朱銘 当麻
研磨記録、古刀 大和国に朱銘当麻を追加致しました。
研磨記録、古刀 大和国に朱銘当麻を追加致しました。
天然砥石とは誠に不思議なものです。
ずっと信じて来た事など簡単に覆してくれます。
「硬い石の面を丸くし、肌を引き出す」という様な誰でも行った事が有る基本的研磨法について、「考えを180度変えろ」と”砥石”に言われた場合、大変困る。
「軟らかい質の石を完全に平らな砥面で引くのじゃバカ者!」って。
「はいはいすみませんねぇ」と従うしか無いですね。
何せ数億年掛けて完成した大先輩なのですから。
天然砥様に抵抗しようなんてぇのが間違いで、こちらが合わせるしかないんですね。
刀鍛冶の作った難しい物に、これまた難しい砥石を合わせてあげるには、かなり柔軟な考えが必要です。
昨日は天然砥石屋さんへ。
まだ”おそらく”の段階ですが、大きな成果が得られる予感です。
ひたすら天然砥と向き合い頑張っているのだから、たまにはガッツリした成果もあってくれ。
研場にて「九州肥後同田貫兵部」を拝見。
かなり以前研磨させて頂いた御刀ですが久しぶりの再会です。
古金具を使用した現代作の肥後拵えに入っています。
故人ですが名人と言われる鞘師の手によるもので、それはそれは見事なもの。
兵部。 かっこいい名前です。
長さは尋常。
しかし記憶に有った、反り、身幅、重ね、重量、全てを大きく上回っておりました。
特に反りなどは、本流と明らかに外れますが、なんなんでしょうかこの魅力は。
この時代の物と言う先入観から来るのか・・?
例えば新作刀のコンクールなどでは「姿が悪い」と酷評されるでしょう。
この兵部などは柔軟な思考を持たなければ見られない刀なのですかねぇ。
柔軟な思考とは色々と贔屓目に見る事にもなりますな。
価値観は多様です。
芯が通っていれば良いと簡単に言いますが、本当にそれで良いのでしょうか。
価値観は多様ですな。