名槍

ここ10日ほどで出先にて槍を十数振り拝見。
かなりの名槍も多数あった。
八重の桜を見ていると十文字槍がよく出て来るので、無知な私は以前、なぜ?と思いネットで検索してはじめて知りましたが、宝蔵院流槍術は会津の地でも栄えていたのですね。
いつも大変お世話になっている方から頂いていた「会津、刀剣の美」をひらくと、刀の他槍も多数のっています。
直槍(じきそう)も十文字も。
会津の気風もあり、戦の最前線に立つ槍は重要な意味があったのでしょう。
また八重ネタですが、あの会津十一代兼定も京都守護のため文久三年上洛し、蛤御門の変では御所警護の任についています。
土方さんが持っていた会津十一代兼定もそう言う関係で持つ事になったのですか? このへんの事は詳しく知りません・・。
槍の研磨はケラ首周辺などに大変な時間を要するため、研磨料金はどうしても高くなってしまいます。
一応HP上では十文字研磨の受付はしておりませんが、過去には十数振りの十文字槍を研ぎました(片鎌含め)。
槍研ぎはかなり好きです。  時間が許せば延々、ずっと研いでいられます。 
特に十文字系の場合、最上を求めれば時間を制限すると研磨出来ませんし。
仕事内容は刀身彫刻に少し似ているんだと思います。 しかし料金形態が違うため、槍研ぎは成立しませんね。
色んなものが矛盾しています。



備後国

平成25年6月 京都刀剣入札鑑定会
今回は私が当番という事で、個人的に好みの作風が多い備後刀を5振り並べさせていただきました。
 一号 太刀 備州住正廣作   (重要美術品)
 二号 刀   大磨上無銘 古三原 (重要刀剣)
 三号 刀   大磨上無銘 国分寺助國
 四号 刀   大磨上無銘 国分寺助國
 五号 刀   大磨上無銘 法華
備後刀は末になると貝三原などの在銘に出会う事はありますが、その他の末備後や応永頃以前の在銘の品に出会う事はそう多くありません。
今回も一号重美の正廣以外すべて無銘です。
しかし大磨上無銘の備後刀を侮るなかれ、味わい深い品が数多く存在します。 

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一号刀 重要美術品、古三原正廣太刀。
圧巻の出来。 
働きを全て書き込むと私の押形技術では太刀打ち出来ず真っ黒の刃になってしまいますので簡略化しています。
二号は切っ先が延び、重ね厚く幅の広さが尋常でない豪壮な南北朝スタイル。
三原の滝落しが見られます。
三、四号は昔研磨させて頂いた国分寺助國です。
大変好みの作風。 
押形は四号刀 国分寺助國

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五号法華は流祖を国分寺助國に持つと言う事で並べさせて頂きましたが確かに通ずるものがありました。
  
   この度、大切な御刀をお貸し下さった皆様、誠にありがとうございました。
 



共鎺

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先日の鉄鎺とその刀身です。
全く同じ鉄味。 まさに共ハバキ。
区はウブで(焼き出し映りが有るが再刃ではないので)目釘穴は茎尻に一つのみ。
茎はもっと長かったのでしょうが無造作に切断されています。

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私が初めて拝見した当時は無かったのですが、新たに明智風の拵えが掛けられておりました。
新作の切羽は山銅。
大変古そうな鐔で、漆をかけていた痕跡があります。 よくこんな鐔が見つかりましたねぇ。 素晴らしい!



願えば叶うものです

そう、願えば叶うもので、先日ブログに書かせて頂いた鉄鎺の付いた古い長巻の様な刀に再会する事が出来ました。
いやちょっとおもしろいものになっていましたのでまた書きます。