古研ぎ薄錆身
古研ぎの薄錆身を大量に拝見。
ざ~っと見て3時間弱掛かりました。
三尺少々有る大太刀にため息です。
普段見ている様な南北朝時代、幅広で大切っ先で二尺三寸前後の大磨り上げ無銘刀、
これの全くの原型です。
「日々目にする大太刀を磨り上げた物も元はこんなだったんだぁ・・」と、原型を見られた事に単純に感動。
そして磨り上げ刀の場合は切断して廃棄(再利用か)されてしまう部分も、荒れや傷など製作時の失敗も無く完璧なものなのだと分りました(特別な御刀と言うわけではなく、たまたま残っていた大太刀と思われますので、多くはこの様な状態で有ったでしょうから)。
そして、大太刀の焼き出し部を見られた事でなるほどと感激。
茎の大きさやハバキ元の身幅もわかりました。
古備前太刀。
映りは低い位置ですが、とにかく刃が古調。 潤んで居る部分は有りますが、大変よく沸えて美しい。
大量に御刀を拝見する場合、寂しい直刃出来の物が必ず多数含まれます。
それを拝見する時毎回思う事なのですが、「末延寿」「筑紫了戒」「末波平」「平高田」「末三原」「三原」「金房」「末手掻」「中~末備前」など・・自分にはこの程度の引き出ししか無く、焦ります。
茎を見るとそれらの多くは在銘なのですが、末古刀ばかりではなく、新刀も有り新々刀も有り。
無銘の場合、造り込みや姿をとるのか、地鉄をとるのか、刃をとるのか、極める場合どれを最優先と見るかで時代が大きく変わってしまいます。
難しいですね。