平成21年10月18日 日本美術刀剣保存協会京都支部入札鑑定

昨日は協会本部より講師の方に名刀を御持参頂き、入札鑑定会が行われました。
一号 太刀。
細身で輪反り。
小切っ先。二筋樋。
板目・杢目がかなり肌立ち黒い。
小乱れ、小丁子で焼き頭に細かく飛び焼き掛かる。
全体に沈む刃で部分的にうるむ。
映り気あり。
帽子が深くしっかりと残っている。
 粟田口国安と入札。
二号 刀。
身幅広く重ね厚い。 反り浅中切っ先。
棒樋。
太く長く目立つ地景が多数。
広直刃調で良く沸え、足葉盛んに働く。
指し裏横手下にきぶ目の島刃。
フクラの枯れた切っ先で棟際でちょこんと丸く返る。
横手下から切っ先にかけての下地研磨が見事。
 南紀重国と入札。
三号 太刀。
身幅広く重ね厚め。 
先までしっかりと反り、先でも身幅落ちず。
浅くも綺麗な棒樋。
板目・杢目肌立ち気味。 映る。
複雑な互の目。下半低く細かい。
帽子表裏尖る。裏特に綺麗に尖る。
 長船師光と入札。
四号 短刀。
一尺弱か。無反り。三つ棟。
身幅重ね尋常。
総体によく詰む肌。 表裏随所に芯鉄風の荒い鉄が出る。
平地中央付近より棟へ明瞭に映る。
小沸出気の湾れ・互の目。
帽子突き上げて小さく返る。
 来国光と入札。
五号 短刀。
九寸ほどか。 庵棟。 裏少し反り表ほぼ無反り(棟角で見た場合)。 元来は無反りか・・・。
よく詰み若干肌立つ。
直刃で少し湾れ、食い違い刃有り。
綺麗に丸く浅い返り。
 肥前。
 んんこれは迷う。 初代か二代か。
 綺麗にまとまる出来。
 根拠は薄いが食い違い刃が有るので、武蔵大掾忠廣に入札。
 
 当り 
 時代違いイヤ
 当り
 当り
 同然
勝手にですが絶対の自信をもって臨んだ二号南紀重国が時代違いときましたか・・。
切っ先の形状と帽子の行き方、地景の様等々から南紀だと思ったのですが。
時代違いならば来しか有りません。
沸の強さと著しい地景から、来國次と入札。
 当り
 同然
 当り
 当り
 同然
一号 太刀 国安(粟田口・重要美術品)
二号 刀  大磨り上げ無銘・朱銘 来国光 七十七翁(叟)松庵□(紀州徳川家伝来・特別重要刀剣)
三号 刀  備州長船師光 永和二年六月(庄内酒井家伝来)
四号 短刀 来国光(重要刀剣)
五号 短刀 近江大掾藤原忠廣

画像

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