日刀保京都府支部2月例会

2月某日、支部入札鑑定会。

一号 太刀   銘 長光(伝平安城 時代応永頃)
二号 脇差   銘 波平清安(折り返し銘)
三号 刀    銘 波平安信作 二月吉日
四号 両刃短刀 銘 備州長船勝光(年紀入り)
五号 両刃短刀 銘 長州住玉井刑部左エ門尉二王方清 寛文十二年八月吉辰
六号 両刃短刀 銘 吉次(鞍馬関)

今回は判者さんが4~6号をお集め下さり、私が1~3号をご用意させて頂きました。

平安城長光は吉井、出雲道永、宇多、関、尻懸後代などなど、選択範囲がかなり広い出来で大変悩む品だと思います。
波平清安は大和本国、当麻や手掻、或いは千手院などと見たくなる上質な出来。
安信も大和本国と見たくなる造り込みと地鉄の明るさ。
勝光の両刃短刀、まずはこれが入る事で後の2振りを分からなくする。
二王方清、私は入札をしなかったので帰宅するまで古刀だと思い込んでいて、銘文の問い合わせをして初めて新刀だと知りました。
鞍馬関吉次両刃短刀。これはちょっと反則の域に達する程の難問です(笑)

今回は難問中の難問が並び、脳内のカロリー消費は増え、ストレスが重くたまる会となったかも知れません。
しかし普段ふれる刀の世界にはこういう難問がいっぱいで、教科書通りの品ばかりではないですよね。
”日本刀大鑑”は確かに勉強になりますが、支部鑑定会には”刀剣銘字大鑑”をめくる様なわくわく感があり、私は大好きです。