「関大と刀匠國平」

関西大学博物館にて河内國平先生の企画展が開催されます。
以下、関西大学博物館HPより

2022年度関西大学博物館夏季企画展 「関大と刀匠國平」の開催について

2022年度関西大学博物館夏季企画展 「関大と刀匠國平」

刀匠·河内國平が1966年(昭和41年)に関西大学を卒業してから本年で56年となります。在学中に末永雅雄博士から指導を受け、卒業と同時に宮入昭平刀匠に入門し、第一作を制作してから古刀ヘ近づくために80歳を超えた今でも日々作刀に没頭しています。そしてこの度、母校である関西大学において、夏季企画展「関大と刀匠國平」を開催する運びとなりました。「映り」の発見による「古刀再現」に向け、より充実した作刀を続ける河内國平の軌跡をご覧ください。

期間 :2022年7月18日(月)~10月10日(月)
時間 :10時~16時(入館は15:30まで)
休館日:日曜日、8/11-21、8/27、9/3、9/19(8/7、10/9は特別開館)
場所 :関西大学博物館特別展示室(関西大学千里山キャンパス 簡文館内)
入館料:無料

新型コロナウイルスの感染拡大の状況によってはやむを得ず臨時休館させていただくことがあります。


イベント
講談・対談
神田伯山/河内國平『刀剣と講談』

日時  :2022年9月10日(土)14:00~16:00(開場13:30)
会場  :関西大学千里ホール(第1学舎)
出演  :神田伯山(講談師)・河内國平(刀匠)
参加費 :無料
定員  :400名(先着申込順)
申込受付:7月18日より開始

関西大学博物館HP



大太刀

少し前ですが、爺さんに会いに行こうと思い立ち、初めて靖国に行きました。(祖父は昭和20年7月、父が2歳の頃大阪湾にて戦死)
私が30代の頃亡くなった祖母は、祖父の墓参りを毎日欠かす事はありませんでした。私が知る限り毎日です。
近所では毎日墓参りに行く婆さんとして有名だったそうで・・・。
確か祖母も一度だけ靖国にお参りに行けたはず。
私の初めての靖国神社参拝は祖父を感じる事は出来ず、お墓で毎日泣いていた祖母を思い出しました。

特重指定品発表で靖國神社遊就館蔵の大太刀、古三原「正家」が載っていて興味を持っていたのですが、刀美最新号の名刀鑑賞にこの正家が掲載されました。やはり素晴らしい太刀でした。
大太刀を研磨させて頂く事は度々あり現在も3口の大太刀をお預かりしていますが、以前見た古研ぎの大太刀が特に記憶に残っています。
当時確かブログに書いたような・・・と思い、HPの検索欄に「大太刀」と入力してみると2009年にその記事がありました。
古研ぎ薄錆身 | 玉置美術刀剣研磨処|京都・左京区 (kyoto-katana.com)
ブログ文中、「そして磨り上げ刀の場合は切断して廃棄(再利用か)されてしまう部分も、荒れや傷など製作時の失敗も無く完璧なものなのだと分りました」と書いていますが、ちょっと意味がわかり難いですね。
大太刀の腰付近に先天的な不具合があったから磨上げたとか、そういう事じゃないと言いたかった訳です。
今回の靖國神社様の大太刀も、名刀鑑賞解説で「これほどの長寸にもかかわらず元先にかけて緩みなく均一な肌模様となり、鍛錬技量の高さが窺え」と書かれている通り、大太刀だからといって雑な造りではないという事です。
因みに、現在二尺台で大磨上げの茎になっている刀の全てが大太刀だったという訳ではなく、その何割か程度と考えるべきかと思います。



刃艶を貼る

少し前に久々に刃艶を貼りました。いつ以来でしょうか。ちょっと不明で。
前回カットしていた中から必要な砥質3種を50枚程。前回のカットではどうやら6種程度をカットしていた模様。
それにしても、今回の貼り具合が過去30年間中最も悪い仕上がりに。
そういえばこの数年どんどん悪くなっていて、今回がその終着地かという悪さに。
私は屋外で貼る事が多く、悪さの原因は風や気温やと色々考えられます。ただ刃艶は砥質が最も重要であり、研磨初心者ならいざ知らず、それなりに経験があればその後の対応いかんで貼り具合は研ぎの仕上がりに影響を及ぼす事は無いのです。
”何を馬鹿な事を”とお思いの方、その通り。刃艶の貼り具合は使い易さに大きく影響しそして研磨の仕上がりにもある程度影響があるのです。
吉野紙の質や国産漆にとまでこだわった刃艶を頂戴し使わせて頂いた事が何度かあります。
その刃艶、漆の濃度(粘度)や厚さが絶妙で、しっかり貼れているのに吉野紙の繊維が程よく出て、刃取時の指との摩擦が強く、手の力を刀身へと全て伝えてくれます。結果その砥石の質をフルに発揮し、刃取り時間の短縮はもちろん、仕上がりの最終到達点にも影響がある勢いで。
この様な”こだわり”は職人には大切ですね。 
”こだわり”は経験でカバー出来る事も多く自分の中でどうしても粛清対象になりがちなのですが、こだわりを持ち続ける事の大切さを最低な刃艶を使いながら再認識した次第です。





古宇多

古宇多と思われる直刃の刀を研磨させて頂きました。
無銘ですので見方は色々ですが、古宇多の見方が一番妥当と思います。
昔から度々ですが、無銘で出来が良い刀だなぁと思っていて、その後審査に出され、付いた極めが「古宇多」。結構あります。良い極めだと感じます。
古宇多には抜群の物がありますね。好きな刀です。