『日本刀重要美術品展』

現在、刀剣博物館では『日本刀重要美術品展』が開催されています。
 重要美術品展目録(日本語).pdf

重要美術品に認定された刀剣は、入札鑑定会の鑑定刀として登場する事も度々ありますし、研磨や押形採拓の機会もままあります。
現在開催中の『日本刀重要美術品展』には以下の2口も出陳されています。

重要美術品 太刀 銘 国永(五条) 
重要美術品 太刀 銘 国行(来)

以下、今回の展覧会には出ていませんが重美認定品の全身押形です。

重要美術品 刀 金象嵌銘 来国俊 本阿(花押)(光常象嵌・光忠折紙付)
重要美術品 太刀 折返銘 正恒(仙台伊達家伝来「春五」)(京都国立博物館蔵 令和7年度京都国立博物館館蔵品修復事業に於いて、記録として全身押形採拓)
重要美術品 太刀 銘(菊紋)一(菊御作)(京都国立博物館寄託収蔵品)
重要美術品 太刀 銘(菊紋)一
重要美術品 太刀 銘 備州長船兼光
重要美術品 太刀 銘 備州住正広作(古三原)
重要美術品 太刀 銘 石州出羽住直綱作
重要美術品 太刀 銘 桃川住長吉
重要美術品 刀 銘 井上真改 (菊紋)延宝四年二月日


今回上げさせていただいたもの以外の研磨・押形採拓記録では「太刀 銘 有成(石切丸)」「刀 無銘(大倶利伽羅広光)」も重美認定品です。



坂本龍馬の吉行

先日「ニコニコ美術館」で『縁(えにし)を結ぶかたなー国宝・重要文化財で学ぶ刀剣鑑賞ー』が京都国立博物館から生中継され、採拓させていただいた”龍馬の吉行”の押形が紹介されました。
本日京都国立博物館のX公式アカウントで公開された刀身写真の通り、焼損した刀身は研磨されており、まるで刃文があるかの様に拳丁子の痕跡が黒く残っています。
この刃文の様に見える黒い痕跡は通常の刃文とは異なり、匂い口を伴うものではありません。
火災で刀身が高温になって焼きが戻り、そして何らかの現象により刃文以外の平地全面が映り状に変質、結果として消失した刃文部が映りの暗帯部の様に黒く抜ける状態になっています。
そのため今回の採拓では、まず刀身の輪郭や各部の線を引き、茎を石華墨で刷り出した後、平地の映り状に変質した部分のみを彩色し、刃文に相当する部分は白抜きで残す形で表現しました。
一見すると刃文が存在するかの様に拳丁子の痕跡が黒く残っていますが、これは焼損による変質の痕跡であり、本来の刃文ではありません。