稲葉江の全身押形を

調査研究用として、出張で「享保名物 稲葉江」の全身押形を採拓させて頂きました。
「江」を手に取ったのは過去おそらく10口程度と思いますが、この稲葉江の出来は格別です。地刃の冴えは尋常ならざるもの。
刀美名刀鑑賞では「彼の作中最高の出来映えと健体さをもって優品の多い同工極めの中でも最高峰に位置するものである」とありますが、その通りだと感じます。
出張での押形採拓は、良い押形を作成する事よりも大切なのが、事故無く作業を終える事。
国宝の押形採拓で刀の近くに危険性のある硬い物を置きたくはありません。
今回も木硯が役立ってくれました。