押形完成

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太刀の全身押形が完成しました。
押形の刃文描写の方法は、墨、鉛筆等いくつかありますが私は墨を使う方法で行っています。

墨での描き方にも描く人それぞれのやり方がありますし、鉛筆を使う場合も描く人によりかなりの違いがあります。
例えば同じ刀を別の技法で描き比べれば、刃文の形こそ同じですが、各技法が表現された全く違う雰囲気の押形となるはずです。
押形の基本は”記録”ですから本来は描き手の個性は必要なく、刀の個性を捉えありのままに再現する事が正しいのでしょう。ただ、技法が違えば出来た物の雰囲気は変わりますし、描き手それぞれの視点の違いもあります。
絵画から絵画へと模写するならば、”完全”もありうるでしょう、しかし見る人の心次第で表情を変えるとまで言われる刀を描くわけです。
完全な記録など不可能。
という事で私の押形は、出来るだけ本物に近い雰囲気(刀を手に取って見ている状態)を描き出せるよう努力するというスタンスで描きます。

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お盆に東大寺近くの書道具店で小さな硯を購入。こういう道具が一つ増えるだけで楽しく描けます。