短刀 銘 備前国住長船十郎左衛門尉藤原春光作 弘治三年十月吉日(1557年 室町時代末期)
刃長 七寸七分

小さいながらも重ね厚くずっしりと重みの有る長船春光両刃(もろは)造りの短刀である。
室町中期頃からこの両刃造りの短刀が現れ始め、その殆どが末備前刀工達の作品で、他には末相州や関、末手掻にも有るが入札鑑定などで両刃が出ればほぼ備前物で間違いない。(そこを狙ってあえて他国の両刃が出る事もあるが)
末備前の両刃は地鉄の美しい物が多く、この春光の短刀も大変よく詰み澄んだ地鉄で焼刃も締まって明るい出来口を示す。
研磨に関して、末備前の詰んだ地鉄は拭いも良く効き、地刃共に冴えて上がるので気持ち良いものである。