5号短刀

先日の入札鑑定5号短刀、少し気になって調べてみた。

一の札の後に「慶長年紀がある」と聞いたので、康継に入れた。
刃縁がばさけないタイプの初代の刃に似ていたし、地肌が白かったので(康継の解説は地鉄が黒いとするのが殆どだが私には白いイメージが強い)。 しかし後から気になっていたのだが、康継の年紀入りの実物を見た事がない気がする。

そんな事も知らんかったのかと叱られそうな話だが、康継大鑑によると康継に年紀のあるものは極めて少なく、慶長十八年が一振り、十九年に数振りと元和五年一振りしか確認されていないそうだ。 昭和35年の古い本なので、その後の発見は有るかも知れないが、極めて少ない事に変わりは無いと思う。
私の満足しきった札などこんなものだ。