筆を入れる

佩き表の刃文を描く。
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一部墨が濃過ぎた。
薄くしようと思ったが上手く行かず。
全体を濃くして目立たぬようにしようか・・。



気持ちの有るうちに採る

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太刀、佩表から。
在銘太刀でもほとんど差し表から採るので反対側から採るのは珍しい。
時間が無いので短期で採りたく、気持ちが有るうちに銘の側を。
押形を採らせて頂くのに”気持ちが有る”と言ってしまえば、じゃぁ無い時も有るのかと言われますな。
そうなんです、無い時もあるんです。 なので、押形で料金を頂いた事は一度もありませんし、これからもありません。(お礼の御品を頂戴した事はあります。ありがとうございます!)
私の場合、研磨の仕事と押形は全く別の物です。
押形は自由にやりたい。
自由であるからこそ、真面目に練習するのは厳しいし続けるのは苦しい事もある。
それに逃げも利きますし。

押形記事がブログに出なくなったら、あいつは諦めたなと思ってください。



11月に

なりました。
10月終わりの土曜に、あれからもう1年経ったと言う内容の話を聞いて驚いた。
もう一年経ちましたか。 年々早くなりますねぇ。
あと二ヶ月も、あれしてこれしてと予定をこなすうちにすぐですよ。

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描きかけてストップしていた全身完成。
互の目から抜け出せて次からは少し気分が楽になる。



第九回お守り刀展覧会

お守り刀展が大阪にやってきます!
おまもり
会期 平成26年11月1日(土)~12月23日(火・祝)
会場 大阪歴史博物館
〒540-0008 大阪市中央区大手前4丁目1-32
TEL:06-6946-5728 FAX:06-6946-2662

関連イベント多数です!
詳しくは全日本刀匠会HPにてご確認下さい。



第九回お守り刀展覧会

おまもり

お守り刀展が大阪にやってきます!

会期 平成26年11月1日(土)~12月23日(火・祝)
会場 大阪歴史博物館
〒540-0008 大阪市中央区大手前4丁目1-32
TEL:06-6946-5728 FAX:06-6946-2662

関連イベントも多数あります!
詳しくは全日本刀匠会HPにてご確認下さい。



古備前

研ぎ場にて古備前を拝見する。
古備前は時代で言えば平安末~鎌倉初期の作である。
今週研ぎ場で拝見する在銘の古備前は二振り目だが、この錵出来の刃を見る度に鎌倉末期の多くの名刀も、これには到達出来ていないと感じてしまう。
こう言う違いをもっと分かり易く説明出来ないものか。
TV等のナレーションでこれをいう場合、「とされる」「と言われている」との表現になる場合が多い。
しかしこれでは「昔にしては凄かったんだね」「電気が無いわりにはそこそこ良い物が作られていたんだね」程度で終わっているのではなかろうか。



研ぎは気持ち

本日は研ぎ場にて非常に多くの刀を拝見。
中に一振り、内曇を完璧に引ききり長時間下刃艶を入れ、丹念に地鉄を整え、完璧なナルメを行った研ぎがあった。
研師の各工程の気持ちが見えた。



今一度、平成知新館へ行ってみた

また行ってみた。
平日でも変わらずの行列。
これから紅葉シーズンにかけて途切れる事はなさそうだ。
会場に居ると、普段は”刀”を意識しない人々が目にする”刀”とはどの様な物なのか、漏れ聞こえる声からわかる。

さて、骨喰藤四郎。
茎の火肌から火災後の刀身状態が想像できる。
火災に遭い、その後の研磨を経ないそのままの刀身を度々見るが、上身もぺらぺらと肌がむけている。
骨喰の彫りもかなり酷い状態であったと思われる。そして更に再刃。
彫りの力が全く無いのはそれが原因であろう。
光徳刀絵図を見ると焼身になる前の図があり、それは今よりも濃密で力強い彫りである。が、押形には寿斎の書付で「切物之内二むら有之故さらへ申・・」とあり、埋忠寿斎が彫りさらえをして居る事がわかる。即ち元々それほど上手な彫ではなかったのかも知れない。
康継の作に「骨喰吉光模」の銘がある骨喰写しが存在する。(また重刀図譜を見ると播磨大掾重高にも骨喰写しがあった)
これは本科骨喰が焼身となる前に写された物である。その彫りは光徳絵図に見る彫りに近似し、骨喰の元の姿が窺い知れる貴重な品である。
そもそもこの彫りは藤四郎吉光が彫ったとは思えないのだが、誰の手によるものか・・。(刀身自体吉光作とは考えられて居ないようであるが)
この異様に幅広い櫃や櫃内の空間の多さは康継が骨喰彫りを写したと言うよりも、元が越前彫りと言われた方がよほどしっくり来る。

少々前置きが長くなった。昨日のブログで「骨喰の彫りは何とかならないものか」と現状の批判めいた事を書いてしまったが、研磨は手を尽くしたのかもしれない。
すべては上記のごとく、焼けたのが悪かった。



平成知新館に行ってみた

京都国立博物館の平常展示館、「平成知新館」に行ってみた。
明治古都館(本館)では鳥獣戯画の展示で2時間待ちの行列です。
あんな状態で見るのは辛い。

平成知新館はリニューアルが完了したばかりで美しい建物。
素敵な雰囲気。人が少なければですが。

島津正宗を見に行った。
人の流れにのってツーっと何度か見る。
正宗6振り、郷3振り、藤四郎2振り。

正宗と郷は難しい刀。

秋田藤四郎と骨喰。
可愛らしい銘の秋田藤四郎(失礼な表現ですみません)は展示で度々現物を見る。
吉光の銘は数種あり、厳ついグループと可愛いグループなどある。
以前新発見で話題になった岡山藤四郎は秋田藤四郎と同じ可愛い銘グループに入る。

骨喰の彫りは何とかならないものか。
何度見ても思いますが、こどもが銀紙を貼った様な仕上がりで。
彫り直しがダメならあと少し荒い仕上げに留めれば少しは改善されるかも。
貴重な歴史資料ですから惜しいです。



平成26年10月 京都刀剣入札鑑定会

一号 刀

太刀の磨上定寸ほどか。
表尋常な切っ先。 裏は少し上で切っているため小切っ先風に見える。コンマ数ミリだが刃三つ角を外すと雰囲気がかなり変わる。
細かく乱れる。
横手下から帽子は元来の匂い口、それ以下は総体に潤む。
映り鮮明。映りのほぼ全てが焼き頭に接着。焼き頭より棟方向へ垂直に立ち上がるイメージ。よって、暗帯部は帯状ではなく魚体に現れるパーマーク状となる。
暗帯部と映りでは映りの方が明らかに硬く、映りが高い状態にはっきりと段差が出来る。
薩摩刀ほど大粒で黒い地錵が映り部と暗帯部にも均一に、平地全面に付く。
地錵は映りより更に硬く刀身表面で一番高い層となる。

こういう状態は珍しいと思うが以前拝見した事がある刀で、片山の極めが付いていた。
片山一文字と入札。

 

二号 刀

備前。中期を少し下がる姿かと思う。室町の。
直刃。映る。もやもやと大肌が映るタイプ。自然。
反り、身幅、切っ先、地鉄、すべて忘れて刃だけを見ると少し来風。
もしかして昔出た事があるか?しかし全く思い出す事は無い。

長船勝光と入札。

 

三号 刀

延びる切っ先。フクラ先張るも元来では無い。
新刀風。
綺麗な地鉄。
古刀風。
よくわからず。
長義の形の刃が混じる。
兼長の極めだったりする?

兼長と入札。

 

四号 短刀

反る。複雑な互の目でずずっと焼き下げる。
かなり刃を立てた差込で元来の匂い口の雰囲気がつかみ難いが、本来は今ほどカリカリしていないはず。
末備前と廣賀で少し迷う。備前にしては反り過ぎだが廣賀はいま少し先で細いイメージがある。

源兵衛尉祐定と入札。

 

五号 短刀

細身。重ね厚。細目の直刃。

土佐吉光と入札。

 



国入
イヤ
イヤ

二号は同然に終わりました。
三号は時代が全然違うそう。
四号は二択負け。(本当はそうでは無く、第一に入れるべきであった)
五号は絶対の自信だったので驚いた。

 

三号 祐定と入札。
四号 廣賀と入札。
五号 末の包次と入札。





通り

五号、大和末手掻で通りと来てしまいました。
加賀四郎? 20年弱前でしょうか、加賀四朗コレクターが居られ、数振り拝見したかと思いますがそれ以来見て居ません。
山城?
判者さんが山城の鞍馬関をお持ちである事は知っています。確か過去に三、四振り鑑定に出ており、この短刀は無かったはず。 もう鞍馬は無いと思う。
後代の信国、吉則、吉房、長吉、この辺しか思い浮かばず。

三条吉則と入札。





一号 刀  片山一文字
二号 刀  備前国住長船与三左衛門尉祐定作 天文十年八月日 為銘有り
三号 刀  備前国住長船彦左衛門尉祐定作 天正三年八月吉日
四号 短刀 見田五郎長銘廣賀 永禄五年八月日
五号 短刀 吉次(鞍馬関)

鞍馬関ですか・・。
土佐で完全な札だと思ったのですが。
鞍馬関は思いのほか隆盛したのでしょうか。 しかし長い物は見た事が無い。

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