左近将監恒次
研磨記録、備前古刀の部に左近将監恒次を追加しました。
左近将監恒次(鎌倉時代末期)は現存希な品ですが何度か手に取らせて頂く機会があり、2016年7月の鑑定刀(銘、備前国住左近将監恒次)に出させて頂いた品、2013年五月の鑑定刀(銘、恒次)、また2014年5月に名物の鄙田青江恒次を拝見しました。
2013年の二字銘恒次は若干違う出来でしたが、鄙田青江、2016年鑑定刀、そして今回UPさせて頂いた左近将監恒次は大変よく似たものでした。
匂い口は少し沈み心ですが、大変よく錬れた地鉄に地斑映りが立ち、古雅で味わい深い作風です。(地斑映りに関しては鄙田青江が顕著です)
恒次は同銘が古青江にあり、備前の左近将監恒次と混同されて伝わった品も多く、名物数珠丸恒次(重要文化財)、名物鄙田青江恒次(重要美術品)も古青江恒次として伝わって居ましたが、近年の研究により備前の左近将監恒次の作である事が判明しています。