新年会恒例一本入札
先日は京都支部新年会。
恒例により新年会は一本入札で行なわれます。
(今回は、「提出は一回のみですが、それぞれ三つ書いてもよし」と言う大サービスの一本入札でした)
会場で久々に刀鍛冶修行中のピエールさんにお会い出来ました。
ピエールさんはいつも誰よりも熱心に鑑定をされています。
私事ですが、英語の話せる40代を目指してここ半年ほど英語のお勉強をして居るのですが(至ってマイペースな程度ですが)、この勉強法で良いのかどうかずっと不安でした。
それでピエールさんにお聞きしたら「ウン!それ正しいと思います!そのまま後三年頑張って!」と言う風に言ってもらえました。
40代に間に合うでしょうか??
継続は力なり。
一号 太刀
細身。輪反りに近い。
小沸え出来
雰囲気は鎌倉時代前期乃至中期です。
乱れの調子が細かく初見は古一文字を思いました。
落ち着いて見ると、佩表物打辺に白い巣に成った肌が幾つか有ります。
さらに、焼き頭に沸えが凝り飛焼になる物が点続し、湯走り風となっている箇所が数箇所あります。 これは決定的特徴でしょう。
でもちょっと不安ですのでとりあえず三つ。
「綾小路・古備前行秀・来国行」と入札
二号 刀
短寸。 匂い出来、腰開き互の目。 部分に沸え付く。 乱れ映りが全身によく出る。
末と中期と迷いましたが
「与三左衛門尉祐定・勝光」と入札。
三号 脇指
身幅大変広く、大鋒。
鎬地幅広く、派手な龍を欄間透かしに彫る。
今日は頭が晴れて居るので持った瞬間、日向大掾貞次を思いました。
しかし直感でしか無いので少し考える・・・。
匂い口は康継では無い。 しかし帽子の形は完全に康継。
康継以外の初期越前物と言うつもりで「越前下坂」と入札。(初代康継も初期には下坂銘があるため本来はこの書き方だと初代康継も含む意味にとれます)
四号 脇指
平身。少し反る。 表に梵字、裏に雨龍。
美しく潤い完璧に整う地鉄。
刃先まで細かく沸え、冴える刃。
地鉄は潤い少し青みが有ります。
この潤い感は拭いの材質による所が大きく、青味はよく沸える刃で、刃艶の効きが大変よいため刃取りの色が晴れる事による視覚的効果から出ているのではないかと思いました。
この、刃取りが楽しそうな刃はこれしかないでしょう。 しかし他の刀を見た後、再び見ると迷いが出て来てしまいました・・・。 その選択はずるいと言われる札になったでしょうか・・・。
「親国貞(和泉守国貞)・出羽大掾国路・こてつ」
五号 短刀
内反り、直刃、返り長い。
沸え映りが出ています。
返りが長いので来国俊に入れたくなりますが、違うようです。
三つ考えましたがどうしても二つしか思い浮かばず。
「青江次直・古宇多国房」
当
然
然
当
然
一号 太刀 綾小路
二号 刀 長船宗光
三号 脇指 日向大掾貞次
四号 脇指 於大阪和泉守国貞
五号 短刀 青江延次
鑑定会後は数年ぶりに宴会に出席させて頂きました。
楽しい宴会とおいしい料理。
こういう席での料理は「もう終わり?!」と言う場合が多いものですがここ「三木半」は、「もう食べられません」と言う感じでおいしい料理が出てきます。
その後、刀の大先輩に上七軒に連れて行って頂き、普段私などは絶対味わえない雰囲気を堪能。
お土産にサンドイッチを頂きました。
ただのサンドイッチとして何気なく頂戴したのですが、帰宅してビックリ。
こんなのは、私はもう食べられる事は無いと思います・・・。 ありがとうございました。