無題

研ぎ場にて20年弱ほど前に研磨させて頂いた二字銘国光の短刀を久々に拝見。
それなりに減ってはいるが、元来重ね厚、振袖で姿の良い短刀。どこの国光だろうか。
重文の品拝見。手持ちが重く重ねが大変厚く新刀なみに健全。茎に鉄鎺の跡が強く付いて居るが、こういう状態を見ると、何故鎺下付近が大きく掘れ込む様に朽ちるかが分かる。ただ錆で朽ちるのではなく、刀身が揺れる時にどんどん掘れて行ってしまうようだ。だから鉄鎺は無くなったのだと思う。
好きな短刀拵えを揃って拝見出来た。
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法隆寺西円堂の拵えの復元と春日大社の柏木菟。
重文3、重美重刀等7ほど拝見。まさか手に出来る日が来るとは思わなかった品が。思った以上に厚くそして大振りな銘。
大刀全身押形完成。銘を書き入れる。余りに手が震え深夜に独りで笑う。



無題

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時間的に厳しいが長い物全身二振り行ってみる。
一つは大きな彫りで苦しみそうだ。



紙が無い

今夜は以前より描きかけでストップしていた短刀の全身押形を完成させた。
苦手な備前伝もスイスイ良い状態で進む。 最近色々とチャレンジの絵図が続いた後なので、以前は難しかった物も簡単に感じる。

紙が無い。押形の。
図引き紙の白梅と言う紙の10メートルの物を使って来たが、10メートルのロールの品がもうないのだそうで。
短くカットした商品は有ると言う事だがそれでは太刀・刀の全身がとれない。
白梅が無くなって、他の紙のサンプルを色々試させて頂いたが、他を試して初めて白梅の有り難さを実感した。
他の紙では毛羽立ってしまい、今までの技法では描けない。
これは大ピンチ。



京都府支部新年入札鑑定会

新年の鑑定会。

一号 刀

身幅広く長さ尋常反り浅い。鎬低く先幅有り切っ先詰まる印象。
詰んで美しい地鉄。鎬地肌も詰む。
中直刃。肥前風の箇所が多いが、微妙に匂い口が動く。

地刃共に肥前初代に行きたいが、姿を重視すれば江戸に行かざるを得ない。しかし、肥前刀を色々見ていると反り六分なんて言ってられない姿に出くわす事もあるし・・・。
保留。

二号 刀

寛文姿。匂い口絞まる逆丁子を整然と焼く。焼き幅広く、結果刃中がそれほど働かない。

地刃の質は中河内。しかし逆丁子は見た事が無い。
保留。

三号 脇差

短く反りが大変深い。
少し荒い肌に広い湾れや互の目で沈む。ちょぼんちょぼんと飛び出す互の目を焼く。

 播磨守輝廣と入札。

四号 脇差

平身。彫物。流れる肌。尖る刃に砂流し。三品帽子。

 越中守正俊と入札。

五号 短刀

関。尖らない。相当詳しくないとどの個銘に行くべきか分からない。
 兼杉と入札。

一号、法城寺の誰かだと聞かされてしまった・・・。
しかし余りに素直な直刃で法城寺に入れたくないので和泉守兼重と入札。
二号、全く分からないのでとりあえず丹後守兼道と入札。

国入り
国入り
イヤ

一号はやはり法城寺なのでしょう。 法城寺貞國と入札。
二号、やはり分からず治国と入札。
三号は完全な自信があったのですが、堀川だと教えてもらった。国儔と入札。


国入り


二号、大阪の備前伝と教えてもらうもどうしても中河内には入れたく無い。祐国と入札→国入り 長綱→「もうかんべんしといたる」

 
 一号 刀  但馬守法城寺橘貞国
 二号 刀  河内守国助(中河内)
 三号 脇差 和泉守藤原國貞
 四号 脇差 藤原正俊(越中守)
 五号 短刀 兼岩

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無題

お正月はちゃんと休む方が締りが有ってよい気がするのですが、何かと忙しく、今年は1日の夜から研磨を始めています。
気が付いたらもう11日ですか。信じられないほど早いですね。あぁ恐ろしい・・・。

先日出先にて、新発見の品で、最上作、平安時代、ほぼウブ茎在銘の太刀を拝見。
古研ぎで古鞘に古い鞘書。
傷気や繕いも無く、刀身の完存さ、出来の良さ等すべてに驚く。

京都と言う場所柄か、この手の新発見の品を拝見する事は多いです。
その昔は正直な所、羨ましく思った事もあったものですが、もうしばらく前から全く思わないですねぇ。
よく残ってたものだと素直に喜び一人で勝手に大満足です。
この手の新発見の品、良い状態で残る品ばかりではありません。これから先は忘れ去られる事なく大切に扱われる事を願います。
もの凄く貴重で価値の高い品なのに、どの時点で酷い扱いに変わってしまうのでしょうか。
色々な所に問題がありますね。



“Sword Oshigata Art”(刀絵図コンクール)

あけましておめでとうございます。
本年もどうぞよろしく御願い申し上げます。

昨年末にお知らせしておりました、“Sword Oshigata Art”についての詳細が発表されました。
日本美術刀剣保存協会が行っている「新作名刀展」「刀剣研磨・外装技術発表会」、日本刀文化振興協会が行っている「新作日本刀 研磨 外装 刀職技術展覧会」、これらはいずれも基本的に刀職技術者が出品する展覧会といってよいと思います。つまり本職の刀職が出品する展覧会です。
しかしこの度開設された“Sword Oshigata Art”(刀絵図コンクール)は日本刀文化振興協会が行う第7回「新作日本刀 研磨 外装 刀職技術展覧会」の中で開催されますが、刀文協HPの案内にもあります通り、「新作日本刀 研磨 外装 刀職技術展覧会」とは異なる手続き(出品申込書・出品票)で扱われます。 つまり、本職の刀職はもちろんですが、広く一般の方々にも門戸が開かれた部門であるわけです。
“Sword Oshigata Art”審査申し込みの詳細。

少し気になるのが「掛け軸表装かパネル表装が必要」と言うところでしょうか。
作品を軸装に出した事が無い方も居られるかと思いますが、一度ネットで検索してみてください。
軸装は、例えば”京都価格”などですと5万、10万と言うイメージがあったりします。しかし実際はシンプルな物でしたら数千円からあるんです。
こういうタイプでしたらお手軽感もありますね。私も過去にシンプルな物をたのんだ事がありますが、思いの他よい品が出来、大変満足しました。
”押形描き”の皆さん、“Sword Oshigata Art”にチャレンジしてみませんか?!