焼き入れと研ぎ

焼入れの事を貞豊刀匠にお聞きしたらやはり土は塗った方が良いと言うことでしたので、家の横で赤土を掘り泥を作る。

画像
画像

土置き完了。

画像

焼き入れ。 

画像

研ぐ。
今までに手にした事がある刃物の中で最高に切れる。
まこんなに刃を薄く研げばどんな刃物でも切れるか・・・。
しかし大変気に入ってしまった。



削る

大体の形を出した。

画像

刃の部分、地鉄と鋼が見える面の広い小刀が必要で作っているのだが、やはりちょっと形がいかんなぁ・・。
機能もだが見た目にも少し気を使おうか。



貼り

白銀師の上野さんに鋼材屋さんを教えてもらったので今日行ってみた。
HPを見ると欲しかったバイスが有ったのですが取り寄せと言う事で残念ながら見られず。
取り寄せるかどうか迷う。
片刃の白1を買ってみた。

画像

糸鋸でざっくり切る。

画像


みつからない

青紙スーパーが。
どこに置いたのかなぁ・・・。
何かを設置する時ガタガタして、そこに挟んだりしているのかもしれない。
多分13年ほど前ですが、鉄肌にして拭いにするためにとお願いして青紙スーパー鋼を頂いたのですが、なかなか大変な作業ですし作らぬまま何年も経ってしまっておりました。
やはり思い立ったらすぐにやらないとダメですね。
しかしこうなるとどうしても欲しくなってしまいます。 
硬いので力が有るとか以外凄い効果が得られるとも思えませんし代用品も色々あると思うのですが、調べてみると入手し辛い物だそうで、一応なんでも潰しておきたいと。



鋸刃

画像

焼き上がっている鉄肌はこんな具合。 
鉄皿も鉄肌に変わった。 
以前頂いた青紙スーパーの加工前鋼材がどこかに有るはずなので焼いて鉄肌にしてみよう。
この後は磨り。

画像

刃をヘラクレスにしてみた。 #3  
荒いかも。



新年入札鑑定会

画像

今朝の京都は雪。
娘と気持ち悪い雪だるまを作った。

画像

新年の鑑定会は恒例の一本入札、そして宴会。
”おまけ”で3つ書いても良いと言う事で、頭をしぼって3つ書きます。
一号 刀
刃中に錵が美しく、地景と杢が凄い。 少し細目で手持ちの軽い刀。
親國か真改初期です。 それにしても良い刀。 
同然ではなく「当たり」にしないといけないので、親國貞、井上真改と入札。
他は全く思いつかないが、この刃の良さはこの人なども有りでしょうか。 手掻包国(駿府)と入札。
二号 刀
細めで少しだけ鎬が高い。 小さめの鋒。 白け、末の地鉄。 かなり絞まる細めの直刃。
少し大丸気味で浅い返りの帽子。
西しか思いうかばない・・。 西で三本入れるとなると金剛兵衛を外し、延寿や波平を含んで来るが、時代が足りない。 ので分散させる。
筑紫了戒、末手掻包真、貝三原正興と入札。
三号 脇指
反りの有る平身で長い。 一尺五寸ほどでしょうか。 珍しい長さですが、地刃は肥前。
傍に分散しても良いが当りを取りに本家で3本。
武蔵大掾忠廣、近江大掾忠廣、陸奥守忠吉と入札。  
四号 脇指
鎬造り。 幅広めで鋒延びる。 草倶利伽羅と三鈷剣を表裏に。
美濃刃。 柾強い。
越中以外思いうかばないが、万一本国の場合、新刀に見える美濃古刀と兄弟を加え入札。
越中守正俊、和泉守兼定、伊賀守金道と入札。
五号 短刀
重ね厚く小さい。中直に棒映り。帽子深い。
おそらく茎が長く上身が短い中末期。 って誰がいましたか・・。 
疲れてしまったので同然を取りに。
長船勝光、祐定、南都金房政真と入札。(銘鑑を見ると、金房で「政真」はおりませんでした。正真ならいます)
井上真改 当り
貝三原   通り
近江大掾 当り
越中    当り
勝光    同然
二号は永享の吉井吉則でした。 吉井の完全な直刃は一回では難しいです。判者さんのトラップに掛かってしまいました。 
吉井特有の茎形状で魅力を感じます。

画像

そして新年の宴会。
その後、大変お世話になっている支部の先輩に上七軒へ連れて行って頂きました。 本当の京都を堪能出来る上品な風情。
ありがとうございました!!
しかし自分で行けるようになるにはもっと修行が必要です・・。
帰ると大分雪が解けていました。 明朝の道路はつるつるでしょう。

画像


拭いを焼く

今日から拭いを作る。

画像

鉄肌を焼くので久々に炉を出した。
拭い作りは好き。 
よい拭いになりますように・・。



和式ナイフ

毎日あれこれ働いていたらブログもしばらく書いてませんでした・・。
18の時、もう二十数年前ですか、刀研ぎの弟子として初めてもらった小遣いを持って京都市内の刃物屋さんに行きナイフを買いました。 ナイフマガジンでよく見ていた海外メーカーのカッコいいやつを。
しかしそれが驚くほど切れない。  全く切れん。 
「ナイフとはこんなに切れんもんかね」っと言う事でそれ以来、ナイフへの信用度ゼロでした。
もちろん、よく切れるナイフは無数に有るのでしょうが、最初の印象があまりに強かったので、それを拭いきれずという感じです。
そして近年、いつも大変お世話になっている方から、和式刃物(包丁、小刀、和式ナイフ)を立て続けに頂き、和式刃物に大変興味を持ちました。(和式刃物の定義を分からず書いてしまっています。すみません)
使って良し、研いで良し、見て良し。
先日のブログ、 http://kyoto-katana.at.webry.info/201312/article_13.html  
これもその頂いた小刀で、毎日のように使っています。私の手には柄が長すぎて使い辛かったので、糸ノコで2センチほど切断して使用していました。
切断した分は残していたのですが、ちょうど「銘」の有る部分で「銘切れ」になってしまっていましたので、銘を短冊にして指し裏に入れ、短冊銘にしました。
先日親戚のいえに行ったとき、狩猟時に使っている鉈(ナタ)が全く切れないと言う話を聞きました。
ホームセンターで3、4千円で買ったという片刃の鉈。
ピカピカで綺麗ですが、刃を触るといかにも切れない雰囲気。
こういう刃は研いでも切れないでしょう。 
一瞬切れてもすぐに切れ止む。
昔、ボロ錆びで古く大きく重く、重ねの厚い蛤刃で異様に切れる鉈一つで、とんとんとんと、短時間で見事な線の刀研ぎの踏まえ木を作る姿を見た事がありますが、切れる鉈は本当に切れる。
でその親戚の姉ちゃんに切れる鉈をプレゼントしたく、先が角か尖がりかを聞くと、尖がりが良いと言う事で、私が頂戴した品にも有る佐治武士さんの作で、7寸の物を購入した。
先が尖がった鉈を剣鉈と言うのでしょうか・・。 このへんの知識はありません、すみません。

画像

白紙の多層鋼と言うタイプです。 
正直なところこの手の模様は刀を見る目で見る事は出来ない。
しかし道具として、刃物としての性能には驚かされた。
家の横に1年ほど転がっている直径10センチほどの硬めの丸太をバチバチと叩き切る。
バッキンバッキンと打ちたおす。
なんの心配も無い。 一切気を使う事なく、バッキンバッキンと叩き切る事が出来る。
わぁ自分用が欲しくなってしまった・・・。 
剣鉈なんて使う機会は無いんですが。
好みとしては剣になっていない、小さい鉈がいい。 両刃(りょうば)の。 多層鋼じゃないやつで。



本年もよろしくお願いします。

画像

いつもHPをご覧頂き誠にありがとうございます。
また無事に新しい年を迎えることができました。
今年もまた研師として仕事をさせて頂ける事によろこび皆様に御礼申し上げます。
若い頃は本当に分からないのですが、健康が一番大切ですね。
一年、健康に過ごせるよう律してゆきたいと思います。
本年もよろしくお願い致します。