村正③

短刀、銘 正宗(村正銘の改竄)

45回目。村正三口目です。
今回は銘を改竄された短刀。
村正の「村」の字を消し、下に「宗」を足して「正宗」と改竄されています。
村正は徳川家から忌避された歴史があり、銘の一部或いは全てが消されたり、元の銘に鏨を入れ改竄されるなど、銘に手を加えたものが多く見られます。
村正は地鉄の良い作品が多く、本短刀も地錵と地景のよく入る良質な地鉄。
刃文は直ぐ刃に少し外に開き気味の互の目をまじえた腰刃を焼くなど、村正独特の作風が味わえる短刀です。

銘 □正(村正)
こちらは「村」の字を鏨で消し、「正」一字が残る村正です。
鏨での消し方が甘いため、押形に採ると「村」の字が読める程度に出て来ました。

村正①
村正②



「お守り刀特別展〜願いを込めて〜」9/12(土)~11/23(月)

会 期:9月12日(土)~11月23日(月)
会 場:坂城町鉄の展示館
    〒389-0601 長野県埴科郡坂城町坂城6313-2
     Tel. 0268-82-1128
開館時間:午前9時~午後5時(入館は午後4時30分)
入館料:500円、中学生以下は無料

古来お守り刀は、作刀、刀剣研磨、木工芸、金工、漆芸、組紐と日本伝統工芸の粋を集めて製作されてきました。このお守り刀の魅力を広く発信するため、「お守り刀展覧会」が開催され、今年は15回目の節目の年になる予定でした。
 しかしながら、100年に一度と言われる未知の感染症に世界が襲われ、4月には日本でも緊急事態宣言が発令され、すべての社会活動が中止に追い込まれました。当初お守り刀展覧会の中止も検討されましたが、逆にこのような時だからこそ、「魔を除け邪を祓う」祈りが込められたお守り刀の力で、世の中の平穏を願うべきではないかと考え、形を変えて開催することといたしました。

 今回は、優れたお守り刀を集結し、日本だけでなく世界の禍を断ち切りたいという願いを込めて、対象を広げ、過去に制作され、各展覧会に出品されたお守り刀も募集対象とする特別展として、開催するものであります。会場に足を運んで下さる方々の健やかな人生を願う展覧会となることを期するものであります。



「お守り刀特別展〜願いを込めて〜」9/12(土)~11/23(月)

会 期:9月12日(土)~11月23日(月)
会 場:坂城町鉄の展示館
    〒389-0601 長野県埴科郡坂城町坂城6313-2
     Tel. 0268-82-1128
開館時間:午前9時~午後5時(入館は午後4時30分)
入館料:500円、中学生以下は無料

古来お守り刀は、作刀、刀剣研磨、木工芸、金工、漆芸、組紐と日本伝統工芸の粋を集めて製作されてきました。このお守り刀の魅力を広く発信するため、「お守り刀展覧会」が開催され、今年は15回目の節目の年になる予定でした。
 しかしながら、100年に一度と言われる未知の感染症に世界が襲われ、4月には日本でも緊急事態宣言が発令され、すべての社会活動が中止に追い込まれました。当初お守り刀展覧会の中止も検討されましたが、逆にこのような時だからこそ、「魔を除け邪を祓う」祈りが込められたお守り刀の力で、世の中の平穏を願うべきではないかと考え、形を変えて開催することといたしました。

 今回は、優れたお守り刀を集結し、日本だけでなく世界の禍を断ち切りたいという願いを込めて、対象を広げ、過去に制作され、各展覧会に出品されたお守り刀も募集対象とする特別展として、開催するものであります。会場に足を運んで下さる方々の健やかな人生を願う展覧会となることを期するものであります。



無題

前回からあまり間が空かずでまた生品の山を拝見。
何十あるか数えずだが前回の倍以上か。
山盛りの鞘の雰囲気で大体の筋は分かるもので。この山は大名クラスかと。
大名物の山を見ても必ずと言っていいほど、豊後行平、僧定秀、貞次、則重、廣光、来国俊、来国光・・・の様な偽銘はある物で、しかしそれとてなかなか面白い出来であったりするもので。。
今回もそういう品が少し入るが、基本的には大変筋の良い品。
生茎在銘の福岡一文字。近年拝見したこの銘の太刀と全く同じ手。まだ眠っていたかと大変驚く。
生茎在銘の太刀(茎尻を僅かにつまむ)。茎先に手貫緒穴の痕跡。大筋違。縮緬肌風。昔見た弘次に非常に似る出来。
しかし銘鑑では古青江にこの名はない。
大磨上げ無銘。全身に茶色く油が固着し地刃不明。苛性ソーダで除去。
焼き幅虎徹より少し高い程度で特に突出する山は無い。
丁子刃で刃中の働き尋常でなく、各所に大房の丁子も。
刃中の錵の豊富さ、明るさが凄い。地鉄完璧。淡く映る。
誰の作か。。
この種の出来では重文まで含めこの10年で見た中の一番の出来だと思う。




無題

数ヵ月ぶりに生品を二十口ほど拝見。
玉石混淆。

大磨上げで一尺八寸ほどの錆身。鎌倉中期~末期の力強い造り込み。各所に見える地刃が非常に良い。
その他をざっと見て最後の一口。
反り浅めの刀。定寸ほど。重ね厚く身幅尋常。中鋒延びごころ。
最上の研磨で全体に薄錆。
差し表の腰から中程にかけて、大板目がうねり流れるも、白い線は少なく細く、殆どが青黒い線なので全く肌立つ事はない。
差し裏は最上の貞宗の様。表裏共潤う肌。
少し沈む直刃。下半は刃中に柾気の働き。物打付近、足がよく入り刃中賑やか。
帽子は細かく掃きかけて小丸。

実は最初、山積みの刀の一つから「来国光」の札が見えた。
ここまでそれらしき刀は出て来ずなので、これの札か。
しかしこの刀、来国光には見えず。。今思えばだが、それでも来派として肯定できる要素を探そうとしている。
そしてボロボロの白鞘袋を払うと古鞘には「甘呂俊長」と古い鞘書き。





古備前景助

太刀、銘 景助(古備前)

44回目です。
磨上げながらも腰反り高く、凛とした太刀姿。
茎の下半平地に細鏨で暢達な書風で景助の銘。
景助は古備前派の刀工で、銘鑑には建保頃(1213年 鎌倉時代初期)とあります。
板目に杢交じり、地景の多い湿潤な地鉄。総体に錵強く所々荒錵交じり、小乱れを主調に小丁子を交え、ほつれ、砂流し、金筋、飛び焼き等を見せ、いかにも古香で格調の高い古備前物の作風となっています。
景助の数少ない有銘作として、資料的にも大変貴重な作品です。



HPをリニューアルしました

より安全なHPにしました。
内容はほぼそのままです。
今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。



「明治の拵、令和の刀」銀座三越

meijinokatana
「明治の拵、令和の刀」が銀座三越にて開催されます。

本展では、明治期に趣向と技術を凝らされて製作された拵や刀装具の数々と、令和と元号を変えてもなお脈々と息づく、現代刀匠による日本刀を中心に、刀にまつわる作品の数々を、時を越えて繋ぎ合わせます。

侍の国、日本では、刀は命のように大切なもの。帯刀を許された武士たちにとっては、まさしく誇りそのものでした。そしてそれを保護する拵や鍔などの刀装具で個性を競い、その意匠の進化と共に、同時代の職人の技磨きに寄与しました。

明治に入り近代化が進み、帯刀を禁じられると一気に需要は減じてしまいますが、培われた職人の技を尽くしたまさに超絶技巧の結晶が、刀装具として形に残されています。

また、時は現在の令和に移ってもなお、日本刀は日々鍛錬され、新しい作品が生み出され続けています。本展にご出品いただく、河内一平、根津秀平、上山輝平の3氏は、いずれも「新作日本刀研磨外装刀職技術展覧会」において、作刀部門最高賞である『経済産業大臣賞』を受賞された実力派です。

明治と令和、150年の時をまたいだ共演をぜひご高覧ください。

会場:銀座三越 7階 ギャラリー
〒104-8212 東京都中央区銀座4-6-16
会期:2020/8/26(水)〜9/1(火)午前10時〜午後8時<最終日は午後6時まで>
出品刀匠:河内一平・根津秀平・上山輝平

銀座三越



「明治の拵、令和の刀」銀座三越

meijinokatana

「明治の拵、令和の刀」が銀座三越にて開催されます。

本展では、明治期に趣向と技術を凝らされて製作された拵や刀装具の数々と、令和と元号を変えてもなお脈々と息づく、現代刀匠による日本刀を中心に、刀にまつわる作品の数々を、時を越えて繋ぎ合わせます。

侍の国、日本では、刀は命のように大切なもの。帯刀を許された武士たちにとっては、まさしく誇りそのものでした。そしてそれを保護する拵や鍔などの刀装具で個性を競い、その意匠の進化と共に、同時代の職人の技磨きに寄与しました。

明治に入り近代化が進み、帯刀を禁じられると一気に需要は減じてしまいますが、培われた職人の技を尽くしたまさに超絶技巧の結晶が、刀装具として形に残されています。

また、時は現在の令和に移ってもなお、日本刀は日々鍛錬され、新しい作品が生み出され続けています。本展にご出品いただく、河内一平、根津秀平、上山輝平の3氏は、いずれも「新作日本刀研磨外装刀職技術展覧会」において、作刀部門最高賞である『経済産業大臣賞』を受賞された実力派です。

明治と令和、150年の時をまたいだ共演をぜひご高覧ください。

会場:銀座三越 7階 ギャラリー
〒104-8212 東京都中央区銀座4-6-16
会期:2020/8/26(水)〜9/1(火)午前10時〜午後8時<最終日は午後6時まで>
出品刀匠:河内一平・根津秀平・上山輝平

銀座三越



名物児手柏包永写し

児手柏包永全身

konotegasiwanakago
太刀、銘 包永
兵部大輔藤孝磨上之異名号児手柏 天正二年三月十三日
(棟銘)大和国住月山貞利謹作(花押)平成二寿久年五月吉日
(公益財団法人 徳川ミュージアム蔵)

43回目は月山貞利先生の児手柏包永写しです。
享保名物「児手柏包永」は大正十二年の関東大震災で被災しました。各刀剣書にもその事が記されていますが「焼失」と書かれる事が多く、刀剣界では現品は残っていないと認識していた方が多いと思います(私もです)。
しかし近年、焼け身の状態で茨城県水戸市の公益財団法人徳川ミュージアムに保管されている事が判明、
徳川ミュージアムでの展示や、佐野美術館の「REBORN 蘇る名刀」に出陳、広く知られる事となりました。
(以前は錆身や焼け身が展示される機会は稀でした。しかし観る人の価値観は多様です。
既存の価値観にとらわれず、刀の歩んできた歴史を知り、様々な価値を探り見出す取り組みとして「REBORN 蘇る名刀」は素晴らしい展示だったと思います)

徳川ミュージアムでは「刀剣プロジェクト」として、児手柏包永写し(月山貞利刀匠が担当)、そして同じく被災した燭台切光忠の写し(宮入法廣刀匠が担当)を制作。
「児手柏」とは表裏の刃文が著しく違う事から名付けられた異名ですが、焼け身となった今、その刃文を知るすべは明治の鑑定家今村長賀が残した全身押形のみ。今回の再現刀はこの長賀の全身押形を元に制作されました。

大和物らしく流れ肌を見せつつ、奥行きがあり強く美しい手掻派の地鉄をこしらえ、長賀の押形の通り佩表は大きく乱れ、裏は直ぐ調の刃が焼かれ、児手柏包永が見事に再現されています。

私はこの児手柏写しの研磨を担当させて頂きその時全身押形も採拓していましたが、この再現プロジェクトからも刀剣の今を全身押形として記録に残す事の重要性を強く感じる事となりました。

公益財団法人 徳川ミュージアム