相伝2口

以前研磨した有名な相州伝大磨上げが慶長に見え、いまいち整理が付かず。。
しかし帽子がそれ以外には無く、やはり極め通りと考えるべきなのか。
そんな中、相州伝の本国物ではない刀。初見は「やはり多いよなぁ若い物が・・・」
しかしこの極めのいつもの作風よりも少し出入りが大きく、茎から腰の反りが美しく、何か惹かれるものがあり全身押形の準備を。
照明を整えて再見すると、映りが凄過ぎた。
非常に上手いナチュラルな差し込み古研ぎ。刃や映りを極度に際立たせる臭い差し込み研ぎがもてはやされるのはやはり間違っている。
備前の乱れた映りと同状に全身に沸え映り。しかし相伝備前ではないと思う。この極めをした人は凄いと感心する。
そう言えば図譜には大徳川家伝来とあったので古い鞘書か折紙があるのかもしれない。

別の相州伝の本国以外の刀。全身の経験が無かったので残しておきたく。
久々にこんなにも上手く描けない刀。それ程苦手ではない柾気の働きが多い出来なのに何故に。。
何度も途中廃棄を考えるもとりあえず数日継続中。この工の最近の図譜を見て真似をし余計酷くなるし。
廃棄を避けたいのは輪郭や茎に3時間掛かっている、ただそれだけ。
刀鍛冶さんが焼き入れで失敗した時の喪失感は計り知れないと思う。
新たに描き直したとしても同じ事になる気がしてならず。
とりあえず続ける。