全身押形で難しいもの

片チリに比べると両チリの刀は圧倒的に少ないです。
部分押形程度ならよいのですが、全身となると実は両チリの刀は非常に難しいものです。
鎬の線がざっくりと出る様な採り方ならば簡単なのですが、明瞭で強い線をだそうとするとかなりの手間を要します。

そしてもう一つ、連れ樋の刀も激烈に難しく。。
こちらもざっくり線を出すだけなら簡単ですが、明瞭な線を出すにはかなりの修練が必要で。
今回の全身では時間も無く、実刀から線を出す事はあきらめ、あとは02のシャーペンと各種定規で作業を。

以前は石華墨でサッと引くだけの線でしたが、近藤先生から線の重要性をお教え頂き意識を改めました。
結果、輪郭やその他の線中に入る白い物は各段に減ったと思いますが、交点の正確さは私の線では全然ダメです。



8月も終わります

某日祇園。京都も人が増えましたが元に戻るのはまだ先ですね。

某日、北大路橋から南を望む。

某日四条大橋から川床。

子供らを連れて少し川遊びに。中学と高校生ですが喜んで来てくれました。父ちゃんが一番喜んでます。

上賀茂神社社家町。画像中央水色の軽自動車の家が以前の研場です。
本当に凄い奇跡的な品がまだ無登録で眠っていたりする、それが京都で。

京都五山送り火当日。西から、鳥居形、左大文字、舟形、妙、法、大文字の内、松ヶ崎の「法」の麓、点火前。
3年振りの全点火ですが、点火30分前に豪雨。どうなる事かと思いましたが無事の点火。
そうそう、この「法」の東面に内曇系砥石層の露頭があります。

熱田神宮」の「草薙館

7月後半から8月をざっくりと。
途中コロナ療養などありましたが、ひたすら研磨の日々です。



No.132

天然砥石比較No.132を刃引きに使用する。

この石は頂き物ですが、あく水(洗ソーダ水)で死んでいたので使用は困難と思い使わずにいました。
地砥などの硬い砥石は殆ど水を吸わないので大丈夫ですが、刃引き等柔らかめの砥石は洗ソーダを沢山吸い込みます。
ソーダ水は乾燥すると結晶化し、吸収乾燥を繰り返すと、山で雨ざらしの砥石が凍結と融解を繰り返し風化するのと同じく巣になってダメになります。そうなると普通の刀を引くとヒケが入り研磨力も落ち・・・。
今回の刀はかなり硬い刀。硬い刀は内曇りに苦労する訳ですが、一つ良い点をあげるなら、ヒケが入り難い事。という事でしっかり試したかったNo.132を引く。
結果大変良い石。研磨力は天然砥石比較で実証済みでしたが今回の感想はそれ以上で。
硬い刀にはヒケ無しで使え、今後頻繁に手にする事になりそうです。




ガチャガチャした場所で

先日ちょっとガチャガチャした場所で薄錆身の無銘短刀を拝見。
幅広内反り振袖茎。

以前拝見した短刀、入鹿實可。茎棟ラインや振り方や上身形状が独特で忘れる事の無い姿で。それと同じ。
先日の短刀も實可じゃなかろうか。
入鹿實可拝見。馬手差しのこと | 玉置美術刀剣研磨処|京都・左京区 (kyoto-katana.com)