綾小路の

綾小路の全身押形の続きです。
綾小路の雰囲気になってきました。
昨日のブログの続きでいうと、是即ち古京物の雰囲気です。

無銘 五条

無銘 粟田口国安

無銘で古京物と極められる物が全てこの様な出来という訳ではありません。
例えば第49回重刀の無銘古京物、これは現物未見ですが、図譜から想像するに地鉄は違いますが刃は京博の国宝粟田口則国の様な直刃でしょうか。地鉄は肌立ちごころとありますので、国不明時代鎌倉前期で第43回重刀指定の助宗作と三字銘の太刀の様な出来かも知れません。
この助宗太刀は国不明での重刀指定ですが「一見古京物と鑑せられるもので、いかにも格調が高く、五条国永や粟田口国友などとの共通性が窺われ、鎌倉前期を降らぬ山城物と鑑するのが妥当であろう」と解説されています。この太刀は何度か拝見した事がありますが、二尺七寸超、踏ん張り付き、焼き幅十分で、非常に健全なものでした。




古京物

京物でも特に古い物、三条・五条や初期粟田口物等を古京物と呼称します。
綾小路定利なども以前は鎌倉時代中期とされていましたが、研究が進み鎌倉時代前期乃至中期とされる様になり、現在では鎌倉時代前期の刀工と考えられています。
無銘の極め物で、五条・粟田口国安・綾小路などを見ると共通点が非常に多く見られますが、過去に拝見した、三条各工、五条各工、複数の初期粟田口、定利などの在銘品を思うと、無銘程の共通性は少ないようにも思います(私見です)。
鎌倉前期在銘備前物以来、少々久々の押形採拓。無銘綾小路。



「備前・備中・備後の名刀」

また2年カードを頂戴していたので、京博さんに用事ついでに展示を観覧。
1階の仏像を見たくて入りましたが、同じく1階の5,6展示室で「備前・備中・備後の名刀」という展示が行われていました。知らずに入ったのですが幸運。

今日の時点での展示は29口。
古青江、古備前、一文字、長船物、末備前、宇甘、畠田、三原などが展示されています。
展示品の中に以下の品もありました。

太刀、銘 □忠(国指定重要文化財 旧嵯峨御所 大本山 大覚寺蔵/京都国立博物館寄託収蔵品)

・太刀 銘 (菊紋)一(菊御作)(重要美術品・特別重要刀剣 京都国立博物館寄託収蔵品)

・小太刀 銘 景安(古備前 特別重要刀剣 京都国立博物館寄託収蔵品)

・太刀 銘 景秀(長船 特別重要刀剣 京都国立博物館寄託収蔵品)

・太刀 銘 備前国長船住人真光(重要文化財 京都国立博物館蔵)(2024年度調査記録のため、京都国立博物館にて全身押形を採拓)

29口いずれも名品ですが、個人的に注目の品は、確か春日大社旧蔵の享徳ニ年紀の則光太刀です。
西暦1453年製作の太刀ですが、まだ茎の錆が浅く、薄っすらと銀色でタガネ枕が凄く。付属の鉄太刀鎺もまだ銀色です。





修学院離宮

修学院離宮付近がお散歩距離に丁度よいので結構頻繁に行きます。
三宅八幡から三明院を通り、蓮華寺横を抜け、高野川を渡り赤山禅院前を通って修学院離宮。
離宮の直ぐ南に音羽川という小さな川があります。
大雨になると白川北大路以北はいつも道路が冠水し、コンビニなども大変な状況になっていますが、この川が原因でしょうか。(この川に限らず白川通り以東の山から大雨の度に水と砂が大量流出している様にも思いますが)
音羽川上流には砂防ダムが沢山ありますが、その付近直南が曼殊院。
昨日その辺りの山道でまた磁器片を見つけました。
沢山転がっているので木の枝でペチペチ捲りながら山中へ・・。
気になって今日も同じ場所へとぽこぽこ歩き、またペチペチ捲り。
いくら京都といっても普通は転がっている磁器片は明治以降の物が殆どで多くは昭和の物なのですが、今回は場所柄でしょうか、多分元禄伊万里や柿右衛門と思われる物も。。
金属探知機なんかを持って行けば、笄や目貫なんかもころがっているのかもですねぇ。