古名刀色々と

最近も研場にて色々と古名刀を拝見致しました。
磨上無銘大和千手院太刀。
細身で腰反りの太刀姿。 あまり大和張らない造り込み。
柾目。 全身映る。 他の四派とは明らかに違う 千手院らしい独特な刃文。
とにかく古調な太刀です。
初代信國短刀。 南北朝期独特の腰付近から茎尻への造り込み。小沸え出来で直刃ながら賑やかな刃文。
在銘年紀入り青江太刀。 今研磨中の古青江在銘太刀と比較しながら拝見出来ましたので大変勉強になりました。
綾小路太刀。 いかにも綾小路らしく細かで非常に柔らかい地鉄。 研磨にはかなりの技術がいると思います。
かなり高い焼刃で、やさしい京物と言うイメージではありません。 強く激しく、しかしフワッとしています。



好きな通りへ・下筆春蚕食叶声

今朝は仕事で烏丸御池付近へ。

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用事が早く済みましたので御池通りを東へ、以前から欲しかった小さい硯石を見に寺町の書道具屋さんに。

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京都御苑のすぐ南側の寺町通り辺は古美術店、茶道具店や書道具店などが並びます。
京都の骨董街と言えば知恩院の西、古門前通と新門前通が有名ですが、寺町通りの北方面にも古美術店などが多く集まっています。
ほんの短い区間ですがなんだかこの通りが好きで、南北の移動時は用も無いのにわざわざここを通る事が多いです。
小さい硯石ですが、結構なお値段が・・手が出ませんでした。
ついでに筆を購入。
上海工芸の下筆春蚕食叶声

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押形の諸先輩方にお教え頂いた筆です。
筆先はこんな感じ

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かなり色々と試された結果、上海工芸のこの筆が一番良いと言う事だそうです。
しかし押形の技術が未熟な私はその良さを体得出来ておりません・・。
ですのでちょっと浮気をして

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筆先

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ちょっと色々買ってみました。
下手なやつほど道具のせいにするんですねぇ。。
しかし中国製は安くて気楽に試せます。
同じ様な筆でも日本製だと10倍くらいの値段だったり・・。
帰宅途中、北大路通りのいつも行く画材屋さんで硯石を探す。
便利で小さいのが有りました。
7cm四方。

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仕事の粗さに泣けますが500円じゃしょうがない。

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磨き棒粗し仕上げ完成

昨日の磨き棒を磨き直します。
基本の形を整え直し、ダイヤラッパーの#1200まで来ました。

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後はルーペで状態を確認しながらダイヤモンドペーストで仕上げます。

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今回の最終仕上がり状態は粗しでOKですので適度なところで終了。

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ルーペからの画像です。
ここまで細くすると物に当てたり落としたりすると折れてしまいますし、使用時に力を入れ過ぎても先が折れます。



磨き棒加工

今回研磨させて頂く仕事には鋭角な磨き棒が必要ですので磨き棒を削ります。
無理だと分かっていながらも、もしもこれで削れたら短時間で出来ますので一応グラインダで磨き棒を削ってみる。

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やはりタンガロイ硬し。 グラインダでは全く歯が立たない。
ダイヤモンド砥石登場。

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ダイヤ万歳。

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なんとかここまで細くなりました。

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ダイヤモンド砥石の番手を上げて研ぎ進める。

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大分進みましたのでダイヤモンド鑢に切り換え、ハンドラッパーで仮仕上げへ。

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先の方の面しか使いませんので先を重点的に綺麗にして行きますが、先端が整わず。
もともと少し楕円がかったタンガロイでしたのでそれが原因です・・。
明日ダイヤ砥石からやり直し。