備後国

平成25年6月 京都刀剣入札鑑定会
今回は私が当番という事で、個人的に好みの作風が多い備後刀を5振り並べさせていただきました。
 一号 太刀 備州住正廣作   (重要美術品)
 二号 刀   大磨上無銘 古三原 (重要刀剣)
 三号 刀   大磨上無銘 国分寺助國
 四号 刀   大磨上無銘 国分寺助國
 五号 刀   大磨上無銘 法華
備後刀は末になると貝三原などの在銘に出会う事はありますが、その他の末備後や応永頃以前の在銘の品に出会う事はそう多くありません。
今回も一号重美の正廣以外すべて無銘です。
しかし大磨上無銘の備後刀を侮るなかれ、味わい深い品が数多く存在します。 

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一号刀 重要美術品、古三原正廣太刀。
圧巻の出来。 
働きを全て書き込むと私の押形技術では太刀打ち出来ず真っ黒の刃になってしまいますので簡略化しています。
二号は切っ先が延び、重ね厚く幅の広さが尋常でない豪壮な南北朝スタイル。
三原の滝落しが見られます。
三、四号は昔研磨させて頂いた国分寺助國です。
大変好みの作風。 
押形は四号刀 国分寺助國

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五号法華は流祖を国分寺助國に持つと言う事で並べさせて頂きましたが確かに通ずるものがありました。
  
   この度、大切な御刀をお貸し下さった皆様、誠にありがとうございました。
 

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