京都支部入札鑑定

平成21年7月19日  京都支部入札鑑定
一号  刀
 少し詰みぎみの肌ですが、全体的にかなり白く肌立つ。 研ぎの影響でもありそうです。
複雑に乱れ、物打ち付近は肥前刀の様な匂い口。 アブの目状にもなる。
帽子崩れ尖る。
なんにも思い浮かばないので後で考えよう。
二号  刀
 細め。 大磨り上げ無銘か。
好みは分かれる所だと思いますが、大変晴れた研ぎで見事。 
直刃。 小沸出来で刃中もよく働き沸える。
表大丸、裏尖りぎみ。
刃寄り柾。 裏には木目や板目がはっきりと出る部分が有るが嫌らしさは全くなし。
地刃ともに冴える。
相州行光と入札。
三号  刀
 反り深め。 腰が開くもあまり間を空けない互の目を全体に焼く。 焼頭沸える。
こちらも晴れた研ぎで刃取りが大変丁寧。 かなりの時間が掛かって居る事でしょう。
重ねが厚い。 棒樋に添樋。
少し互の目を多く焼き過ぎとは思いつつ、応永信国と入札。
四号 短刀
 両刃。 長めで9寸ほどか。  先に行きあまり見幅を落とさずフクラもゴロンとする。
大分先の方でカクンと反る。
姿は新々にも見えるが地刃は古い。 白鞘の柄がかなり短い。
ん~~、どこでしょうか。 渋い所を色々と思い浮かべます・・・。
 個名が分らないので大きく雲林院(うじい)と入札。
五号  脇差
 平造り。 
 横山祐包と入札。
一号は分らないので土佐守忠吉と入札。
 
 時代違いイヤ
 イヤ
 イヤ
 イヤ
 当り
 
 おお。 辛い。
さてさて皆さん大きな声でお話されていたので一号は末相州だと聞こえてしまいました(^-^;
一号 末相州次廣と入札。
二号 やはりこれですか・・・。 古三原正家と入札。 それにしても良い出来です。
三号 長船祐定(末)と入札。
四号 冬廣と入札。
 然
 然
 当り
 当り
 当り
一号  太刀 相州住康国
二号  太刀 備州住正廣作(重要美術品)
三号  刀  備前国長船住彦兵衛尉祐定作
         天正九年二月吉日
四号  短刀 備中国井原住人源□□
         若州住人冬廣作
         所持銘
五号  脇差 備前国長船住横山祐春
         嘉永四年二月吉日
         友成五十六代孫



京都新聞をみると

今朝京都新聞をみたら、「宵々々山」の記事が。
と言う事は、今日は祇園祭「宵々山」と言う事です。
毎日必死に下地(研ぎ)をしていたら知らぬ間にもうそんな時期でしたか。
てな事で今日の夕飯は息子を連れて祇園祭の夜店に行って来ました。(嫁さんと娘はお留守番)
三条京阪から三条大橋を渡り、河原町方向へ。
そうです途中には池田屋が有ります。

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今日は宵々山ですので池田屋騒動が有った日です。(暦の違いなどで日にちは違います)
まだ明るかったのでお客の入りはこれからでしょう。
ちょっと寄って生の一杯でもと思いましたが今日は息子が一緒ですのでまた今度。
河原町三条をず~っと下がって四条通りへ。
今日は歩行者天国です(^^)

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(四条通り東方向)
大分歩いて息子も少し疲れて来ています。 多分もうすぐ「もう帰ろう」と言い出す頃・・・。
「長刀鉾が見えてきた!」っと言ってなんとか元気付けます。

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(遠くに長刀鉾が見えます)
ようやく長刀鉾に到着!

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先に長刀が付いています。
元は三条宗近の大長刀だったと言う事ですが、今はレプリカだそうです。

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こんな感じ(^^) ボケて見えませんが・・・。

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あぁ、もう帰ろうと言い出す直前ですな・・。
クライマックスの山鉾巡行では、この長刀鉾に乗ったお稚児さんが太刀で注連縄を切ります。
その太刀は長い間”軍刀”が使用されていたようですが、2007年に”左行秀”の刀が寄贈され、それが使用されて居るようです。  現物を見た事は有りませんが、無鍛錬刀だとちょっと寂しいですので良かったですね。

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だんだん人が増えて来て祇園祭らしくなって来ました。
やっと焼そばを食べて元気になって来ました。

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私も食べてたら息子に写真を撮られました(^-^; (烏丸蛸薬師辺の路上)

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凄い人で大変になって来ました・・・。

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カッコいい刀を買ってご機嫌。
さてさて帰るとしますか。
明日からは鞘が上がった短刀の仕上げに入ります。
かなり気合を入れて行きましょう。

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次回研磨記録には

次回の研磨記録には短刀をUP致します。

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細身の短刀です。
直刃ですが、返りを激しい調子で腰まで焼き下げています。
この派の短刀は多分少ないのでは無いでしょうか。
そう多く有る物では無いと思います。