最近
研ぎ場にて東山道新刀、応永備前、鎌倉末期山城在銘等拝見。
出先にて所謂ウブ品の薄錆身を6,7振り拝見。
かなりのレベルの品が有ったのですが、何だったかをどうしても思い出せず・・。
15年、20年前に見た刀で不意に見せられても「あの時の刀ですね」と当てられる物もあれば、先週見たのにどうしても思い出せない物もある。
三十八の春ですので研ぎの世界に入って20年が過ぎました。
昔見た刀の方が断然覚えてるなぁ・・・。
これは良くない傾向でしょうか・・。
平成24年4月15日 京都刀剣入札鑑定
一号 刀
反り浅、長寸。 寛文新刀の姿。 横手下から全体に大きく丸。
なんともこの刀の刃は本当に凄いものです・・・。
匂い深く、刃中の錵が尋常では無い。 またその錵のキメの細かい事・・。
この様な刃を力の強い刃艶で刃取ると本当に素晴らしい仕上がりになります。
親國貞と入札。
二号 脇指
幅広でぽってりしている。
こういう真改をたまに見ますのでそう入れたいが位が違うので迷う。
津田助直と入札。
三号 太刀
応永位に見える。 白けや肌立ちが目立つ。 室町時代の宇多か藤島の様な帽子。
物打辺りに刃肌が目立ち、そしてこの帽子。 何年前かは覚えて居ませんが入札鑑定に出た太刀だと思う。
越後桃川長吉と入札。
四号 刀
長め。 新々刀。
棟の頂点の線、これは切っ先の一番先で少し張りを弱めるのが普段見る一般的な刀です。
その線を一切弱めずに切っ先のその先へ突き抜けて行く造り込みにし、それを理解して下地研ぎを行なうと、棟角の線の小鎬先の点より上が極端に反ります。
私はこの造り込みを清麿一門以外ではまだ知らないのでこれでしょう。
錵の段は大変明るいが下段の匂いの層は少し沈み気味に思う。
彫りは無いが栗原信秀と入札。
五号 平脇指
僅かですが簾刃風の部分がある。
普通はこう言う物なら京初代と入れたいのですが、平地の真ん中に黒い砂流しが有る。
少し代が下がると思いますが、何代かを外すと同然になっちゃうのでしょうか・・?
代別は示さずに丹波守吉道と入札。
当
同然
当
当
当
一号 刀 和泉守國貞 (重要刀剣)
二号 脇指 土肥真了 天和三年二月日
三号 太刀 桃川住長吉 (重要美術品)
四号 刀 栗原筑前守信秀 慶応三年八月 (重要刀剣)
五号 脇指 丹波守吉道 (大坂初代)
一号は親國に入れてしまいましたが真改國貞だったのですね。 そうでしたかぁ、それは凄い刃な訳です。
このキメ細かく明るい刃は絶対刃取った事が有ると感じていましたが、以前研がせて頂いた真改國貞の刃が頭に残っていたのですね。 入札時は思い出せなかった・・・。
三号桃川は2009年9月に出ていました。
たまにみる
と言うタイトルで、なかなか力の入った事を書いていたのですが、全部消えてしまいました・・・。
ん~、このウェブリブログでは消えたのは初めて。
若い刀、晴れた研ぎ、晴れない研ぎ、良い研ぎ、良い研ぎが実は悪い研ぎ、刀に合った研ぎ、晴らさないと下手と思われるのが怖い事など色々と上手くまとめられたと思ってたのですが残念。
もう時間も無いので終わり。