すりきり棒を
年配の方はご存知だと思いますが、私は知りませんでした。
すりきり棒と言うそうです。 升で米をすくい、この棒ですり切る。
長さ一尺二寸五分、太さが約一寸八分×一寸六分八厘の卵型で薙刀の柄の様に若干鎬気味。
重さは660g。「紀州」その他の印。
親戚の古い家の整理で古道具類(所謂骨董含む)が大量に出て少しお手伝いに。
このすりきり棒、何かに使えそうじゃないですか。
この棒と汚い硯石と墨を幾つか貰って来ました。
さて何に使おうか・・。
片付けの後、袋十文字や末備前の大変出来のよい品を見た。
船以下切れだがちょっと久々に良い末備前。
生の箇所の茎味も大変よく、銘のタガネも切れている。
ここまで地鉄が良いと末備前の評価にも納得が出来る。
研ぎ場にて古備前生茎在銘を拝見。
こういう品がまだ眠って居る事に本当に驚く。
鎬造り脇指
筆を
重文が不十分なので
所在不明の国宝、重要文化財
また所在不明の国宝・重要文化財の報道が有ったが刀剣類も大変多い。
以下のリスト(文化庁発表)、最初の三振りが国宝、以下全て重要文化財である。
中には数年前に拝見した品も有るがその後所在不明なのか、それとも正規の手続きをふまず動いてしまっていて当時既に所在不明状態だったのか。
重文として出回っていればまだいいが、無冠として流出の場合、知らぬまま既に研磨した品も有るかもしれない。 以前、重要文化財の研磨をさせて頂いた時は正式な手続きを経ての仕事であった(私が手続きを行ったわけではない)がこういう手続きは案外面倒なものなので個人所有の場合所在不明も増えるだろう。
・国宝
刀〈金象嵌銘天正十三十二月日江本阿弥磨上之(花
押)/所持稲葉勘右衛門尉(名物稲葉江)〉
短刀〈銘国光/〉
太刀〈銘吉平/〉
・重要文化財
太刀〈銘来国次/〉
太刀〈銘備前国長船住長義/〉
太刀〈銘備前国長船兼光/延文元年十二月日〉
太刀〈銘来国光/〉
短刀〈銘国光/〉
太刀〈銘久国/〉
太刀〈銘備州長船秀光/応安二二年十月日〉
刀〈無銘(伝則重)/〉
太刀〈銘国安/〉
刀〈折返銘備州長船景光/〉
太刀〈銘為清/〉
太刀〈銘守次/〉
太刀〈銘来国光/〉
太刀〈銘安芸国入西/永仁五年閏十月日〉
太刀〈銘一/〉
太刀〈銘雲次/〉
刀〈無銘伝光忠/高麗鶴と金象嵌在銘〉
太刀〈銘長光/〉
短刀〈銘備中国住守次作/延文二年八月日〉
太刀〈銘長光/〉
太刀〈銘久国/〉
太刀〈銘信房作/〉
太刀〈銘備前国長船住長光作/正安二年二月吉日〉
刀〈無銘伝長谷部国重/〉
太刀〈銘備前国住雲次/〉
太刀〈銘家忠/〉
太刀〈銘光忠/〉
刀〈無銘伝国俊/〉
太刀〈銘助茂/〉
太刀〈銘吉家/〉
太刀〈銘備州長船住国宗/〉
太刀〈銘吉家/〉
刀〈無銘伝正宗/〉
刀〈無銘(伝正宗)/〉
太刀〈銘備州長船住景光/〉
刀〈金象嵌銘助光磨上光徳(花押)/〉
太刀〈銘国行/〉
短刀〈銘来国光/元徳二年以下切〉
太刀〈銘定吉/〉
短刀〈銘賀州住真景/貞治六年月日〉
太刀〈無銘伝光忠/〉
剣〈銘光忠/〉
短刀〈銘安吉/〉
太刀〈銘国資/〉
太刀〈銘備中以下切/〉
太刀〈銘守利/〉
短刀〈銘左/筑州住〉
太刀〈無銘/〉
太刀〈銘忠吉/〉
太刀〈銘遠近/〉
太刀〈銘助包/〉
短刀〈銘則重/〉
短刀〈銘相模国住人広光/延文五年八月日〉
短刀〈表ニ三島大明神他人不与之/裏ニ貞治三年藤原友行ノ銘アリ〉
太刀〈銘順慶/〉
太刀〈銘光忠/〉
太刀〈銘助真/〉
太刀〈銘光忠/〉
刀〈金象嵌銘元重/本阿弥(花押)〉
太刀〈銘兼氏/〉
刀〈無銘伝貞宗(幅広貞宗)/〉
短刀〈銘景光/〉
短刀〈銘国光/元応二年三月廿日〉
三鈷柄剣〈銘重吉入道作/元亨二二正月七阿闍梨頼宣〉
太刀〈銘景光/〉
太刀〈銘安吉/〉
太刀〈銘貞和三年丁亥十月日守吉作/防州白崎八幡宮御剣願主源兼胤〉
刀〈無銘(伝助真)/〉
太刀〈銘行真/拵山金造螺鈿鞘野太刀〉
刀〈銘慶長九年二月吉日信濃守国広作/依賀茂県主保経所望打之〉
剣〈銘国永/〉
短刀〈無銘貞宗(名物池田貞宗)/〉
太刀〈銘備前国長船住景光/元弘四年二月日〉
太刀〈銘来国光/〉
脇指〈銘国広鎌倉住人/文保二年二月日〉
太刀〈銘波平家安/〉
鐶頭太刀〈無銘/〉
太刀〈銘来国俊/永仁五年三月一日〉
太刀〈銘長光/〉
刀〈無銘義弘(名物豊前江)/〉
刀〈銘主馬首一平安代敬白云々トアリ/〉
刀〈無銘(伝則重)/〉
日本刀傳習録
先日支部会員さんよりお借りした。
序文
日本刀は我國建國の神器にして古来日本人の道義の心を修め来たりたる霊器なり。故に刀に接するには心を以ってすることが根本であつて目視を以って接するのは従である。鑑刀は視鑑により之を心に導き心鑑によりて日本刀の道玄を味ひ得るものである。故に刀を愛する事は心で愛するものであつて五感の一つである眼でのみ愛する事は眞の刀剣美の鑑賞にはならぬものである。其刀の出来たる當時の原始の美。確眞の美は心鑑によりて深厚に味ははれるものである。
故に刀剣愛好者の心は平静にして極めて浄善でなくてはならぬ。此心境によりてこそ確眞美のある日本刀の心と一致し得るものである。
此信念を以ってする度重なる鑑刀は日本刀道玄の門に入り其堂に歩を進むるものと信ずる。
本傳習録は自ら顧みて全編意を盡さず愧つる所多きも愛刀の諸賢若し著者の心を幾何か汲み得られたならば日本刀の為に此上もなき福祥である。
山岡重厚
まだ読んではいない。未だ大戦中の気風が強く残る書だと思うが、こういう心も持って刀を鑑賞すべきだと思う。
新年会 一本入札
支部新年会恒例一本入札(おまけで3工書いてもよいと言うルール)
一号 刀
反り大変浅い。少し長く感じる。鎬低め。大阪焼き出し。拳丁子。
二代国助以外選択肢は無いが一応弟も書いておく。
中河内・肥後守国康と入札。
二号 刀
反り大変浅い。少し長く感じる。鎬低め。京焼き出し風。互の目と丁子でよく錵る。
一号と全く同じ造り込みで刃文と錵が違う。 一号に比べ大変よく錵付く。
仔細に見れば特に裏に錵の中に国助風の房の大きい丁子が有る。
一号二号と兄弟が並んでいるのではなかろうか。あと錵ているので一応もう一人書いてみる。
肥後守国康・中河内・親国貞と入札。
三号 脇指
重ね厚め、鎬低い。詰む地鉄。互の目や湾れ。総体に焼きが高めで出入りはさほど大きくない。直に焼き出す。帽子は丸く中ほど若干湾れ気味。
少し向かい合う互の目も有り、大互の目涛乱風。 ヒタヒタと波打つ程度の部分は山が尖る。
なんでしょか。 正直苦手分野だが以前研磨させて頂いた信高との違いが見出せないほど似ている。
尾張信高・加藤綱秀・手柄山正繁と入札。
四号 短刀
平身。大変幅が広い。その為少し寸が詰まって見える。フクラ枯れ気味なのでズングリするが鋭い。
板目。匂い出来の互の目丁子。頭がムクムク丸い。帽子乱れこみ尖り気味に返る。腰焼頭に少し荒い錵。
生刃は無い。
吉原國家・固山宗次と入札。
五号 短刀
平身、細め、板目、重ね尋常。中から出た鉄は流れる。焼き出し映り風は有るが全体に白けは感じない。三つ棟。匂い出来の互の目に砂流し。表裏少し揃う。帽子長めに返る。
表裏に妙法を彫り分ける。
備前では無いと思う。
何度も見ていると、たまに見る小さい村正に見えてきた。
村正・之定・島田助宗と入札。
当
当
イヤ
当
然
一号 河内守国助(中河内)
二号 河内守国助(中河内)
三号 津田助直
四号 固山宗次
五号 相州康春
三号助直ですかぁ。そりゃそうだ。助直をすっかり忘れていて全く思いつかなかった。茎もすばらしい良い助直です。
その後宴会。毎年お腹いっぱいになる量が出ます。
二次会三次会と行ったので入札用紙を紛失した。
入札鑑定記追記
2014年度の入札鑑定記を追記