9月京都府支部例会

本日は支部例会。
午前の勉強会は北川刀匠による作刀工程解説。
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プロジェクタを使用し、色々と教えて頂きました。時間は1時間半ほど。作刀解説にはとても時間が足りませんね。
何回にも分けて、もっとずっとお聞きしたい内容でした。楽し過ぎる時間です。
(画像は玉鋼。飛んでしまってますね、目が痛い。すみません。玉鋼はキラキラ美しいです。)

 

入札鑑定

一号 刀

肥前。中鋒。直刃。特に上質の地鉄。少し柔らか目だと思う。

常に見る直刃肥前刀よりも一段と刃錵が細かい気がする。腰に少し節があり気になるが、陸奥守忠吉と入札。

 

二号 刀

少し短めで、焼き出し付近を見るに若干上がって居ると思う。反り浅い。
帽子丸。頭そろい気味で複雑によく乱れる。砂流し。表裏に肌荒れが目立つ。荒れていない地鉄は大変精良で、一面の微細な地錵が白熱灯を受け光る。

一見古刀にも見えなくは無いが、やはり新刀。しかしあまり馴染みの無い出来・・・。全く違うと思うがとりあえず初代金道と入札。

 

三号 平脇差

平身。重ね厚く、反り強い。直刃。元は細めの中直刃。先に行き広くなり広直刃に。上に行き葉等働く。総体に絞まる。逆足風一つ。帽子深め。
詰み気味の地鉄。研ぎの具合で流れ風に見えている。

金高、金房、中島来などが浮かぶがなんでしょうか。 金房正真と入札。

 

四号 短刀

重ね薄く反り浅い。最良の地鉄。小湾れ、互の目。頭の低さが目立つ。帽子尖らず。
映りあり。

良い地鉄。応永備前風に仕上げられている。 長船師光と入札。

 

五号 短刀

両刃。小ぶり。地鉄精良。

小ぶりの両刃と言うことで最末より少し上げて入札する程度の眼力しか持たず。 勝光と入札。

 


イヤ
イヤ
国入り

 

二号 しばらく考えたが、不意にこれを思い出した。多分間違いないと思う。 興正と入札。
三号 全く分からなくなってしまった。こんなに強く反る青江は見た事が無いが、なにせ例外だらけが刀なので。。青江次直と入札。
四号 南北朝だとお教え頂いた。 倫光と入札。

 



通り

三号 少し間をあけて再見。なぜ一札目でこれに入れられないかなぁ、自分が信じられない。気が付けばこれ以外には見えない。清光と入札。





 

一号 肥前刀国住近江大掾藤原忠廣(陸奥守忠吉代作)
二号 長曽祢興正
三号 備前国住長船清光 弘治二年八月吉日
四号 備州長船兼光 延文二年十一月日
五号 備州長船忠光 延徳二年二月日

四号兼光、さすがに最良の地鉄でした。過去に拝見してきた兼光は地鉄を極力抑えた品が多く、今回の様に明瞭な地鉄に仕上げた物を見た経験が少ないため、兼光を避けて入札してしまいましたが、茎をあけた後拝見すると牡丹映り状の箇所もみられました。 また一つ貴重な経験を積む事ができました。

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