押形の

押形作成で茎をとる時、石華墨派、インク派、その他色々有りますが私は石華墨派です。
しかし好みと完全に合う硬さの石華墨が入手し辛くちょっと苦労しております。
様々な方法を試して来ましたが、色鉛筆がちょっと良いかも知れないのです。
インクやカーボンには及びませんが、石華墨よりはかなり鮮明に銘が出ます。
後から銘の縁を補う必要も有りません。
しかし芯が細いため色ムラが出来易く、茎の縁をとる時滑らせるミスを犯しやすいなどのマイナス面が結構大きいのです。
(HPの研磨記録で言うと、景秀、畠田守家、初代康継、栗原信秀などは確か色鉛筆です)

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色々試していますがどれも今一つ上手く行きません・・・。
太さや硬さが難しい。
一番上の二つは質や太さは大変よいのですが、普通の鉛筆の芯と同じ物ですので茎をとると表面がテラテラ光ってしまいダメです。
やはり色鉛筆系の材質が良い。 クーピーとはまた違い、石華墨に近いのです。
先日太い色鉛筆を見つけ、購入。

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他と比べるとこんな具合。
押形作成に最良の太さです。

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届いた時はこれで全て解決と本当に喜んだのですが、使ってみると柔らかいんです・・・。
クーピーに似た感じでしょうか。
石華墨も夏柔らかく冬硬いので、冷蔵庫で冷やして使うと丁度いいんでしょうけど・・・。
結局はテクニックの問題かも知れません。 
分かっては居るんですが・・。 練習しよぅ。



ためし

先日来試し研ぎ。
一振りの刀には幾通りかの仕上げ方があります。 
刃取るか差込かと言う違いではなく、地鉄をどう上げるか、拭いはどうか、それに伴い刃取りの色と調子はどうかと言う違いです。
私の場合多くは艶の選択と拭いの組み合わせで悩みます。
それほど悩まぬ時は過去の経験を基に最良と思う組み合わせで作業を行なうものなのですが、どうしても決めかねる時は試験的に寸刻みで違う仕上げを行い最良の方法を選択し本番に臨みます。
とりあえずあと一日で結論を出したい。
今日、もうしばらく前の番組ですがNHKの「たけしアート☆ビート」で吉原義人刀匠が出演されていた回を見ました。
小刀を作ってみたくなりました。 ずっと思っていましたが。
備前おさふね刀剣の里、こちらの小刀製作講座
刀身の形にこだわらなければ兵庫県羅漢の里で鍛刀されている桔梗隼光刀匠が「小刀づくり体験を毎月第二、第四日曜に行なっておられます。
本当は自分だけ一人でぽいーっと行きたいのですが、家族の大顰蹙にあう事必至ですので子供が作業出来る年齢になれば一緒に行きたいと思っています。
上はもう小学生になりますのでその日も近いです。 あぁ楽しみ。



研ぎ場にて

本日は研ぎ場にて新々刀上々作二振り及び古刀最上作一振り拝見。
二振り古研ぎ、一振り研ぎたて。
日々の鑑賞の時、油を取り去るために打ち粉を使う方、使わない方と色々だと思いますが私は打ち粉は使用しない事をお勧め致します。
過去、ブログには打ち粉をポンポンと打ちそして拭うのが好きだと書いた事もありますが、それを特定の刀に対し何年も繰り返し行なうとなるとやはり良くないわけです。
刃取りが薄れるとかそう言うのは古研ぎの雰囲気となるだけで然して問題では有りませんが、鎬地、平地を曇らせ地肌を潰し、地錵や地景を消し去るのは確かです。
私は研師ですのでその様に打ち粉のヒケで全身被われて何も見えなくなった刀でも、底に沈んだ物を見つけ出すのは楽しいと感じますし、これを晴らせばこうなると分かる部分、こうなるかもと想像する事など楽しいと感じる事も多いです。
しかし一般的には殆ど見えない状態よりも、しっかりと見える状態が好まれるのは当然で、結果研ぎに出すと言う事になるでしょう。
研師的には仕事が増えてありがたい事ですが、やはりもったいないのですよ。 本来無用な研ぎは。 
全身が打ち粉のヒケでおおわれていても、もとの研ぎが上手かそうでないかは見れば分かるものです。
そう言うのを見るとなんとも切ないのです。
良い刀は良い研ぎで最高の状態になっているのです。 
それ以降、打ち粉の手入れにより状態は変化して行き、”味”とかそう言う曖昧な表現の物は増して行きますがそれは決して刀の良さの増補では有りません。  
やはり研ぎたてが最上と考えるべきと思います。(研ぎたてよりも手入れするほどに良くなると言う話の方が大勢でしょうか・・・)
いかに研ぎたて状態を保ち続けるか・・・。
私はこれを使っています。
ミクロディア
打ち粉を使わずともこれで拭うだけで油を除去し鑑賞出来ます。
もしも購入される方が居られましたら、念のために縁の纏り縫い部分等は切除して御使用ください。
打ち粉使用は例えば唾液が飛んだとか指紋が付いたとか、そう言う特別な時に限るべきと思います。
話は飛びますが、地砥三本購入。 一つは良かった。 残りは明日でも試そうか。

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ここ数日

ここ数日刃取り。
今日はもしかしたら柔らか過ぎる刀以外の刃取りについて一番重要な事がやっと分かった・・かも知れない。
20年目にして終にか。
今まで自分の手の動きに騙され続けたようです。
過去に何度も試した事は有るのですが、刀の硬さ・にえ方、刃艶の質・厚さ・・・この条件と行なおうとする事、そうであると信じる気持ち・・これらが上手く整わなければ正しい事を行なっていてもそれに気付かず終わってしまう。 そして一旦見過ごすと次に同じ事を試すまでにその工程のみでも数千時間、何百振りの研磨を経なければならない場合がある。
こういう回り道。 一見無駄に思える時間が重要だ、財産だと世間では言いますがどうなんでしょか。
はしょって言うと、すんなり行った方が絶対得だと思っています。
はしょってますのであれこれ有りますが。