野中鉄工(宮甚)さんから鋏研磨のご依頼を頂き研がせて頂きました。
鋏は実用の刃物ですので通常はそれに適した鋼材を使用し製作されていますが、今回は美しい刃文と地鉄を求め、初めて玉鋼(日刀保たたら)を使用し製作されたそうです。

玉鋼は扱いが難しく、焼き入れ温度の僅かな違いで刃の高さが変わってしまいますし、何から何まで一からの試行錯誤で、苦労の末の一本との事でした。
にしても、鍛錬から焼き刃土の調合や焼き入れ等々、玉鋼の扱いに慣れた刀匠のアドバイスなどは全く無しでこの様に完成出来る物なのですか。。凄いです。
研磨の方ですが、構造を理解していない素人の私が下手に触ると切れない道具になってしまいます。造り込みを崩さぬ様に注意しつつ、刃文と地鉄を美しく、そんな意識で研磨させて頂きました。