新年

明けましておめでとうございます。本年も宜しくお願い申し上げます。
何年かぶりにお正月を田舎で過ごしました。

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相変わらずの山山山。
ゆったりと流れる時間を楽しみました。
帰り際、歴史小説などでほんの少しだけ登場する人物の生家の碑に初めて気が付きました。
幕末のお話などで、ほんの数文字程度自分の田舎が登場するだけで、とても嬉しい気持ちになります。
ほんとに数文字の登場でもあんなに嬉しくなるのに、土佐や薩摩、長州などなど、歴史に名を残す偉人を心に持つ方々はどれ程誇らしい事でしょうか。本当に羨ましく思います。
何百年経ってもそれは変わらない事でしょうし、我も続けと新たな人材が輩出されます。 すばらしいです。
昨年の若松城糞尿放送の様に地域の方々を侮辱する様な事がTVでおもしろおかしく放送されてしまうなんて最悪ですねぇ。
番組って賢い人が沢山集まって作ってるんじゃないのか?!



寄せと埋めの続き

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平地のもう一つ有った大きな傷も埋めてみます。 
平地の傷の真上鎬地に有る小さな割れ二つと、少し左の長い割れは寄せる事にします。

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刀身を殆ど研ぎ卸す事なく傷は消す事が出来ました。

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before

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after



埋鉄ビフォーアフター

埋鉄資材にフクレ破れの傷が有りましたので、これを埋鉄で消してみます。

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画像中央の平地部、分り難いですが、小傷が有ります。
現状では小さく見えますが、上に向かいフクレと成っています。
もしもこれを研磨するとなると、砥石を当てて錆を除去していくわけですが、その過程で必ず大きな傷へと移行します。

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改正を当ててみました。 やはり大きなフクレ破れです。 画像右端の大傷とつながっている事も考えられます。
少し右側鎬地の柾割れが、右端大傷と同層の様ですので、三つ全て同層の可能性ありです。
しかし距離が離れていますので、注意すれば工作も可能でしょう。

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まずフクレを破ってみます。 何百年か前の炭が出てきました(^^)
どの辺まで薄い状態なのかはコツコツと叩いて確認済みです。

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フクレ部をタガネで彫り、埋鉄を入れられる状態にした後、嵌め込む鉄を作ります。 
資材の中から肌や硬さの合いそうな物を探しカット。
必要なのは皮鉄ですので縦にも引いて切り出します。

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埋める鉄を穴の大きさにピタリ合うように削ります。

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埋鉄OK

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砥石を当ててならします。 透き間無くちゃんと入ったようです。
では仕上げて見ましょう。

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こんな感じで終了です。



傷寄せビフォーアフター

傷寄せ例を紹介します。
傷寄せの基本、柾方向の傷です。(画像は研磨御預り品ではなく埋鉄資材)

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画像中央部。 深い割れが有り、一旦途切れて浅い割れが有ります。(この二つは中でつながっています)
これは単なる「深錆」ではなく「傷」です。 錆類は、押せば取り切れますが(あまり深いと取り切らず寄せや埋鉄で消します)、傷類は押して取りきれるとは限りません。 多くの場合、押せば押すほどどんどん大きく広がって来たり、少しづつ場所を移動しながらそのまま傷として存在し続けます。
たとえ小さくともやはり傷気は無くし、より美しい状態に仕上げたいところです。
今回は寄せタガネを使い、傷寄せを行いました。

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画像中央部に有った柾割れは無くなりました。
左側には小さな割れが幾つか有りますが、同じ方法で全て消し去る事が出来そうなタイプの傷です。
今回は写真撮影用に大きな傷一つだけを寄せましたが、この作業を本番で行う場合は、一つ一つ順次「寄せ→押し、寄せ→押し」と行うのではなく、「寄せ、寄せ、寄せ、寄せ、全部押し」と言う手順で行わなければ失敗してしまいます(T-T)