大和

ここのところ研ぎ場で大和物と出会う機会が多く、千手院、手掻、当麻、尻懸、包永極め物などを拝見。
いずれも大磨上無銘刀。
やはり柾気の強い物が多い。
そう言う刀を大和物に極めるのでそうなる訳だが。
日本刀大鑑の大和物総説では「大和物は素朴で、華麗さに乏しく、しかもそれを守り続けようとする保守的なところがあり、それが禍いしてか、なかなか一般受けがせず、名物にもわずかに八点採り上げられているに過ぎないし、
現在でも国宝に手掻の包永・当麻の国行・竜門の延吉・千手院長吉の各太刀と無銘当麻・保昌貞吉の各短刀の計六点が選ばれているだけである。 しかしこうしたところが妥当な線であろう。」 と書かれている。
大和物ファンとしては非常に寂しいところである。 
昔から華やかな物がもてはやされたのか、精良な鉄を鍛える技術が称賛されたからか。
大和には備前の様な華やかさは無いがそれとは全く違った魅力があり、必ずしも一般受けしないとも思えないのだが現実は違うのだろうか。
刀を好む人には素朴さを求める人も多いと思うのだが。



青蓮華を引く

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今夜は青蓮華を引いた。
こういう物は石の名前にこだわったりまた石での苦労が浅い間はまず入手しない。
私も苦しまぎれで買った石である。
非常に硬い。
20歳くらいの頃か、数年間毎日の様に十数時間内曇りを引き続けたが、その経験が無ければ引けないと言うほどに硬い。
しかし内曇りでは到達出来ない肌になる。
全く引けない刀の方が多いけど。。



古都です

本日は京都の三つ星店の御主人よりお招きにあずかりお料理を頂戴致しました。
京都でも特に格式のある落ちついたたたずまいのお店です。
時折見かける割烹着を着た若い方々は引き締まった雰囲気で、てきぱきと仕事をしています。
玄関さんや接客の方々は、にこやかにに緊張をほぐしてくれます。
完全な世界を体験しました。



ナルメの石を

ナルメ用の石を探す。

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久しくこのタイプの石をナルメに使用していなかったので試せる状態にした。
画像に見るとおり、どれも同じ砥石にしか見えない。
しかし4枚それぞれ砥質も研磨力も大きく違う。
天然砥石の良否は色で判断する(色や模様など)と言われているが、それで当たれば苦労はない。
昔はそう言う時代もあったのでしょうが少なくとも近年は簡単ではない。



エナジーは効く?!

最近エナジードリンクって色々出てますね。
人によって様々だとは思いますが、私にはもの凄く効くので長時間運転の時は飲む事があります。
例えば先日。
午前7時、朝食を食べようと思ったが子供達に全部食べられてしまいレモンティーだけを飲む。
お仕事。
午前11時半頃昼食。 茶碗一杯のご飯と少しのおかず。
お仕事。
午後3時頃極小さなケーキとブラックコーヒー。
お仕事。
午後5時から急遽、刀をお預かりするため高速で往復4時間走る。
(行く途中眠気防止にエナジードリンクを飲む。)
とんぼがえりで午後9時帰宅。
そのまま元気ルンルンでジムに行き、いつもの2割り増しで筋トレやランを1時間半ほど。
帰宅後焼酎を一杯飲んで就寝。
食べなくても異様に動けてしまうんですから正にエナジードリンク。
体に優しくは無いんでしょうね。



映画でした

本日は映画関係のお仕事で朝から撮影現場に。
これほど日常との落差の大きい日もめずらしい。 
落差と言ってしまうと、どっちが上でどっちが下だとちょっと語弊がありますか。
のべ20日間ほどたずさわりましたが私のは終了です。
色々刺激をもらいました。
どんな仕事でもやる気の無い人間は伸びんと言う事ですな。
ありがとうございました。



今年は

花粉症、昨年までの今頃はかなりつらかったのですが、今年は本日の午後まで一切症状が現れず。
お昼頃までは「花粉症完治!」と思い、陽気にもさそわれて車の窓全開で走り回り、仕事場の窓も全開で仕事をしておりました。
何か治療をした訳では無いのですが、なにしろ無症状でしたので。
そしたら午後は鼻ずるです。
とは言え軽い。 目は全く痒み無しです。
どうしてしまったんでしょうか?! 



八重の桜の

前々回の放送。
終わりのシーン、新島襄が船に乗り込むところ。
手には大小の刀が握られていました。
研磨させて頂いたのはもう何年も前ですので、まさかこのような形で見る事になるとは思いませんでした。
新島はこの大小を手放す事になりますが、後に同志社に寄贈されています。



25年3月 京都刀剣入札鑑定

最近ブログの更新も滞りぎみです。
ネタ切れではなく、むしろ出来事は大量なのですが、なかなか書き辛い事も多くて。
本日は支部会。
一号 刀
身幅大変広く、よく反り大切っ先。
刃が低いので地鉄面積が広い。 樋。
大磨上無銘と思う。 
並んで後ろから見ても青江。
 青江(貞次)と入札。(古青江ではなく)
二号 太刀
中の少し腰の反り。 重ね大変厚い(三分は有る)。 長い。
直刃。 
かなり肌を強調する研ぎ。 映りも有るよう。
おとなしく研いだ地鉄を想像するがなかなか難しい。
 長船成家と入札。
三号 刀
新々刀。 昇り竜、降り竜。
 固山宗次と入札。
四号 刀
肥前。 頭が大体揃う丁子(所謂足長丁子)。 
大量に虻の目(メガネ)。
ちょっと肥前のこの手の丁子について色々考えた事がありませんでした。
普通は近江大掾に入れるべきでしょうが少し外しておきます。
 初代行廣と入札。
五号 短刀
先反り。 重ね薄。
全体に焼き高く、棟焼きも深い。
 島田助宗と入札。
 通り
 通り
 当
 然
 通り
一号は青江じゃなかったのですね。
大きいので雲重にしてみます。
二号 国分寺助國に。
五号 ならばこれ。 千子正重。
 国入
 通り
 当 
 然
 当
一号、先日研ぎ場にて、片落ち風の全く入らない大変大きな造り込みの元重を拝見しましたので、元重としてみる。
二号 一昨年研磨させて頂いた在銘次直に似た物がありました。 青江次直と入札。
 然
 当
 当
 然
 当
一号  太刀  折り返し銘 備州長船兼光
二号  太刀  金象嵌銘 青江
三号  刀    固山宗次(長銘)
四号  刀   近江大掾忠広(長銘)
五号  短刀  正重
一号は三本目の札の後にゆっくり鑑賞させて頂く事が出来ましたが、ただものでは無い刀でした。
細かく錵る地鉄です。 
刀身全体と切っ先内にまで淡くもはっきりとした映りが出ています。
研磨は錵と地景を優先したと思われるもの。
一選択として素晴らしい研磨ではないかと思い拝見致しました。

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