選別

使わない砥石を刃物を研ぐ方にさし上げるため、選別する。(先日頂いた人造砥は私が使用している物と同じですのでありがたく使わせて頂きます)
人造砥は色んなメーカから色んな材質、色んな製法、色んな大きさ、色んな粒度で出ていますので試してみたい石が沢山あります。
しかし試し研ぎが出来る事は殆どなく、とりあえず買って使ってみるしかありません。
せっかく買っても好みの物で無ければ二度と使う事はありませんのでほぼ新品でそれ以上使わない砥石がたまって来てしまいます。
人造砥も一本数千円~1万円以上しますので大変辛いところなのですが、常にこの繰り返しです。
好きな砥石は必ず生産中止になるので辛い。

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砥石を多数

最近ブログで砥石の話題が多いですが続く時は続くもので・・・。
今日は天然、人造合わせて多数頂きました。
全く持ち上がらなかったので50キロほどあるでしょうか。
天然砥では、青砥、改正、中名倉、細名倉、内曇、産地不明砥石多数。
内曇は綺麗な物が5本有り誠にありがたいです。
大きな細名倉や中名倉も貴重です。
木っ端は産地や層が不明な物が多く、色々試してみたいと思います。
ありがとうございました。 大切に使わせていただきます。

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早速洗ってみました。その一部です。 (砥石を載せている大きな原盤は産地不明。これも大変お世話になっている方から以前頂いたものです。”合さ”と言う層でしょうか・・?!)



研磨力有りで

今日はほんの10分ほどだけ京都御苑へ。

大きな地図で見る
広くてよいです。でも広すぎて10分ではどこへも行けません。
そういえば以前、御所の修理に入った大工さんが戸袋の奥から刀が出て来たと言っていました。
終戦の時や幕末やそんな頃に隠したのでしょうね。 

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去年買った大平を引く。
普段の刃砥がかなり柔らかい物を使っているのでこれは硬すぎて使い難くダメだと思っていたのですが、しばらく水に浸けていたらかなり使い易くなりました。
しかも強烈に研磨力が有ります。
こちらに慣れると昨日まで引いていた刃砥を使う気がしない・・・。
この手の石は裏の倉庫で眠って居ると思うのでちょっと嬉しくなります。



下鴨神社と粟田口

今日は結婚式に行かせていただきました。
下鴨神社での神前式。
私の郷里では慶弔の儀式は基本的に全て神式で行なわれるので神主さんの祝詞には馴染みがあるのですが、雅楽は京都に来てから度々接する程度です。  まことに荘厳でよいですね。 
いつも思いますが雅楽で使用する楽器やその他の和楽器も、意外と音が大きくて驚きます。 プロの演奏だからでしょうけど。
こう言う式では列席者も、何度も何度も立ったり座ったりと繰り返しさせられますが、この様な儀式は簡略化されず伝えられて欲しいものだと感じました(現在の形がすでに削ぎ落とし切った物であり、長い歴史の中で十分簡略化されて来たのだとは思いますけど)
そして粟田口の粟田山荘へ移動して披露宴。
素敵な一日でした。

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刀剣入札鑑定記

HP左メニュー、「ブログ(旧)」の下部に「刀剣入札鑑定記」を追加致しました。



入札鑑定

入札鑑定会。昨日は本部から講師がこられました。
1号 太刀
反る。 鋒は研ぎ崩れ延びる。
大肌で肌立つ。  
大変よく沸える刃。 刃肌が非常に目立ち縁で止まらず刃先まで頻りに抜ける。
ハバキ上で焼き落とす。 
帽子は研ぎ減り抜ける。 
棟先二寸ほどがかなりうつむく。
少しだけ古備前や古青江風ですが沸えばかり明るく匂い部分は沈みます。結果総体に沈む刃。
 伯耆安綱と入札。
2号 刀
重い。かなり。
よく詰む。 少し映り気。 乱れ刃。 沸え付く飛び焼き多数。
帽子乱れて長く返り棟区まで焼き下げ。
 与三左衛門尉祐定と入札。
3号 刀
二尺三寸ほどか。 かなり幅広。 
肉付きは普通でしょうが広いからそう見えず。 鋒延び、広いのでかなり大きくなる(末左の様な姿)。二筋樋。
ざんぐり肌。 湾れに互の目。
肌は明らかに堀川物ですが、こんなに大きいのに国廣には入れたくない・・・。
互の目がぎこちないので大道と入札。
4号 短刀
極めて薄い。三つ棟。 先も反る。 
大板目。 棟寄り流れず。
互の目で皆焼。 帽子乱れる。
 長谷部国重と入札。
5号 平脇
よく反る。 重ね少し薄め。 
少し白け。 匂い出来の直刃。
刃寄り詰み棟寄り大肌。
古三原の刀をそのまま平身にした様な典型作です。
私は小さい物には「正」を使わない癖が有るので「政」で入れたいが誰が居ましたっけ・・・。
お隣の方に本を見せてもらうと「政清」の名がありました。
 古三原政清と入札。
 当同然
 同然
 時代違いイヤ
 当同然
 当
3号は素直に堀川でしょうが大きい物が気になる。
よけい大きい物が無い人でしょうが珍しい銘で入れてみたく藤原廣実と入札。
 当同然
 同然
 当同然
 当同然
 当
一号 太刀  真景(古伯耆)
二号 刀   備前国住長船五郎左衛門尉清光
         天文廿四年八月吉日
   
三号 刀   国廣
四号 短刀  長谷部国信
五号 脇指  政清(古三原)
 一号太刀は棟のうつむきを、「この太刀は平安~鎌倉初期なのでこれで良いが、仮にこれが新刀とすると、このうつむきを研ぎで直すのに半日かかるなぁ・・・」と思いながら拝見しました。
先伏しについて質問しましたが先伏して居る様には見えないとの見解でした。
所載物ですので帰宅後解説を読むと、「古作にありがちの先伏しごころが無い点も一派の太刀にまま見るところ」と書いて有り、鑑定上この太刀は先伏して居ないと見るべき物の様です。
この太刀に限らず、この程度の先伏しは入札鑑定時は無視した方がよさそうです。
研ぎ崩れやその他後天的理由の場合も多いと思いますので。(講師の見解は多分違う様でしたがちょっと上手く理解出来ませんでした)
下地研ぎ作業の地味さをつくづく感じます。 誰もあまり気にしない部分にかける時間が大変長い。

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鍛錬

先日、田中貞豊刀匠の鍛刀場に行って来ました。
田中刀匠は通常は鍛錬の公開はされていないのですが、某社の研修で特別に公開すると言う事でしたので、私も見学をお願いしたわけです。
仕事の用事で鍛錬をしていない日をお聞きしてから伺った事は何度もありますが、今回は雰囲気が違います・・・。
炭と火の匂いです。  細かく音もしています。

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フイゴを動かし炎が勢いを増します。

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作業内容などを解説しながらですが、全く無駄の無い動きで淡々と作業が進みます。

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唐突に緊張感が増したかと思うと一気に鍛錬へ・・。
場内には悲鳴と喚声があがり鍛錬の音が響きました。

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この日の作業を見た若者達は何かを感じたのでしょうか・・。
 誠に貴重な体験をさせて頂きました。 ありがとうございました。



中途半端に時間が出来たので

先日ちょっと中途半端な時間が出来てしまったので、娘を連れてお散歩に出かけました。
お天気最高桜満開!

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”娘も喜んで桜を見ています!”的な写真に見えますが、唯一そんな風に見える様写った写真です。
全く言う事を聞いてくれない子でお父さんは疲れ果てました・・・。
そう言えば岩倉に住んでるのに岩倉具視のお家を見に行った事が無いのでちょっと自転車で行ってみました。

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ん~、閉まってます。
すぐ横を毎日通るんですが見た事有りませんでした。
こんな綺麗な屋根の建物が有ったんですねぇ。 今度見学に行ってみます。

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曇りを引く

去年購入した内曇であまり良くない石と判断していた物を再度使用してみる。
確か先日も同じ様な事を書いたかと思いますが、内曇砥などの天然砥石は砥質の個体差が大変大きく、そこを利用してさまざまな硬さの刀に合う物を使用します。
基本的には硬い刀には柔らかい砥石、柔らかい刀には硬い砥石を使います。
しかし砥質とは硬軟だけでなく”研磨力”の強弱も有り、これが非常に重要です。
弾力が有り、適度に柔らかく大変引きやすい砥石でも研磨力が無ければ使用には堪えません。
砥石選びとはなかなか一様には行かないもので、一度ダメと判断した物でも時間をおいて使用してみたり全く違う質の刀に当ててみたりと色々試してみます。
以前はダメと思っていた砥石ですが今日は調子良く効いてくれ、大変鮮明な映りが出て来ました。

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十数年前の

十数年前入手した刃艶で硬軟二振りの刃取りを行なう。
この石は某山某層の物ですが思えばここ十数年これ系を主に使用している事になります。
もちろん一般的な山とその層の石も使ってはいますが好みの問題で私には使い辛い。 結果的に一番好きなこの山の石を使っています。
刃艶として使用するには薄く磨った石に漆などで和紙を貼るのですが、石を薄く磨る段階で石の硬軟や粘り、弾力などが分かります。
同じ石でも採取時期や同層内の細かな位置の違いにより質は大きく変わります。
私の好きなこの石は出合った当初から砥質のバラつきが特に酷いと感じていました。
しかし研磨の対象である刀の方も硬い物と柔らかい物では驚くほどの差があります。 
”力”さえ有る石ならば上手に使えば「砥質のバラつき」と言う一見ネガティブに聞こえる要素も実は極めて有効な物と成る訳です。
そう言う意味で今回は均一でない砥質に本当に助けられました。
それにしても「刃取り」は難しい・・・。
私は体質的にかなり酷使しても手の皮が厚くならないタイプなのと、手の動きがあまり平地に触れずに刃取る癖が有るので刃取りに何日も時間をかけても平地を汚す事は有りません。 これは偶然の事で非常に助かって居るのですが、なるべく日数は減らしたいものです。 ほんと大変ですので・・・。