無題

また図版の話ですが・・・。
「秋水の美」の前半は地鉄の見えるカラー写真に最高の押形付き。しかも全身押形多数という豪華振り。
全身押形の多さでは「備前刀剣王国」も。
「正宗」は相州伝名作集からの転載と思われる押形が刀身カラー写真と共に多数掲載。
その他にも写真と共に押形が多数掲載の図録は複数ありました。
そんな中個人的には、白黒写真で枚数は最小限に抑えながらも、図版の統一性やバランス感覚が素晴らしいと感じたのが「仙台藩の名工 國包」。
小さな短刀1点以外は全身押形としての掲載はなく、全て部分形式(実際は全身押形も多数あるのかも知れません)。おそらく、お一人の手による上手い押形。
ほぼ全ての刀に全身写真。全身写真では小さ過ぎて地鉄は見えませんが、全50口中の半数以上に柾目が鮮明な部分拡大写真が付きます。

さて、また押形を採ります。
今回は貞宗を。




図録には押形も

手持ちの展覧会図録や蔵品集のうち三十数冊程度をざっと確認したのですが、刀身写真と合わせて押形も多数掲載しているものは7,8冊程度でした。
思ったより多くてちょっと驚きです。
「全身写真と部分写真。茎の部分写真は実物に近い色合で。地鉄がよく見える部分写真と上手な部分押形。」これが揃う図版が理想です。が、諸事情あって実現は難しいですね。

「虎徹と清麿」の図録は押形無しですが、”この写真”を一枚入れる事で押形が必要なくなります。
この一枚の力は絶大ですね。