2016年12月 日刀保京都府支部例会
昨年12月の例会、京都府支部では毎年12月は支部会員の所蔵品を持ち寄り鑑賞する「会員所蔵品鑑賞会」を行っています。
今回も珍品名品が集まり鑑賞をさせて頂きました。
その後は一本入札による入札鑑定。
一号 刀
短寸で優しい姿。中直刃の末備前。刃の雰囲気が彦兵衛に見えるので普段ならそう入札してしまうところですが、先ほど鑑賞させて頂いた肥後拵えに与三左衛門の札が付いていたので多分これだと思う。
与三左衛門尉祐定と入札。
二号 刀
少しぽってりとしたタイプの古い姿。中鋒。基本中直刃調だが刃中、刃縁ともよく働きかなり古く見える。
先日研ぎ場で拝見した綾小路と地刃ともに同じ性質だが切っ先が少し延びるのが気になる。
綾小路と入札。
三号 太刀
鎌倉末期と見える姿。直刃で美しい地鉄。地刃ともに上品。刃中少し染みて刃肌が目立つがそれは元来の状態で、研ぎ減りによる物ではない様に思う。
地斑風に映り立つ。
選択肢が幾つかあり絞れず。。
雲次と入札。
当
当
イヤ
一号 刀 与三左衛門尉祐定
二号 刀 無銘 末行(綾小路)
三号 太刀 無銘 西蓮
三号、そうかぁ、この出来はこういう極めになっているのかぁ。
西蓮は鎌倉末期の人で、良西→西蓮→実阿→左文字と続く古九州の刀工。西蓮極めの刀には何故だか南北朝風の姿も多く、私もどうしてもそちらのイメージを強く持っていました。
今回も西蓮を連想する事は全く無かったのですが、刃肌が目立つ出来なので、子細に見ればその態が地にも及んでおり、もしかしたら綾杉風などもあったのかも知れない。今一度拝見したい名品でした。