馬手指(一)
某刀屋さんの動画で柄曲がり(振袖茎)の短刀や馬手指(右手指)についての内容がありました。
馬手指とは、体の左側ではなく右腰に差す物といわれている腰刀の一つです。
馬手指拵の現存品は少なく、その使用法についての記録も少ないことから、腰へのさし方、抜き方について様々な説があります。
某動画ではその使用法について詳しく解説されていて、抜くスピードが重要なため刃長が短くなければならない事など、いちいちご尤もと思える内容でした。
ただ馬手指でも短い物しか無いわけではなく、法隆寺西円堂に複数残る馬手指にはむしろ長い物が多いのです。
「法隆寺西圓堂奉納武器」の解説によると、「その刀身は菖蒲造の鎬の高い尖鋭な刀身か頑丈な両刃の打下し身が多い。刃の長さは一定しないが、一尺三、四寸を普通としている」とあり、図版に写る馬手指拵は、大小の小程に長い物多数です。
こんなに長い刀身は右にさして右手で抜くのはちょっとしんどいですよねぇ。一体どんな使い方をしたんでしょう。
最近振袖茎の短刀6口ほどと関わり、また自分でも銘が差し裏に切られた馬手指と思われる短刀を所持していますので、馬手指というものには興味があります。よく分からないというのがまたいいですし。
法隆寺西円堂
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