御刀色々

今週は、国宗、長光、国俊、信国等々を拝見しました。
また、本日は近江大掾忠廣の二尺五寸ほどの御刀、長船師光等を拝見。
近江大掾は、元幅広く元先の幅に開きが有り、肥前刀としては反り浅い姿。
匂い口大変深く明るく肥前独特の直刃です。
地鉄もよく整い地沸を敷き詰めた良刀でした。
佐賀県の昭和26年登録であり、それだけでも価値が有るなぁと思いました。
太刀銘で備州長船師光。 少しスリアゲですがおそらく定寸ほど有ったと思います。
腰反り気味で、上品な姿。
刃文は下半は刃中大変よく働く直刃調、上半はあまり出入りの大きくない互の目調。
全体に映り気が有り、応永頃の備前物独特の肌合いを呈しています。
山鳥毛風の合口打刀拵えが掛けられており、刀身を白鞘には入れず直接拵えに納められて居ました。
通常は刀身は白鞘に入れて保管するものなのですが、この様に拵えに刀身が入った状態と言うのは持った時にズッシリと重く、大変気持ちの良いものです。
また、特に薄く作られた鞘ですのでその感触は格別でした!



錆身

今日は正安年紀でフルネーム長銘の錆身太刀を拝見。
大変貴重な銘です。 おそらく銘も大丈夫でしょう。
ウブ茎で素晴らしい太刀姿でした。  



柳刃包丁!

ずっと欲しかった刺身包丁の左利き用をネットで購入しました(*^ー^)ノ
高い物は数万円!  ・・・んなもんは買えまへん。
7千円ほどの左用刺身包丁を購入しました(青紙)
包丁ってこんなに悪い造り込みなのか・・・・。
安かろう悪かろうと言う事か。
曲がっているし刃線はずれてるしムラもひどいし(T-T)
新品の包丁なのに研ぎ直しに30分掛かりました。 完全には直しませんでしたが。
しかし包丁について完全に素人ですので和包丁の刃先の構造が今一分らず・・。
届いた時は刃先に急刃を付けていたのですが、全部無くしちゃいました。
先ほどネットで見たら、和包丁も刃先に急刃を付けるんですねぇ(^-^;
でも、使う前は毎回研ぐので先の急刃無しでも良さそうです。
そもそもそれほど鋭い刃が付く鉄質では無さそうですけど(>_<) 左利き用の道具を初めて使ってのですが、ちょっと感動しました! 生まれてから今までずっと色々な道具類、右利き用を左で使っていましたが、ちゃんと左用に造られた物は大変具合が良いです(^O^)♪



さぁ!

やってまいりました新年度です! (ちょっと過ぎちゃいましたが・・。)
こういう仕事ですので新入社員が入ってくる訳でも無く、新年度だからと言って特段変わった所は無いのですが、区切りが有るのは気持ちの良い事です(^O^)♪
本日は年度の初めに相応しい名刀を拝見致しました。
備前の古いところ。
大磨り上げで金象嵌銘(花押無く詳細不明。暢達な書体に鑢目のしっかりとした本式の金象嵌です)。
今まで見たこの系統で、確実に最高の出来でした。
拝見した時は極めと特徴がいまひとつ合致しなかったのですが、先ほどから色々と調べて居ますと、なるほどよく極められているなぁ・・・っと感服致しました。 ・・・っと言っても作刀数が大変少ない刀工ですので資料も殆ど無いのですが・・。
作刀数少ない刀工と言われる中であえてこの個名に極めたのですから、江戸時代の鑑定家は(も)凄いなぁと感じます。
全国からどんどん名刀が集まるようなシステムでもなかったはずですが、日々かなりの数の御刀に触れ鑑識眼を磨かれていたのですね。(江戸には全国から大名が集まり名刀も集まりますが)
作刀数の少ない(在銘が少ない)刀工に極める場合、
「この出来ならば、あの刀工にこの様な出来が合っても然り」と言う事で、個名の極めを付ける事も有る訳ですが、本日拝見した御刀の極めはもっと確信的なのではないかと感じました。
御刀の出来はと言いますと、季節で言うと夏でも無く冬でもなく・・・。
匂い口優しく、派手で無く、しかし地味過ぎず。 まさに春、桜八分(九分)咲きと言った感じでしょうか。
”(徳)室温常忠”の折り紙は「古折り紙」と称され、現代に於いても特に重要視されています。