錵
研ぎ場にて粟田口二振り、綾小路二振りを拝見。
綾小路は「古京物(三条、五条)の作域を踏襲した感のある古様な趣のもので・・・」と解説されるとおり総体にうるむなど、いかにも古調な品が多い。
本日拝見した二振りの粟田口、錵の深さに圧倒される。
古青江、古備前、古伯耆などと非常に近い。
研ぎ場にて粟田口二振り、綾小路二振りを拝見。
綾小路は「古京物(三条、五条)の作域を踏襲した感のある古様な趣のもので・・・」と解説されるとおり総体にうるむなど、いかにも古調な品が多い。
本日拝見した二振りの粟田口、錵の深さに圧倒される。
古青江、古備前、古伯耆などと非常に近い。
午前中は軍刀研磨を頑張る。二十数年でいったいどれだけの本数を研磨したか分からないが、なかなか厄介な鉄質だ。
午後は研ぎ場にて山城物在銘特重を二口拝見。凄い品である。
午前と午後の落差が大きい。
重刀、特重などの所謂ランク付けを嫌う意見も多いが、そう言う指定を受けている品は圧倒的に良い品が多いのも事実だ。
支部例会入札鑑定会
一号 刀
中鋒、反り尋常。棒樋。身幅少し有る。粒が大きく明瞭な段差を生じる地錵が平地全体に激しく付く。映りがほぼ全ての焼き頭から発生し樋の角に到達する。
刃文は全体に小模様な丁子。横手付近以外は時代の減りで白くなる。
この時代にこの地錵を見た事が無く珍しい出来だと思う。以前拝見した事がある品だと思うが、片山か岩戸かどちらの極めだったか・・・。
岩戸一文字と入札。
二号 脇差
菖蒲造り。表、互の目で箱掛り、片落ち風や藤島風など。裏は少し下がるも先天的だと思う。無作為な帽子が気持ちいい。
これは数年前に支部鑑定で見た覚えがある。苦労した脇差。
石州貞綱と入札。
三号 刀
細身、室町期の備前。表草倶利伽羅、裏棒樋に添え樋。見幅が狭いため肉がたっぷり付く。焼きが高い。映る。
匂い口ふんわり柔らかいが疲れでは無い。
これも拝見した事が有るはずだが個銘が分からず。刃の出来は絶対永享寛正文明頃までに見たいが、その出来にだまされた品だったような記憶があるが・・・。
長船則光と入札。
四号 刀
中反り。鎬高く鎬幅尋常(若干狭め)。板目肌立つ。直刃。絞まり気味で縁が細かく動く。映る。
これは当てる事は無理だと思う。
とりあえず末三原に入札。
五号 短刀(両刃)
短寸でズングリする。詰む地鉄。直刃で砂流し金筋等働く。
長船勝光と入札。
然
当
然
イヤ
然
一号、ありゃ岩戸じゃなかった。
四号、全く分からず藤島友重と入札。
然
当
然
イヤ
然
四号、最初に鎬が高いと書いたが、実はここで鎬が高い事に目が行った。末手掻と入札。
然
当
然
然
然
一号 刀 大磨上無銘 片山一文字
二号 脇差 石州出羽(いずは)貞綱作 (重要刀剣)
三号 刀 備前国住長船祐定作之 永正元年八月日
四号 刀 勢州雲林院包長 永正四年十二月日
五号 短刀 備州長船忠光 文明十三年八月日
二号出羽貞綱は2013年支部鑑定にhttp://kyoto-katana.at.webry.info/201305/article_5.html
四号雲林院は珍しい品ですが、両刃の品がhttp://kyoto-katana.at.webry.info/201201/index.html#0117
新身で業者さんからのお仕事。反り浅の中鋒延びる刀の下地をさせて頂いた。新身のこの姿の下地は本当に難しい。いき切れない事が多い。
今一度、”他江不可渡之”を手に取りたくなった。
少し前に南北期刀の研磨と全身押形採取をさせて頂いた。 南北磨上と慶長新刀の関係を改めて勉強(実感)したい。
CMでやってる目のサプリ、ダメもとで買ってみたら劇的に効いた。
個人差はあると思うけど。
発想力は大事。
ずっとクリアしたい研磨法があった。 この状態に持って行く事が出来ない事は見れば分かるので、「私には出来ません」と研磨をお断りする事もあった。
しかしそれでもと研磨をさせて頂ける事も度々あり、そういう機会は誠に貴重。前回研いだ研師の状態に追いつくためにあらゆる手を尽くす。
それに関しては今年ようやくある程度追い着けてきた。
それにしても、以前より素晴らしい研磨法だとは思っていたが、これをやっていた研師のセンスは本当に凄いと思う。
私などは、その手本を元に真似が出来たわけだが、この状態が良いという感性でここまで持ってきた研師は本当に凄い。それに、現物を見てさらに現物を研ぎ直したとしてもその状態に持って行くまで何年も掛かるわけで、パイオニアさんは本当に凄い。
鎌倉期、重文太刀二振り拝見。
何故最上作なのか、こういう品を手に取るとその理由が眼底に刻まれる。
久々に古伊万里の油壺が欲しくなった。
南北朝期、相伝大切っ先の刀、全身絵図片面終了。
久々に薄い墨で描く。薄墨にはまるかも知れない。性格的に合う気がする。刀に合うのではなく性格に合う気がする。本当は刀に合わなくてはいけないが・・・。