慶喜・大政奉還・その時

龍馬伝、なかなか見られませんでしたがようやく追いつきました。
次回が最終回なのですね。
ついに大政奉還となりました。
だいぶ前ですが、京都支部鑑定で「徳川慶喜二条城にて。大政奉還の折、腰に有ったのがこの刀」と言う解説が有った事を思い出しました。
それは粟田口国定の重要美術品でありました。 
小中学生の時、教科書に有ったあの絵のあの刀がこれか・・と感慨深くなった事を思い出します。
「大政奉還図」 邨田丹陵 筆(wikipedia)
入札鑑定用紙を探したら出てまいりました。

画像

一の札は「アヤノコウジサダトシ」と入札しています(多分漢字が出てこずカタカナで書いたんだと思います。最初は経家と書きかけて消しています)。
”あの時のあの刀”を、”この刀”として手にとって見る事が出来るのは龍馬達のおかげと言う事か・・。



細かい仕事で

これから数日間非常に細かい仕事が続く。
目が見えなくなってきたので休憩してパソコンを開いたらもっと見えない。
やめよう。



御刀拝見

本日は、個銘の一文字、兼光、長谷部、信国、兼房、大磨上無銘、十文字槍を拝見。
大変勉強になりました。 ありがとうございました。



無題

私、英単語は一つ覚えるのに何日も掛かり、イディオムに至っては記憶不能に近いのですが、刀の銘や一度拝見した御刀はなぜだか結構細部まで長期間頭の中に残っていてくれます。
そんな私なのですが、今日拝見した二振りの銘は忘れてしまいました・・・・。
そんな私でも聞いた事の無いような所謂マイナー刀工だったわけなのですが(多分新刀の元文・寛保・延享・寛延の頃の作刀で、刀の需要が少なかった時代と言われ、この辺りの年紀が入った刀はめったに見ません)、かなりすっきりとしたものでした。
先日のブログの内容を見なおしたら、かなり言葉足らずで間違いに近い内容になってしまっている事に気が付きました。
データをあげたうえで、「一点だけを見て鑑定をして行くと、けっこうな確立でハズレます・・・。」と書いていますが、このデータだけで見ると「結構な確立で当ります」の方が正しい事になってしまいます・・・。
詳しく書いて行くと、かなりややこしくなるので大雑把に書いた結果こんな感じになってしまっていましたが、ちょっと追記します。
・まず、このデータは重刀図譜をざーっと見た結果です。
・そして、各一文字、在銘・無銘問わず合算しています。(平身、薙刀直しは除いています)
・表裏違う帽子もありますが、ざーっと見ただけですのでその瞬間のフィーリングで数字にしました(笑)
・横手より僅かに乱れ込んだ物でも、その上が直ぐに丸ならば数に入れた物もあります(横手の位置は後世に移動 して居る場合が多く、本来の正確な位置は押形だけでは容易には分かりません)。
・僅かな湾れは数に入れた物もあります。
・現物と重刀図譜の押形が色んな意味で必ずしも同じ状態とは限りません。
・一文字でも直刃や直刃調も有りますが、その場合の直ぐ丸帽子も数に入れています。
だいたいこんな所ですが、データに関してはこんな感じです。
で、入札鑑定時にですが例えば全くの初心者の方で、「とりあえず丁子乱れである事は分かるが刀工名どころか時代などもさっぱり見当が付かない」と言う状態だとすると、「直ぐ丸帽子=石堂、乱れ込む=一文字」と言う事で入札をすると、運悪く多々良長幸と言う事が無い限り、結構な確立で当ると言う事ですね(^^)
しかしもうすこし判断が出来る状態になりますと、丁子や丁子混じりの刃、映りが有る、そして鎬に柾気も感じるが完全では無い。 匂い口もふんわり柔らか、しかし手持ちが重い・・・。 
石堂か、それとも一文字か。 「当り」か「時代違いイヤ」か(^^) で迷う事が出て来ると思います。
その時、一応古い一文字には見えるけれど、「帽子が直ぐ丸なので石堂」としてしまうと、後悔の入札になってしまうかもしれません。 これが先日書いた、「一点だけを見て鑑定をして行くと、けっこうな確立でハズレます・・・。」です。
そしてもう少し沢山見て慣れてきますと一応石堂と一文字の見分けは容易になって来るのだと思います。
そしてまた全く減っていない一文字を見てしまい、石堂との区別に自信が無くなったりと・・・。
いやはや刀は沢山あるものですね。



近況

某日 研ぎ場にて、新刀下原を拝見。
クリスピークリームドーナツを買う。 私には甘すぎて食べられず。
某日 研ぎ場にて、現代刀おそらく造り短刀拝見。
某日 研ぎ場にて、金房年紀入り長刀拝見。
某日 研ぎ場にて、越前新刀と津田助廣を拝見。
某日 研ぎ場にて、一干子忠綱脇指拝見。
お腹をこわし熱を出す。 研ぎ舟に座ると力が出てしっかり仕事が出来る。 しかし子守は辛く無理。
某日 研ぎ場にて、一文字を拝見。
某日 研ぎ場にて、錆身の刀を拝見。大和っ気の強い造り込み。しかしかなり乱れる。 千手院でもなさそう。大和志津か。
 
一文字は大変上手な下地。 それほど若い時代の下地でも無いと思われますが、しっかりと手をかけて研がれていました。
帽子は横手から綺麗にフクラにそって丸く返っています。
刀の入門書などに「鎌倉時代の一文字の帽子は乱れる物で、直ぐに入り丸に返る物は新刀の石堂とみるべし!」の様な事を書いた物があります。
ざーっとですが重刀図譜の押形を見てみました。
 一文字(福岡一文字含む) 256振り中、68振りが、ほぼ直ぐに入り丸く返っています。
 吉岡一文字          118振り中、22振り      〃
 古一文字            90振り中、34振り      〃
新刀の石堂では、
 江戸、対馬守常光   6振り中、1振りが直ぐに丸。
 江戸、日置光平     8振り中、5振りが直ぐに丸。
 紀州、橘康広      2振り中、2振りが直ぐに丸。
 福岡、守次       10振り中、2振りが直ぐに丸。
 福岡、是次、      5振り全てが乱れこむ。
 大阪、多々良長幸  11振り全てが乱れこむ。
一点だけを見て鑑定をして行くと、けっこうな確立でハズレます・・・。