またですが差し込み研ぎのこと

「差し込み研ぎ」ですが、ご依頼を頂く事は度々あります。
また近年の研磨で差し込み研ぎが行われた物を見かける事も多々有ります。
”まぼろしの研磨”的に言われますが、なかなか人気の有る研磨方法なのです。
”まぼろしの”的に言われますので余計人気があるのかも知れませんね。 
因みに私も大好きです。  
刃取った御刀とはまた違う重厚感が有るように思います。
実際の研磨方法の違いと言えば、一番大きいのが拭い材料の違いです。
鉄肌なのか、対馬・磁鉄鉱などなのか。
鉄肌の場合は通常の工程の通り進むのが一般的ですが、差し込み研ぎはさまざまな進み方があるのです。
「下刃艶・地艶・拭い・刃艶」これらの要素を色々と組み替える事により、様々な結果が生じます。
さらに地刃の鉄質や映りの有無などにより結果は一様ではありません。
全てでは有りませんが実際研磨をさせて頂く場合、古研ぎ薄錆身などに見る深い色合いの差し込みを目指して研磨をさせて頂いております。(それらは青みなどは殆ど無くひたすら黒いものですが、それを良く無いとは感じません)
古研ぎ薄錆身などの御刀は、打ち粉によるヒケ傷だらけで地肌は大肌のみになっていたり白い肌が目立ったり、錆が多数出ていたりと状態は良く無いのですが、数十年~100年以上研磨されずに居たと言う、大変奥床しい雰囲気をもっています。(おそらく差し込み拭い材料のみの研磨では無いと思われる色合いの物も多数見かけます)
新たに研磨を施しその”奥床しさ”を出すとなると、非常に困難なのですが、せっかく差し込みで研磨をさせて頂くのであれば、その奥床しさを出したい訳で、いつも色々と工夫を凝らし研磨させて頂いております。
そんな中、映り気の強い御刀に対し、なかなか良い研磨方法に辿り着く事が出来ました。

画像

より自然な匂い口で良い味わいが出せるようになったと思っております。
今後の研磨に生かして行ければと思います(写真では自然さは伝わり難いですねぇ(^-^;)。



平成21年10月18日 日本美術刀剣保存協会京都支部入札鑑定

昨日は協会本部より講師の方に名刀を御持参頂き、入札鑑定会が行われました。
一号 太刀。
細身で輪反り。
小切っ先。二筋樋。
板目・杢目がかなり肌立ち黒い。
小乱れ、小丁子で焼き頭に細かく飛び焼き掛かる。
全体に沈む刃で部分的にうるむ。
映り気あり。
帽子が深くしっかりと残っている。
 粟田口国安と入札。
二号 刀。
身幅広く重ね厚い。 反り浅中切っ先。
棒樋。
太く長く目立つ地景が多数。
広直刃調で良く沸え、足葉盛んに働く。
指し裏横手下にきぶ目の島刃。
フクラの枯れた切っ先で棟際でちょこんと丸く返る。
横手下から切っ先にかけての下地研磨が見事。
 南紀重国と入札。
三号 太刀。
身幅広く重ね厚め。 
先までしっかりと反り、先でも身幅落ちず。
浅くも綺麗な棒樋。
板目・杢目肌立ち気味。 映る。
複雑な互の目。下半低く細かい。
帽子表裏尖る。裏特に綺麗に尖る。
 長船師光と入札。
四号 短刀。
一尺弱か。無反り。三つ棟。
身幅重ね尋常。
総体によく詰む肌。 表裏随所に芯鉄風の荒い鉄が出る。
平地中央付近より棟へ明瞭に映る。
小沸出気の湾れ・互の目。
帽子突き上げて小さく返る。
 来国光と入札。
五号 短刀。
九寸ほどか。 庵棟。 裏少し反り表ほぼ無反り(棟角で見た場合)。 元来は無反りか・・・。
よく詰み若干肌立つ。
直刃で少し湾れ、食い違い刃有り。
綺麗に丸く浅い返り。
 肥前。
 んんこれは迷う。 初代か二代か。
 綺麗にまとまる出来。
 根拠は薄いが食い違い刃が有るので、武蔵大掾忠廣に入札。
 
 当り 
 時代違いイヤ
 当り
 当り
 同然
勝手にですが絶対の自信をもって臨んだ二号南紀重国が時代違いときましたか・・。
切っ先の形状と帽子の行き方、地景の様等々から南紀だと思ったのですが。
時代違いならば来しか有りません。
沸の強さと著しい地景から、来國次と入札。
 当り
 同然
 当り
 当り
 同然
一号 太刀 国安(粟田口・重要美術品)
二号 刀  大磨り上げ無銘・朱銘 来国光 七十七翁(叟)松庵□(紀州徳川家伝来・特別重要刀剣)
三号 刀  備州長船師光 永和二年六月(庄内酒井家伝来)
四号 短刀 来国光(重要刀剣)
五号 短刀 近江大掾藤原忠廣

画像


大変でしたが、

うちは新型インフルエンザにやられてしまいまして、てんやわんやの一週間でしたが、なんとか家族四人全員無事生還と言ってよさそうです。
怖いんだか怖くないんだかメディアからの情報には本当に振り回されるんですが、小さい子を持つ親と言う立場から言うとかなり要注意だと思いました。
季節性でも同じ様な事が言えるのでしょうが、やはり高熱が怖いです。
子供も40度まであっという間に上がりました(>_<) いつもの風邪だと39度台の熱が有っても全く動じず走り回るのですが、今回はかなり怖い状態になりました。 皆さんお気をつけ下さい。 っと言っても気を付けようが無いと言うのが実情ですね・・・。 うちも手洗いうがいは相当しつこくやってました。(私は仕事がら一日15回くらいは洗剤で手を洗います。そして常に手に灰汁水が付いていますので超綺麗なはずですし(^-^;) うがいは効果意味なしとも言いますし・・。 前から欲しかった「継平押形」を入手!

画像

江戸中期、近江守継平(刀工)が記録した押形をベースにしています。
現代では石華墨などで茎や刀身の輪郭を写し取りますし、茎の状態や銘もその通り表れ全体にかなり正確な押形となります。
しかし古い時代の押形は、今とは違った手法でとられています。
私も詳しくは知らないのですが、銘などは、実際の刀を見ながら手書きで書体を真似て書き写した程度の物です。
刀身や茎の輪郭に関しても、その通り正確に写した物とは言えなさそうです。
さらに昔はコピー機もありませんので原本を見ながら手書きで書き写す事も行われたでしょうし、写しの写しと言うような事も有ったでしょう。
この継平押形にも多数の現代まで伝わる御刀が納められていますが、少なからず色々な誤差は生じて居るはずです。
が!、切っ先付近の輪郭の描写が大変美しく驚きました。
この原本を知りませんので、印刷の関係上この様に強い線に書き直したと言うだけなのかも知れません・・。
しかし、土屋押形の場合は切っ先の描写にかなり精彩を欠きます。 光山押形や埋忠銘鑑は茎中心の作りですし・・。
普段実際に押形を取って居ると分かるのですが、この継平押形の切っ先付近の輪郭(横手、鎬、小鎬など含め)は、実刀からとった物では無いと思います。
あまりに整い過ぎています。
ではどの様にして出した線なのでしょうか・・・。
刃と棟角だけ実刀からとって後は適当に色んな部位を利用しとったのでしょうか。
興味は尽きません。
(茎の振りや反りに異様な物が何点も有ったので余計興味をそそります)
メノウ乳鉢が割れました(T-T)

画像

いつも割れそうだと感じつつ、バーナーで少しづつ注意しながらあぶって居たのですが、「カパッ」っと言ったら終わってました。
新品だと¥50,000以上するはずです。辛い。



FAXDM

かなり迷惑ですがな。
登録証のコピーなどに使うのでFAXを置いていますが、うちのFAXのインクリボンは99.999%、不要なFAXダイレクトメールにより消費されてしまいます。
大変もったいないので用紙を空にしていたら、溜まったメモリを消去する機能が無い(>_<) 結局全部印刷しないとダメなダメダメ電話です。 電話は大体子機で取りますので、「ピ~ヒョロヒョロロ~」って鳴ったら直ぐに切り、受信ストップボタンを押しに親機へ。 しかし受信ストップをしてしまうと1分置き位に何度でも連ちゃんで掛かってきます。(DM業者が自動送信してるんです) 仕方なく受信。  ズズズズズズズ・・。  ピー。 色々来ます。 投資や金融関係 (借りませんし買いません)、 HP製作関係 (拙いながらも自分で作ります) コピー用紙屋さん (FAXDMで消費させてから売るつもりですか) FAX用トナーカートリッジ屋さん (FAXDMで消費させて売る気だろ!) ETC販売 (本当に買えるの?!) パソコン販売 (有名メーカーで安くて良いんでしょうが、これが一番しつこいので絶対買いません!) 新型インフルエンザ予防マスク1箱50枚入りで398円(安いやん!) ”FAXDM”でネットで見てみると、「クレームを恐れるな!」てな事をDM会社が書いていますので、そのスタンスでやってるんですねぇ。 営業努力と言う事ですね。  反響あるんでしょうね。 マスク買おかな(^-^;