研ぐ

職人気質ってなんでしょか。
基本は辞書にかいてある通りだと思いますが、こんな使われ方をする場面をよく目にします。
「職人気質なので気分がのった時しか仕事をしない」というもの。
解釈は様々なのでこの使い方も合っているとは思います。でもちょっと簡単に使い過ぎていませんか?
私の考えは逆です。どんな時でもある一定レベル以上の仕事が出来る事。
こうなると辞書にある職人気質という言葉からは外れますが、職人とはこういう物かと。
「気分が乗らないと仕事をしない」って、100年に一人の天才にだけ許される甘えた言葉だと思っています。
ま、こんな事はわざわざ書かずに勝手に実践しとけってはなしですが・・・。



妙な

昨日は妙なものを書いてしまった・・。
手を切ると落ち込むものなんです。 つまらぬ怪我で仕事が止まるなんて・・・と。
切った瞬間にこの0.何秒かの体の動きを悔やみます。 なぜその動線で手を進めますかねと。
何かの事故で死ぬ瞬間も同じ様に悔やむのでしょうか。

昨日は全く大した傷ではなく、止血が済めばアロンアルファでとめてすぐ仕事です。
親指の腹なのだが化膿させると時間が掛かり、地艶等の仕上げ仕事に影響が出るので化膿は絶対に避け、短期で完治させる。
それには私の場合、アロンアルファが一番あっている。



小さい頃は

ふいに思い出したのだが、小学一年生だったか、国語で「くじら雲」と言うお話を習った。内容は覚えていないが、空にくじらの形の雲が出て来るお話。 国語で習ったその日、家に帰っていつものように裏の神社で一人で遊んでいた時、空に完全な形の「くじら雲」を見た事が今も鮮明な記憶として残っている。
また、小学三年くらいだったか、家から橋を一つ渡ったところ、かなり険しい山の急斜面。今の自分の子には絶対に行かせない所だが、隣の家の歩君達と登って行った。私の田舎は人が入れる山には大体廃屋やその名残りがあり、忘れられた存在として有り続けているのだが、そこにも古い石垣を見つけた。おそらく当時の大人達もその存在は知らないのではなかろうか。 そこを秘密基地にしようと決め、周辺を探索。周辺と言っても全面薄暗い急斜面なのだが、一角に日の光がさす場所が。 斜面を伝い行ってみると、アニメのトトロに出て来る低い木々のトンネルそのものな場所を見つけた。
もちろんトトロはそれよりずっと後なので、今思えばと言うところであるが。
田舎育ちなのでそういう経験は沢山あるが、それらは小さい頃だからそう見えた物ではなく、現実の物だったと思う。
その後、その秘密基地におやつを持って行き隠れて食べるのが楽しみだったのだが、ある日秘密基地でウンチがしたくなった。 急斜面のほんの僅かな平面を見つけ、細い木の根元を掴み、斜面下方へ向け、しかし物が転げ落ちない様に用を済ませた。
出来上がった物は、Dr.スランプに出て来る「巻きぐそ」に全く遜色ない形だ。 これも完全に現実であり、今考えても誠に見事な形である。

今日は大事な所で指を切ってしまい、こんな事を思い出しながら血が止まるまでの時間を過ごす。

 



日々研磨を

少し久々になってしまいました。
毎日仕事をしております。
日々出来事はありますし、御刀も色々と拝見しておりますが、ブログに書いてもよい内容とは少ないものなのです。
とりあえず、たまたまですが最近は長い物ばかり続いて研磨させて頂いています。
全長四尺少々の物三振り、四尺七寸以上の物も一つあり・・。
そう言う刀の後は、新作の二尺五寸でも小さく感じるものです。

そういえば、20年ほど前に拝見した錆身が今も錆身だったと書いた事があるが、その帽子の窓明けをさせて頂いた。
ずっと興味のある刀だったので気持ちがすっきり晴れた。
全く意外な帽子で驚いた。