坂本龍馬の吉行

先日「ニコニコ美術館」で『縁(えにし)を結ぶかたなー国宝・重要文化財で学ぶ刀剣鑑賞ー』が京都国立博物館から生中継され、採拓させていただいた”龍馬の吉行”の押形が紹介されました。
本日京都国立博物館のX公式アカウントで公開された刀身写真の通り、焼損した刀身は研磨されており、まるで刃文があるかの様に拳丁子の痕跡が黒く残っています。
この刃文の様に見える黒い痕跡は通常の刃文とは異なり、匂い口を伴うものではありません。
火災で刀身が高温になって焼きが戻り、そして何らかの現象により刃文以外の平地全面が映り状に変質、結果として消失した刃文部が映りの暗帯部の様に黒く抜ける状態になっています。
そのため今回の採拓では、まず刀身の輪郭や各部の線を引き、茎を石華墨で刷り出した後、平地の映り状に変質した部分のみを彩色し、刃文に相当する部分は白抜きで残す形で表現しました。
一見すると刃文が存在するかの様に拳丁子の痕跡が黒く残っていますが、これは焼損による変質の痕跡であり、本来の刃文ではありません。



地艶

しばらく地肌を出す仕事が続いていましたが、今回はある程度抑える仕事です。
地艶工程。ここ数年好きで使用している某山産の巣板で下地艶、その後産地不明の浅黄で抑えたところです。
この巣板は艶仕事で肌がよく出てくれ、仮にヒケが入っても直ぐに取り去ってくれる力があります。
浅黄は出す力もありますが、良い雰囲気に抑える事も出来る石です。




検索ボックス追加

最近HPのブログ表示を大量にしたせいで、サイト内検索ボックスに行きづらくなっていました。(慣れれば行けるんです。各ブログやページの最下部右にあります)
そこで、トップページの上部メニューの右端に虫眼鏡マークを追加しました。(下の画像参照。上部メニューの「ブログ」の右に🔍)
その🔍をクリック!

画面が変わると検索ボックスが出ます!
ちょっと面倒ですがこれで検索お願いしますm(__)m
しかしモバイル表示だとまた違いますねぇ・・・。ブログ記事単体表示の下方にあります。適当に探してください。



内曇りの引き方

下地研ぎは押す動きが多く、切り研ぎも筋違も、しゃくりの動作やタツを突く時も、全て押し或いは突きの研ぎです。
しかし区や横手下などは下地でも引きの動きを使う人は多いと思います。
内曇りの工程に入ると、鋒以外は全て引き研ぎとなります。砥石が効く原理や目的に合った動きを追求した結果がこの研磨法ですが、動きの種類は幾つかあります。(動画は本能寺宝物館での実演で柄巻師松田さんが撮ってくれました)

細名倉の様にしゃくって引く技法


内曇りの丸い砥面に合わせ、砥面形(なり)に引く技法


砥面がフラットな状態の内曇りで刀身を水平に引く技法(刀の刃は自分に向く)


砥面がフラットな状態の内曇りで刀身を水平に引く技法(刀の刃は前を向く)

私は刃引では砥面がフラットな石を使う事が多く、その場合刀身が少しでも上下にブレるとヒケが入ります。ヒケを防ぐため刀身を常に水平に引きます。左手首は固定派も多いと思いますが、私は柔らかくする方が刀身を直線に引きやすく、現在の動きに落ち着きました。
内曇り作業では「砥石を早く効かせる」「地を引き出す」「ヒケで作業を後退させない」、これを意識する中で、機械のように動く今のスタイルになりました。



1月支部入札鑑定

1号 寸延び
若干細い、少し反る。少し大人しいタイプの応永地鉄、刃に近い位置に某状の映り。直刃で刃中乾き少し地側に深い。帽子先一文字風。
表に三鈷剣・梵字、裏に四橛。
応永備前だが、とりあえず盛光と入札。

2号 短刀
幅狭く重ね厚く強めに内反る。地鉄詰んで強く、匂い口深く働く直刃。
以前研磨させていただいた短刀だと思う。
手掻包真(見知り)で入札。

3号 短寸の刀
身幅大人しく反り深めに小さい切っ先、鎬高。
詰み気味で弱い地鉄、白け映り、柾は目立たず九州地鉄。
細直刃でほつれ、帽子細く若干大きい。
完全に末の九州だと思うが、どうしても入れておいたい札があり。。
簀戸国次と入札。

4号 短刀
フクラ少々枯れ、鋭い。板目、少し映る。直刃、沸え荒い。帽子尖り気味。
表護摩箸、裏樋に添え樋。
一番数が多いタイプではないが、別タイプの末備前だと思う。
祐定と入札。

5号 脇差
反り浅く、焼き高く、浅い大互の目。肌詰む。帽子丸い。両チリの棒樋に添え樋。両樋先固く止める
なんでしょか・・・。難しいが、刃の調子が一番近いのがこれだと思う。
大和守安定と入札。


然(当たりだが見知りは同然ルール)
イヤ

イヤ

3号、簀戸国次とは匂い口の質と刃縁や帽子が違うし、ここまで弱い地鉄ではないが、一応入れておかないと後悔するので大丈夫。
しかし次が難しい。九州といっても色々あり。金剛兵衛とは地鉄が違う。よく見る無銘筑紫了戒に一番近いと思うが、この刀は在銘だと思う。在銘の筑紫了戒を入札鑑定で見た事が無いが、果たして出るのだろうか。
筑紫了戒能定と入札。

5号は難しい。。
高井信吉と入札。


然(当たりだが見知りは同然ルール)
通り

イヤ

3号、波平清左、4号水田為家と入札。


然(当たりだが見知りは同然ルール)


イヤ

1号 脇差 銘 備州長船長船康光
        応永卅三年二月日
2号 短刀 銘 包真
3号  刀 銘 波平吉安
4号 短刀 銘 備前国住長船清光 為一若作
        天文廿三年八月日
5号 脇差 銘 陸奥大掾三善長道

5号、大和安定でイヤならば、絶対三善長道に修正しないとダメですね。今思うと裏の中程の互の目2個が長道です。



刃取り

昨日拭いを終え、刃取り作業。
刃艶は水木原の若干柔らかめの物で一気に全身の形を作る事が多いです。
その後、別質の刃艶で正確な形に刃取る作業を行いつつ、ぼかして行きます。柔らかい刃艶は色が重いので、その石で晴らし作業も同時進行で。
この刃艶は20ほど前、ヤフオクで買った内曇りをカットした物で、よく覚えていませんが確か12本程度買ったと思います。
独特の良くない色で、茶色の細かい筋多数。しかし好きな砥質で、未だこの種の石を使っています。
この石がどの山の物か結局よく分かりませんが、〇〇砥石さん曰く古い水木原との事。
ただ、今産出している水木原とは見た目が全く違います。層の違いでしょうか。それとも別の山から産出した石でしょうか。



巣板

もう何年も地艶で黄色い中山を殆ど使わず、巣板と浅黄だけで行っています。
確かこの三年間の現代刀職展は巣板だけで地艶を行ったはずで。天然砥は不思議な性質です。



山城物全身押形

在銘の来を二つ採拓。
直刃の方、仮に入札鑑定ならば1札目に新藤五の札が多く入るでしょう。こんな地鉄の来も有るんですねぇ。
この地鉄、研ぎが頗る上手い事も要因の一つ。湿潤に抑えつつ小肌を十分引き立たせています。
この様な研ぎをするには相当刀が見えていなければ出来ません。
やはり研師は刀が見えなければならない。

山城新刀。山城新刀の全身はいつ以来でしょ。。久々と思います。
弘幸以来か。



時代劇

NHKスペシャルで『新ジャポニズム 第7集 時代劇 世界を魅了するタイムトラベル』をみましたが、以前ブログでこんな事を書いた事がありました。
時代劇から | 玉置美術刀剣研磨処|京都・左京区
ブログ内のリンク先が切れていますが、時代劇がピンチという記事でした。
しかし!いまは復調の兆しがあるそうです。素晴らしい!!

映画でした | 玉置美術刀剣研磨処|京都・左京区
映画 「武士の献立」 | 玉置美術刀剣研磨処|京都・左京区
七人の侍 | 玉置美術刀剣研磨処|京都・左京区
戦国刀匠譚【Sengoku Tousyou Tan】 | 玉置美術刀剣研磨処|京都・左京区
劇中使用した刀 | 玉置美術刀剣研磨処|京都・左京区
映画「燃えよ剣」 | 玉置美術刀剣研磨処|京都・左京区
副長の。 | 玉置美術刀剣研磨処|京都・左京区
無題 | 玉置美術刀剣研磨処|京都・左京区
燃えよ剣 | 玉置美術刀剣研磨処|京都・左京区