船岡山の船岡温泉のすぐ北、船岡山中腹にある建勲神社所蔵の名物義元左文字含め、多数の名刀が展示されております!
私は残念ながら行けそうも有りませんので図録だけ買いました。
行ける方は是非楽しんで来て下さい。



一文字が見たい事とうなぎのきもと

先日嫁に隠れてリカーマウンテン(酒屋)で「うなぎのきも」の缶詰やらサンマの蒲焼、ぴり辛ツナなど、普段あまり口にする事の無いちょっと珍しい缶詰類を買いました(サンマの蒲焼は缶詰としては一般的ですね)。
個人的勝手な想像ですが、おそらく一括大量仕入れにより売値も抑えているのでしょうし、今買っておかなければ、この商品が捌けると次の入荷は無いかも知れない・・っと考えてしまい、ついつい見つけた時に買ってしまいたい衝動に駆られます。(本当に珍しいと言うか、美味そうな物は400~800円くらいするのでカゴに入れる事は有りません(^-^;)
私の様な仕事の人間は嫁さんと24時間一緒に居る訳ですから、ナイショの缶詰などはどう頑張ってもすぐにバレてしまいます。
エコバックを持って行かなかったのでビニール袋代に5円かかった事を一喝され、シュンとしていた訳ですが、「うなぎのきも」の缶詰がどうにも気になり、楽しみにしておりました。
今日、いつもお世話になっている方の所に用事でお邪魔したのですが、帰りに「たまちゃんこれ持って行きっ」っと日本酒を頂きました(^O^)♪  度々頂く私の大好きな原酒です。
今日も一日頑張って働きましたので、楽しみにしていた缶詰と美味しい事は分かっているお酒を開けます。

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ただの缶詰ですがちゃんとお皿に盛ると美味しそうに見えます。
さてさて、私、うなぎの肝なんぞを戴いた事は数年前まで有りませんでした。
何年か前に、三島の佐野美術館で一文字展が開催された時に日刀保京都支部から見学に行き、その帰りにうなぎ屋さんに行った時に初めて戴きました。
以前もブログに書いたかも知れません・・。(書いてました) うなぎ、うなきも、山椒、全部おいしい(*^ー^)ノ
そして大量の一文字、もう一度ゆっくり見たいです。(もちろんもう一度や二度では見切れる物ではありませんが・・・)
ところで缶詰の「うなぎのきも」なんですが、美味しいです! 
確か1~2百数十円のはずですがこれだと大満足です。
ちょいクセが強めなので、アルコール度17,8度の原酒にはちょうど良い感じですね(^^)
あぁっ・・七味屋本舗の山椒を振るのを忘れておりました・・・(T-T)
またの機会に試します。
佐野美術館では、「日本刀の匠たち―私の最高傑作」が平成21年9月5日(土)-10月18日(日)まで開催されます。



差し込みのつづき

某氏がやたらとタブロイド系のネタに詳しいので以前から不思議に思っていたのですが、聞けばネットのトップページをlivedoorにしているとの事。
なるほど納得の下世話なネタ満載です(^-^;
つまらぬネタのオンパレードですが全部クリックしてしまう、つまらん私。
yahoo!はお気に入りへと降格しました。
ちょっと久々の押形です。

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これだけ刃中が沸えていると、どう簡略化するかが決め手なんだと思います。 難しい。
差し込み拭いが入りました(押形とは別の刀)。

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先日のブログでは書き忘れたかも知れませんが、刃取りをした刀では得られない雰囲気を差し込み研ぎは持っています。
鉄肌拭い、差し込み拭い、それぞれ違った魅力をもっていますね。



差込

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「差し込み研ぎ」と言う研ぎ方が有るのですが、明日は差込拭いの作業を行いますので今晩は拭いを作ります。
差し込み研ぎと現代多く行われている研ぎ方の一番の違いは、「拭いの材料」と「後刃取りを行うか行わないのか」と言うところです。
通常の研ぎの場合、拭いの原料は鉄肌ベースの物を使います。
この場合、拭い原料の硬度は高いものですから刀の焼刃にも良く効いてしまい、地部と共に刃部にも黒く拭いが入ってしまいます。
このままですと、刀身全体が真っ黒くなってしまいますので「刃取り」と言う作業を行います。
差し込み研ぎの場合、拭いは砥石の粉や磁鉄鉱を原料とします。
砥石の粉の場合、細名倉や鳴滝、対馬砥等を使うのですが、天然砥石ならば程度の差はあれ何でも有る程度刀身を黒っぽくは出来るのではないでしょうか。  内曇はダメかな(^-^;
(細、鳴滝、対馬は何度も使いましたが、結構使えました。今は磁鉄鉱が好きです。)
 これらの差し込み原料は鉄肌などの場合に比べると、地部により強く作用し焼刃に対しあまり拭い効果を発揮しませんので、結果的に焼刃は白っぽく浮き立ち、差し込み拭い独特の味わいを出す事が出来ます。
では、何故後刃取りが必要となる鉄肌拭いなんぞを使うのか?!っと言う疑問も出、差し込み研ぎを”幻の技術”的な感じで珍重するお話もよく聞きます。
なんででしょうかね・・・。
鉄肌拭いは凄く優れた拭いなんですよっ(*^ー^)ノ
色々と良い点があるので全ては書きませんがまず、
 弱い力でも短時間で黒く入れる事が出来ます!
これは地艶の効き具合も大きく作用しますので一様では有りませんが、差し込みよりは断然この程度は大きいです。(そもそもどこまで黒くしたいのかと言う点で差し込み、鉄肌それぞれで各研師の好みは大きく違いますが)
この事は、「地肌を倒さない」と言う大変大きなメリットが有ります。
差し込み拭いは鉄肌に比べ、黒くする力が弱いですから、鉄肌と同程度の黒さにするには力や時間が掛かります。
結果、肌を倒したりその他の不具合が起こる事があります。(これも上記カッコ内の理由によりさまざまです)
 また鉄肌拭いの場合、差し込み拭いでは得られない照りや潤いを得る事も出来ます!
これも鉄肌拭いの原料独特の効果ですが、拭い原料配合の調整により、地部の照り具合を操作したり、青みなども拭いの効果による事も多く有ります。
この二点だけでもそれに関連して地沸や地景が強調されるなどの効果が付随する事も多々有ります。
そして忘れてはならないのが「刃取り」の効果です。
刃取りは拭いで黒くなってしまった焼刃を単に白く戻すと言う事では無いものなのです。
書き始めるとかなり長くなりますので止めておきます・・・(^-^;
刃取りに対しあまり良い印象をお持ちで無い方に出会う事もまま有りますが、より深く刃取りの事を知って頂ければ必ず良い方向にも見て頂く事が出来ると思っています。
差し込みの拭いを使用して、その後通常研磨で行う後刃取りをしたらどうなのか?と言う事ですが、先に書きました様に差し込み拭いの場合は地鉄の色合いが地味な仕上がりになるのものです。
ですので特に好みなどの理由が無ければ通常は鉄肌拭い~刃取りと行うのが一般的です。
さて、ではなぜ差し込み研ぎをするのか?!ですね・・。
色々ありますが、その方が良い場合があるのです。
匂い口締まり気味で鎬筋を大きく超える刃が連続する物や、皆焼などです。
鎬筋を超える様な高い焼刃を刃取る場合、鎬筋に掛けて刃取ると見苦しく成る場合が多い物です。この場合はその下で切るのですが、あまりに連続する物を切り過ぎるのも精彩を欠きます。 その様な場合は思い切って差し込みにした方が良いと思います。
しかし差し込みにする場合、地鉄がある程度以上整って居る事が条件ではないかと思います。
地が荒れた物を差し込むと、その荒れた部分ばかり目だってしまいますのであまり荒れた物は鉄肌拭いで押さえ、刃取りで目立たなくする方が無難な場合も多いでしょう(*^ー^)ノ
あと、古研ぎで差し込み風になって大変良い味わいを出している御刀が有ります。
この中には元々は刃取りをして有った物も少なからず存在します。
打ち粉による永年にわたる手入れで刃取りが薄れ、差し込みの様な状態に成った物です。
刀身表面は打ち粉などによるヒケ傷だらけですが、映りが有る物などはそれが大変強調されて、なんとも言えぬ良い雰囲気になって居る事がありますね。
こう言う状態の御刀を研ぎなおす場合は大変苦労します。 元の味わいを出すのは至難の業ですので・・・。
わぁたまにまじめに研磨の事を書こうとすると変に長くまとまりが無くなってしまいます(;-_-)
多分大事な事もスッポリと抜けて居たりするのでしょうねぇ・・・(-_-; 
なにより頑張って拭いをすらなければ・・・。



満天の

またお盆のお話です。
一年に一度か二度しか無い連休ですから子供よりも親の私の方が断然気合が入っているんです(^-^;
僅か数日の田舎滞在でしたが、

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海の見える畑でお弁当を食べ、

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中高生の頃、私の鮎釣りのホームグラウンドだった川で遊び、

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京都の100均で見つけた昔懐かしい飛行機のおもちゃで遊んで、息子・・ではなくお父さんは大満足でした。
それにしても100均の飛行機は懐かしいです。
6,7歳の頃でしょうか、毎日遊んでいました。 少し太めの輪ゴムで飛ばすんです。 一回転してくれます!
先日お盆前の風の強い日に大きな公園で飛ばしたら風に乗って4~50メートル上空に上がり(ちょっと言いすぎました・・・3~40メートルです(^-^;)、数十秒降りて来ませんでした(*^ー^)ノ 息子呆然、お父さん大興奮。
小四の頃、田舎で紙飛行機が流行り(基本形紙飛行機)、六年生の子が飛ばした紙飛行機が風に乗って校庭から離脱、ダム湖上空で長時間空中停止した光景を鮮明に思い出しました。
さらに、おなじく小さい頃、私の兄と従兄弟とで田舎の山の山頂付近にある田んぼでフリスビーをしていた時、谷底から吹き上げる上昇気流に乗ってフリスビーが一瞬ホバーリングしたのですが、それがとてつもなく長時間に思えていつまでも忘れられなかった事(実際には1,2秒なのでしょう)などを思い出しました。

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フリスビーの田んぼ(母の実家)。 ここは異様な数の蛍が飛びます。
http://blog.murablo.jp/sinsinsaisei-totsu/  
↑こちらのブログで偶然祖母ちゃんちのフリスビー田んぼを発見したので勝手に画像を使わせて頂きました・・ルール違反かな・・(^-^;?!すみません。
意味の無い事を書いていますと他意無く話が広がってしまいますので、取り留めの無い事に話題が及び滅裂になってしまいますね(^-^;
題が「満天の」ですので書きたかった事はこれなのですが、 ・・・ 星を見ました。
息子がNHKの「おさるのジョージ」が大好きなんです。
「おさるのジョージ」でジョージが星の数を数えるお話が有りました。
しかし京都市内では頑張っても星は数個しか見られません・・・・・。
ですのでなんとか、ジョージみたいに数えきれない星を見せてあげたいと思っておりました。
悲しいかなもうすっかり忘れかけておりますが確か私は田舎に居た頃、毎晩のように天の川を見ていたはずなのです・・・。
お盆の夜、星を数えに行こう!っと車で息子と山へ・・。
まず私が車を降ります。
「ヴゎゎゎゎっ!。」
息子
「わぁぁーー!」
いやぁ、四歳の子供の感嘆の声を聞けただけでお父さんは大満足でした。
それにしてもこんな空を実感したのは20年ぶりぐらいでしょうか。
そうそう天の川はこんな感じでした。
ほんの少しの間この空を眺めていれば、幾つかの星は尾を引きながら消えて行きます。
「満天の星空」と言う表現はよく聞くのですが、実際のこのスケールはとてもそんな言葉では表す事が出来ません・・・・・。
 素晴らしい出来の御刀は、写真や押形などではとても表しきれないと言う事を星景と関連付けて書こうと思っていたのですが、「御刀」、「星景」どちらに対しても失礼な気がしてやめます。