まるく

私、昔はかなりの神経質でシーツのシワ一つでも気になって、っと言うか痛くて全く眠れませんし、めざまし時計も「ぴぴぴぴっ」とか「りりりりりー」とか「じじじじじー」などの音で目を覚ます事はまず無く、そうなる前の「カチッ」っと言う動作音の時点で必ず起きるタイプでした。
また、例えば左手や左肩、頭の左側などに触れられたり何かが当ったりした場合(自らの行為であっても同じ)、それと同じ強さで反対となる右側の同箇所に同じ刺激を与え、左右のバランスをとらないと気持ちが悪いのです。
しかしなかなか同じ強さの刺激と言うのは難しいもので、左肩を自分で触ってしまったとしたらなるべく同じ強さで右側を触るのですが、それが少し強すぎたりすると、同じ数値に成るように後少しだけ左に触れます。 しかしそれがまた強すぎて調整の為、右をちょい触れ・・・。 あぁめんどくさい。 
しかし年齢を重ねて行くにつれ、そんな体質も徐々に改善されて来ているようです。
嫁さんには「昔はあんなだったのに、今では・・・」っと、良いやら悪いらや・・・。
ですが神経質と言う事は研磨の仕事にとってはかなりプラスの面が多いのです。
大分まるくは成りましたが仕事に活かせる程度にそれは保てたらと思います。
本日は大事な用で夕方少し外出。
そして栗原信秀の重刀を拝見。 
長寸で身幅重ね共しっかり残っています。 
少し反りめで大切っ先。清麿門らしく、フクラ枯れぎみで鎬幅狭い造り込み。
棟先の反りがよく残っていて、打ち下ろし後あまり研ぎ重ねられない健体さが見て取れます。
刃は沸出来ですが、光源がいつもの基準の物とは違うため正確には把握出来ず。
地鉄は蛍光灯と太陽光で拝見しましたが大変強く素晴らしいものでした。
この御刀は所載刀でありその解説に地鉄「総体に流れごころ」となっておりますが実刀はそれほど流れごころと言う印象は有りませんでした。
古刀はまた別でしょうが、若い刀で意図せぬ流れと言うのはあまり良い評価にはならないと思いますので、この解説はすこし気の毒にも思います。
新々刀の重要刀剣にはそうそう出会う機会も有りませんので貴重な鑑賞でした。ありがとうございました。



21年9月13日 京都支部入札鑑定会

一号 刀
  
 二尺四寸ほどでしょうか。
心持ち反り深め。 身幅広めで重ね厚く、中切っ先少し延びごころ。
先の下がる棒樋。
肌流れ、立ち気味でかなり白ける。
刃は潤み、崩れなど目立ち総体に焼きが低い。
大きく焼落とし。
帽子は裏が延寿っぽく表は確認出来ず。
 平長盛と入札。
二号 太刀
 重美とだそうです。
定寸(じょうすん)ほど。 腰反りぎみで小さい切っ先で良い姿。
肌はかなり沈んでいますが、荒れなどは無く整って少し柾気有り。
淡く映り。
小沸出気の直ぐ調の刃で、所々沸が凝って尖りや互の目が交じり、飛び焼に成る部分もあり。
帽子沸え火炎風。深めに焼下げ。
 重美と聞いてしまったのでかなり迷います。
本国物では無いでしょう。 刃の沸え方や少し飛び焼きに成る所などが石州直綱とつながる雰囲気ですが、少し大人し過ぎる刃文です。 優しめの姿も気に成ります。 
清綱って重美何振りくらいあったかなぁ・・・。
 二王清綱に入札。
三号 太刀
 
 定寸弱か。 反り深め。 小切っ先ぎみ。 少し細身。鎬高めで重ね薄い。
板目大変よく目立ち、肌立つ部分も多い。 平地真ん中より少し刃寄りから鎬方向へ映る。
直刃。刃肌がかなり目立ち、染みる部分が多い。 帽子フクラに添い、先掃きかけ。
 わぁ迷います。 染みながらも沸えて明るい刃で、刃肌が沸粒で構成されて居て輝いています。
肌立つも嫌味が無い。
考え疲れてしまいました・・・。
 雲生に入札。
四号 刀
 二尺ほどか。 
広直刃。 刃中寂しい。 板目肌立ち気味。
 長船祐定(彦兵衛)と入札。
五号 短刀
 冠落し。 小さめ。 柾。
 新々刀で柾目で小さめと言うと何があるのでしょうか・・・。
 市毛徳鄰と入札。
 準然
 イヤ
 イヤ
 然
 準然
二号、山陽道でイヤでしたが、やはり姿の点で気になり直綱には入れられません。
古入道で重美が有ったかどうか忘れましたが、古入道国光で入札。
三号、この刃の良さから古備前や古青江も考えますが、どうにも違います。
名品刀絵圖聚成に龍門延吉の地肌の写真が載っているのですが(刀美名刀鑑賞にも載ってたような気が・・)、あの肌とどうしても重なります。 でも刃は大和じゃないけどなぁ・・。 もう疲れたので、龍門延吉に入札。
 準然
 準然
 イヤ
 然
 準然
わぁ、今日はおまけばっかり(^-^;
三号、肌物と言うつながりだけですが、実阿に入札。
提出しましたが、札を見て「もう一回入札してみっ」っと返して下さいました(^-^;
ん~~、違うけど考え方の方向が有って来たよと言う事だと捉えます。
まさか違うとは思うけどと、則重に入札。
 準然
 準然
 然
 然
 準然
一号 刀  源盛房作
        二月一日
二号 太刀 桃川長吉(重要美術品)
三号 太刀 無銘 古伯耆有綱(重要刀剣)
四号 刀   忠光
五号 短刀 月山貞一造
         明治二年夏  
二号桃川長吉ですが、頻繁に本で見るあの太刀の現物です。 こんなに良い茎味だったのですね!本ではもっとヘタってしまったタガネに見えるのですが太く鮮明な銘が残っております。
三号ですが、古伯耆を忘れておりました(^-^; 良い太刀です。
則重は古伯耆の肌の雰囲気を狙っていたとも考えられると言う事でおまけ然と言う事です。



疲れをとるため銭湯へ

ここしばらく高校生時代の学校が休みの日の昼を思い出します。
中学時代もそうですが、日々ひたすら部活ですので三年間で休みの想い出はほぼ有りません。
私はボート部だったので休日は朝から練習がきつく昼ご飯は体が受け付けません。
ここでちゃんと飯が食えるヤツと食えないヤツに別れるのですが、私は食えないヘタレでした(T-T)
最近この感じで、昼、夜とご飯がきついです。
まぁそう言っていては体力が持ちませんので無理やり食って、アリナミンEXとキューピーコーワゴールドαとリッチミンで体力回復を図りつつ仕事をこなします。
今日は少しでも研ぎの疲れを取り除くために銭湯へ行く事にしました。
こんな時代ですが京都市内には未だ百数十の銭湯が残っているそうです。
かなりの老舗銭湯も多数あり、北区の船岡温泉などはTVでも度々紹介され有名です。
今日は以前から気に成っていた左京区白川通り辺の白川温泉、同じく左京区で素敵な名前で気に成っていた雲母湯(きららゆ)のどちらかに行こうと準備。
しかし、銭湯なんてもんは地元民がいただきに行くのが前提ですので駐車場はまず有りません。
白川、きらら共に大変狭い所に有るものですから車の止め場所に困ります。
コンビにに止めちまおうかなどと考えましたが気の進むものでは無く、タイムズなどにとめて歩くには長距離過ぎるのでいずれも却下。
結局近くの以前研ぎ場を設けていた上賀茂社家町の銭湯へ。
上賀茂には独りで数年居て、ひたすら研磨の日々で色々想い出の有る土地です(^^)
ある方のブログで社家町を見ましたので貼ってみます。(明神川畔の旧私の研場も写真中にあります。)
あぁ慣れた銭湯はまたそれで気持ちいい。
一緒に行った息子はひたすら冷水をかぶっている。気持ちいいらしい。そう言えば田舎の川でも水から出てこなかった(^-^;
頼むから私にかけるのはやめて。
すっかり疲れもとれました。
これでまた研げます。
富山県水墨美術館に於いて、「大名家秘蔵の名刀展 ~源平の武将から維新の志士たちまでの愛刀~」と題した展覧会が9月23日まで開催されております!
今日のブログでも少し触れました北区船岡山の船岡温泉のすぐ北、船岡山中腹にある建勲神社所蔵の名物義元左文字含め、多数の名刀が展示されております!
私は残念ながら行けそうも有りませんので図録だけ買いました。
行ける方は是非楽しんで来て下さい。



一文字が見たい事とうなぎのきもと

先日嫁に隠れてリカーマウンテン(酒屋)で「うなぎのきも」の缶詰やらサンマの蒲焼、ぴり辛ツナなど、普段あまり口にする事の無いちょっと珍しい缶詰類を買いました(サンマの蒲焼は缶詰としては一般的ですね)。
個人的勝手な想像ですが、おそらく一括大量仕入れにより売値も抑えているのでしょうし、今買っておかなければ、この商品が捌けると次の入荷は無いかも知れない・・っと考えてしまい、ついつい見つけた時に買ってしまいたい衝動に駆られます。(本当に珍しいと言うか、美味そうな物は400~800円くらいするのでカゴに入れる事は有りません(^-^;)
私の様な仕事の人間は嫁さんと24時間一緒に居る訳ですから、ナイショの缶詰などはどう頑張ってもすぐにバレてしまいます。
エコバックを持って行かなかったのでビニール袋代に5円かかった事を一喝され、シュンとしていた訳ですが、「うなぎのきも」の缶詰がどうにも気になり、楽しみにしておりました。
今日、いつもお世話になっている方の所に用事でお邪魔したのですが、帰りに「たまちゃんこれ持って行きっ」っと日本酒を頂きました(^O^)♪  度々頂く私の大好きな原酒です。
今日も一日頑張って働きましたので、楽しみにしていた缶詰と美味しい事は分かっているお酒を開けます。

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ただの缶詰ですがちゃんとお皿に盛ると美味しそうに見えます。
さてさて、私、うなぎの肝なんぞを戴いた事は数年前まで有りませんでした。
何年か前に、三島の佐野美術館で一文字展が開催された時に日刀保京都支部から見学に行き、その帰りにうなぎ屋さんに行った時に初めて戴きました。
以前もブログに書いたかも知れません・・。(書いてました) うなぎ、うなきも、山椒、全部おいしい(*^ー^)ノ
そして大量の一文字、もう一度ゆっくり見たいです。(もちろんもう一度や二度では見切れる物ではありませんが・・・)
ところで缶詰の「うなぎのきも」なんですが、美味しいです! 
確か1~2百数十円のはずですがこれだと大満足です。
ちょいクセが強めなので、アルコール度17,8度の原酒にはちょうど良い感じですね(^^)
あぁっ・・七味屋本舗の山椒を振るのを忘れておりました・・・(T-T)
またの機会に試します。
佐野美術館では、「日本刀の匠たち―私の最高傑作」が平成21年9月5日(土)-10月18日(日)まで開催されます。