一竿子忠綱

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刀、銘 粟田口近江守忠綱 彫同作
    寳永五年八月日

28回目は大坂新刀。
粟田口近江守忠綱二代目、一竿子忠綱です。
一竿子の乱れ刃は丁子や涛乱風などありますが、押形の刃文は互の目に湾れと後者の典型で、彫り物の配置を意識した焼き刃バランスとなっています。
一竿子の作品には三尺を超える物もありますが(重文三尺一分、重刀三尺七寸一分)、二尺~二尺二寸ほどの短い物も多く、本刀も二尺一寸ほど。
大坂新刀としてはかなり反りの高い姿で、小ぶりながら迫力のある作品です。
因みにこの刀は薄錆身で発見された品ですが発見当時彫物は固着した打ち粉と油で埋まった状態でした。
多くの場合、固着した油が酸化し発錆原因となる訳ですが、今回は幸いそれが保護膜となり錆を防ぎ、彫物が守られました。