京都支部入札鑑定会

今回は本部から。

1号 太刀 日本海側で古い所だと思う。いつものイメージよりスマート。

2号 太刀 多分15年ほど前に本部から来た太刀だと思う。

3号 刀 反り強めの末古刀。刃縁が働く中直刃。大変良い地鉄だが肌を荒く研いでいる。

4号 脇差 幅広く力強い姿。綺麗だが見応えのある地鉄で明るい直刃。

5号 反り浅で重い刀。見慣れぬ刃の錵。暴れる帽子。

当たり扱い

イヤ
当たり扱い
同然

3号 現状を見てではなく普通に研ぐとどうなるかを予想して入札しなければならなかった。

当たり扱い


当たり扱い
同然

今回から会場後方でホワイトボードを使い、初心者さん向けのレクチャーをしながらの鑑定会です。
ホワイトボードは図での説明と筆談用です。



上野の博物館

先日上野の博物館で小竜景光を見て感動してしまったので、その後景光を調べてみたりゴソゴソと。
景光太刀は重文他手持ちがズシリと重い名品を幾つか研磨したり拝見してきましたが、この名品刀絵図聚成の小竜景光の解説の通りだと思います。
「恐らく彼の生涯に於ける最高傑作と言ってよく、現存する同作にこの右に出るものを見ない」

そういえば故上野修路氏が小竜景光の彫り物を写していた事を思い出しHPを。
拵えも抜群です。
小龍景光写し– 第一室刀剣 | 上野の博物館
黒漆太刀拵 第3作 – 第一室刀剣 | 上野の博物館

作っていただいた大和古印も久々に出してみました。




刀袋(刀バッグ)

諸々の用事で移動。

久々に国宝小龍景光を見ました。今までで断然、今回が一番よかった。
こんなにもパワーがありましたか。凄い景光は幾口か拝見したり研磨をさせて頂く機会も度々でしたが、これは別次元の存在です。
各書でどのような解説なのかはまた確認しますが、私にはたっぷりぽってりとした姿が印象的でした。

GINZA SIXにて河内國平先生はじめ御一門の作品など。
私には銀座に刀は馴染んでいてしっくり来ましたが、刀に関心が無い方は驚くのでしょうか。
少し見ている間にも若い方が何人も訪れていました。

今回1000キロ移動して、研磨に関する25年間謎だった事が判明しました。
そしてまた同じかそれ以上に分からない事に。。追々考えます。
長距離移動には以前から使っていた革のバッグは重過ぎて苦痛極まりなく。バッグだけで一キロ越えてます。

ということで三浦研師に教えてもらい、しばらく前からTOBE流さんの刀袋を使わせて頂いています。
軽くて丈夫でカッコいい、今までの苦痛が全部解消。おすすめです。

戸部流【tobe-ryu】 – BOOTH



京都支部新年入札鑑定

新年の入札鑑定会は新年会も兼ねており時間の都合もあって、1本入札で行います。
ただ初心者さんには通常の1本入札ではハードルが高過ぎるため、1~5号刀それぞれに3工づつ記入し、提出は一度のみという手法で。
普段とは違う思考とテクニックが必要で、簡単な様で案外難しい。実際やってみると1口の刀に対し、3通りの見解を探るのは結構楽しいものです。

1号 脇差
応永杢、元先の幅差はそれほどない。匂い出来の互の目に丁子ごころ。帽子尖らず。映りさまで目立たず。
盛光か康光だと思う。こういう選択の場合今まで康光を選択して外すパターン。
刃の調子が則光にも見え、則光にも応永杢に迫る良い地鉄がある。

盛光・康光・則光と入札。


2号 短刀
大きめ。越前鉄。バサける湾れ。彫り物無し。
初二代の康継だと思う。

初代康継・二代康継・肥後大掾貞次(貞国と書いたつもりが誤記入)と入札。


3号 寸延び
結構延びて尺三寸に達するか。反り強い。良い板目だと思うがちょうど蛍光灯の無い場所にあり、地鉄見えず。
小錵出来で中粒の互の目が少々揃う。帽子激しい。返りが働く。棒樋あり。
古刀か新刀か分からずかなり悩む。
表の刃に明るさの斑があり、地も経年の影響が見られる。古刀だろうか。
毎回後で思う親国の短寸反り深に似る姿。

宇多国宗・親国貞・下原照重と入札。


4号 刀
長寸、反り浅い。
地鉄良く明るい刃。焼きは大模様で不規則ながら、如何にも肥前という錵付き。

肥前行広・肥前正広・近江大掾忠広と入札。


5号 脇差
少々荒い鉄。元と先が締まる互の目。中程は錵付く大互の目。
腰の互の目が加州。物打に箱。

加州兼若・水田国重と入札。


1号 脇差 備州長船盛光
      応永廿九年八月日(重要刀剣)
2号 脇差 於武州江戸越前康継(初代差し裏銘)(重要刀剣)
3号 脇差 藤原国貞(親国初期銘)
4号  刀 一 肥前国出羽守行広以阿蘭陀鍛作
5号 脇差 賀州住兼若(三代)