天然砥石比較 70

表面
側面
研汁

砥石硬度  7/10
研磨力 8/10
刀身は末相州。刀身硬度6/10

研磨力数値はこの刀身に対しての物です。
全ての砥石を試しまとめた物を書いているのではなく都度の感覚での数値です。

八木ノ嶋です。(断定した言い方ですが、私は見分ける目は持っていません。八木ノ嶋だという事で購入した砥石です)

この様な原石状態で購入しましたが、飾りではなく使う石を探しているため、カット。
しかし…ヤケはありますが綺麗な石だったので、今は切ったことを少しだけ後悔です。。

研磨力の強い砥石です。地を引く事もありません。もちろん目も細かい。
刀の備前物の良さ凄さは分かっていますが、でも大和物が好きという人間だからですかねぇ、こういう砥石に魅力を感じてしまうのは。



天然砥石比較 69

表面
裏面(「玉」入り)
側面

砥石硬度  4/10
研磨力 3/10
刀身は末相州。刀身硬度6/10

研磨力数値はこの刀身に対しての物です。
全ての砥石を試しまとめた物を書いているのではなく都度の感覚での数値です。

研磨力若干弱めの刃引きです。今思えば、わざわざ採掘業者さんの所にこの程度の石を持って再度探しに行くかね?と思ってしまうのですが…。(名前入り砥石はこういう理由です→「天然砥石比較20」)
この石は20年ほど前の購入だと思いますが、そういえば当時は刃引きに危機感を感じまくっていた頃でした。
こういう使いやすい砥石は有難い存在なのは確かです。よく使いましたので、半分以下の薄さになっています。



天然砥石比較 62〜68

No.62
No.63
No.64
No.65
No.66
No.67
No.68
No.65の研汁

砥石硬度  7~9/10
研磨力 8/10
刀身は末相州。刀身硬度6/10

研磨力数値はこの刀身に対しての物です。
全ての砥石を試しまとめた物を書いているのではなく都度の感覚での数値です。

見慣れないと名倉に見えてしまうかも知れない砥石ですが、京都産仕上砥です。
基本硬い石が多いのですが強い研磨力と弾力の無さが特徴でしょうか。(この画像中ではNo.65が一番柔らかく、No.67が硬い。No.67は硬度10にしたい程に硬い石です)
内曇りの引き方は各研師の経験や考え方の違いにより様々ですが、この石は手首が柔らかい引き方の研師が扱いやすい石だと思います。

弾力が無い石の方が肌がよく出ると思っていますが(以前そう教わり腑に落ちた次第です)、「天然砥石比較30~33」の様な弾力有り系で品よく引き切るだけでは済まない刀は沢山あります。
そんな時は、砥当たりはかなり強いのですが、弾力無し系で出し切った後、艶で収めるやり方が好きです。



天然砥石比較 60,61

No.60
No.61
No.60裏面
No.60側面(「玉」入り)

砥石硬度  4/10
研磨力 4/10
刀身は末相州。刀身硬度6/10

研磨力数値はこの刀身に対しての物です。
全ての砥石を試しまとめた物を書いているのではなく都度の感覚での数値です。

正統的刃引きです。この石には単に黒い研汁が出る事を求めているわけではありません。そこそこの研磨力があり、粒度が安定して細かく、どんな刀でも引きやすい、そういう石が良い刃引きでしょうか。No.60,61は大変よい刃引きです。
というかこの砥石硬度で真っ黒の研汁というのは稀で、もしもそんな石に出会えたならば、それは非常に幸運な事です。
因みに、良い刃引きが必ずしも良い刃艶になるとは限らず、難しいものです。。