小刀の押形採拓2

これで諦めたらダメでしょという事で2枚目を採拓。
久々にカーボンを使い再チャレンジしました。

石華墨
カーボン

色むらを抑えるのが難しいのと長期保管で変色する事もあり、長らくカーボン紙での採拓はしていませんでした。
右のカーボンの方が銘が断然よく見えます。(鎬を越えている箇所は銘の一部が鎬を越えているからです)



小刀の押形採拓

小刀の押形を採拓する事に。考えてみれば小刀は初めてです。
重ねが無いので通常の楔形の台では輪郭の採拓は無理と思われ、シリコンで刀身に完全に隠れる台を作り刀身を浮かせます。

研ぎ崩れて鎬が無く銘も薄いです。石華墨での採拓ではおそらく銘は出ないでしょう。
インクなら出るでしょうか?!インク採拓の経験が無くちょっと分かりません。
小刀は茎の棟区部分が二段構造になっているのでここをどう摺り出すか・・・。
小刀の押形を書籍で確認してもやはり茎棟区部が摺れないので空白になっています。なんとか摺り出したいですが。。

銘が有る事はなんとか確認出来ますが、かなり厳しいですねぇ。。
茎の鎬が高いので重りを外し紙を平面にすると茎幅が実際より広くなってしまいます。
普通の鎬造りや菖蒲造り等は茎から上身へ鎬が通っており、実際の身幅より押形の方が広くなったとしても刀身全体にその現象が起こるので見た目の違和感はありません。しかし小刀は茎だけに鎬があり、押形の棟角の線にずれが生じてしまいます。
二段になった区を摺り出したうえに幅が広くなってしまう現象を解決する事は無理そうで、この辺は曖昧に処理するしかないですね。