天然砥石比較 83~88

砥石屋さんに通っていると、サンプルやお土産品的に砥石を頂く事があります。それは未経験の砥石を試させて頂ける貴重な機会。
たかがサンプルと侮るなかれ。思わぬ名砥に出会う事もしばしばで。
天然砥石比較 34〜47」のNo.46は、おそらく現在一番活躍中の主力砥ですが、これもサンプル品。
以下サンプル砥石を幾つか。

No.83
No.83研汁
No.84
No.84研汁

No.85
No.86
No.87
No.88
No.88側面
No.88研汁

No.83 風化が進んでいてヒケが入ります。
No.84 この山独特の引き味で、焼きが高く硬い刀の刃砥に使用できます。
No.86 最近はこの手の刃艶が仕事が早くて好み。
No.87 硬い刀に限りますがナルメ用。
No.88 何年の8月か忘れてしまいましたが「注目」と記しています。「天然砥石比較22〜26」、この辺りの石と同種という意味だったかと。今回引いてみましたがやはり良い刃引き。以前は刃艶になった時にどうなのかを視野に入れて居ませんでしたが、試すべきだと感じました。



天然砥石比較 78〜82

No.78
No.79
No.80

No.78

No.79
No.80

No.78
砥石硬度  5/10
研磨力 4/10
刀身は末相州。刀身硬度6/10

No.79
砥石硬度  6/10
研磨力 3/10
刀身は末相州。刀身硬度6/10

No.80
砥石硬度  6/10
研磨力 6/10
刀身は末相州。刀身硬度6/10

No.78 見た目からあまり使って来ませんでしたが、若干締まり気味の刃砥として良い石です。
No.80 いつ頃の産出でしょうか。非常に良い石です。おそらくかなり古い時代の物ではないかと思うのですが。ヤケていない部分のこの独特の色合い、やはりこの手の石は高レベルですね。

No.81

No.81
砥石硬度  7/10
研磨力 5/10
刀身は末相州。刀身硬度6/10

No.81 内曇砥の地砥です。
内曇の地砥として良い石ですが、私は内曇の地引き工程に内曇砥はあまり使いませんので、今後も使う機会は少なそうです。

No.82表面
裏面
側面

No.82
砥石硬度 6/10
研磨力 7/10
刀身は末相州。刀身硬度6/10

大分以前に発見し、その後行方不明になっていた砥石が出て来ました。
天然砥石比較 50〜59」のNo.50、「刃艶重要2」がありましたが、実は今回見つけたNo.82が「刃艶重要1」。
これが見つかっただけでも「天然砥石比較」をやった価値があった・・・と言いたい所ですが、実は「刃艶重要3」まであったんです。
「3」も何も記していませんが見れば分かるんです。がしかし見あたらず。。どこに置いたのか。
にしても、引き砥として久々に試してみましたが、最上の刃引きです。最上の刃引きにして最強の刃艶。スーパー砥石ですな。
一見大平に見えますがしかし、どうも大平ではない気がするのですが、どうなんでしょうか。

(研磨力数値はこの刀身に対しての物です。全ての砥石を試しまとめた物を書いているのではなく都度の感覚での数値です。)



「日本の心象 刀剣、風韻、そして海景 」

詳細は「姫路市立美術館HP」をご覧ください

趣旨

「日本の心象 刀剣、風韻、そして海景」バナー

本展は、日本の美意識を象徴する刀剣の刃文の美を手掛かりに、日本の風土が培ってきた深淵にして豊穣な心象風景に触れ、その世界観の独自性、また普遍性を多彩な視点で探求しようとするものです。第1章「刀剣の光陰」では、国内の名刀29口とともに当館所蔵・寄託の姫路ゆかりの刀剣20口を紹介し、多様で奥深い刃文の美をひもときます。第2章「風韻、そして海景」では、現代の刀匠と鍛冶師・明珍兄弟による、音(玉鋼火箸)と光彩(刀剣)のインスタレーションをプロローグとし、時間や人間存在についての思考を写真で表現する杉本博司の写真作品、「海景」シリーズを展観します。第3章「たまはがねの響」では、美術館の前庭を活用し、明珍火箸(兵庫県指定伝統工芸品)の音色を素材に制作した音楽作品を、菅野由弘(作曲家)の制作・監修の下、光と音のインスタレーションとして展開します。

会期

令和3年(2021年)7月3日(土曜日)から9月5日(日曜日)まで

休館日

月曜日(ただし8月9日は開館)、8月10日(火曜日)

観覧料

一般:1200(1000)円  大学・高校生600(400)円  中学・小学生200(100)円

( )内は20人以上の団体料金同展入場券で常設展示室もご覧いただけます。

主催

姫路市立美術館

共催

一般財団法人 林原美術館

特別協力

姫路しらさぎ刀剣会

協力

  • 公益財団法人小田原文化財団
  • ギャラリー小柳
  • 京都国立博物館
  • 全日本刀匠会
  • 株式会社テレビせとうちクリエイト
  • 公益財団法人日本美術刀剣保存協会
  • 有限会社明珍本舗
  • 早稲田大学理工学部表現工学科

後援

  • 朝日新聞姫路支局
  • NHK神戸放送局
  • 神戸新聞社
  • 産経新聞社神戸総局
  • サンテレビジョン
  • 播磨時報社
  • 播磨リビング新聞社
  • 姫路ケーブルテレビ
  • 姫路シティFM21
  • 毎日新聞姫路支局
  • 読売新聞姫路支局
  • ラジオ関西

イベント

会期中次のイベントを開催します。詳しくは各イベントのページをご覧ください。

  • オープニング記念トーク「日本の心象風景」 青木 保氏(文化人類学者・元文化庁長官)ほか
  • ディスカッション 「エンターテイメントから始まる、もっと自由な刀の楽しみ方」 橋本麻里氏(アートライター)ほか
  • 講演会「たまはがねの絶景」  明珍宗裕氏(刀匠・本展出品作家)、明珍宗敬氏(鍛冶師・本展出品作家)、 植野哲也氏(本展監修・林原美術館主任学芸員)
  • 講演会「姫路ゆかりの刀剣」 末兼俊彦氏(京都国立博物館主任研究員)
  • 「刀剣の光陰」解説会 森岡榮一(当館学芸員)
  • 子ども鑑賞会

刀剣乱舞-ONLINE-コラボレーション企画

「日本の心象 刀剣、風韻、そして海景」に「国宝《太刀 銘 国行(号明石国行)》が展示されることを記念し、刀剣乱舞-ONLINE-とのコラボ企画が決定しました。

姫路市立美術館では刀剣男士・明石国行の等身大パネルの設置とコラボ記念グッズの販売を行います。

詳しくは専用ページ「刀剣乱舞-ONLINE-コラボのお知らせ」のページをご覧ください。

「日本の心象 刀剣、風韻、そして海景」プレスリリース (PDF形式、2.68MB)

出展作品一覧 (PDF形式、345.82KB)



天然砥石比較 74〜77

No.74
No.75
No.76

中山産。刀剣の研磨では角砥として使う研師は少ないと思います。
通常は↓の様なコッパから地艶を作り使用します。

久々に中山の黄板をネットで探してみましたが、殆ど見つかりませんでした。数年前まではまだ入手出来たんですが・・・。
No.76は砥台から大きくはみ出すほどの大きさ。厚さも5㎝を超えます。今では恐ろしくお高い砥石なんでしょう。
刀剣文化はますます赤信号です。

No.75研汁

No.75、良い研ぎ味。たまに使っています。

No.77

砥石の世界をよほど理解してからでなければ、砥石に押してある印だけを頼りに手を出すべきではないと思います。危険がいっぱいな世界で。
(因みにNo.77は大丈夫だそうです)
よく「”ほんやま”(本山)」といいますが、この石の印にある「正本山」の事です。
ネットで見てみましたら「しょうほんやま」と読むと書いてあったりするのですが、昔、畑中さんの所に行った時、「”ほんやま”と呼ばれているのは登録商標の”じゅんしんしょうほんざん”(純眞正本山)の通称だ」と教えて頂いた記憶があって。「しょうほんざん」と仰っていた様に思うのですが、記憶違いなのでしょうか。。 この辺りの石は刀研ぎの世界では鳴滝と総称してしまうので、砥石に少し明るい方には常識であろうそういう知識に乏しくていけません。