日本刀の美

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いつも大変お世話になっております銀座盛光堂の齋藤さんが日本刀文化普及のため、「日本刀の美」というYouTubeチャンネルを開設されています。
昨日は研ぎの取材をしてくださいました。
どの動画も大人の落ち着いた雰囲気の内容となっております。
チャンネル登録の上、是非ご覧ください。


(日本刀の美・第一回 ~前田日明と日本刀の美~ エピソード2「光忠の魅力」)

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「日本刀の美」



井上真改(重美)

重美真改完成3
重美真改完成2
刀、銘 井上真改
(菊紋)延宝四年二月日

42回目も大阪新刀井上真改、重要美術品指定の刀です。
前掲の真改に比して一見大人しく見えますが、美しくも強さの有る地鉄に匂い深く錵厚く付く刃文を焼き、実物を手にすれば全くその様な印象は受けません。
真改は江義弘に範をとったと考えられていますが、中でも江が独自の作風を完成させた後期作を狙ったと思われ、本刀もそれに成功しさらに真改独自の魅力も加味し、貫禄と品格を備えた出来となっています。
この数年で手に取った重美指定品は三十数口程度ですが、その内新刀は2割以下。
新刀重美の研磨はこの真改が初めてとなり、貴重な経験を積ませて頂く事が出来ました。



井上真改

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刀、銘 井上真改
(菊紋)延宝四年八月日

41回目。大阪新刀、井上真改です。
詰みながらも強い地鉄、刃文は匂い深く錵厚く付き、金筋、砂流し等しきりに働きます。
真改は作域にある程度の幅がありこの刀は直刃調ながら激しい部類に入るもので、覇気に満ちた作品です。



吉野山人國平之

脇差、銘 吉野山人國平之
     平成聖代結ふ

40回目。河内國平先生の作品です。
2018年、本能寺大賓殿宝物館で開催の展覧会。一番奥の展示ケース右端で、ひときわ目を引く寸延がありました。
展覧会後もずっと気になっておりましたが御持ち主様よりお借りする機会があり、その時採拓させて頂いた押形です。
幅広の造り込みに放胆な刃文。一見無造作ですが、押形を描く事でその繊細さに気付く事が出来ました。