研磨力有りで

今日はほんの10分ほどだけ京都御苑へ。

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広くてよいです。でも広すぎて10分ではどこへも行けません。
そういえば以前、御所の修理に入った大工さんが戸袋の奥から刀が出て来たと言っていました。
終戦の時や幕末やそんな頃に隠したのでしょうね。 

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去年買った大平を引く。
普段の刃砥がかなり柔らかい物を使っているのでこれは硬すぎて使い難くダメだと思っていたのですが、しばらく水に浸けていたらかなり使い易くなりました。
しかも強烈に研磨力が有ります。
こちらに慣れると昨日まで引いていた刃砥を使う気がしない・・・。
この手の石は裏の倉庫で眠って居ると思うのでちょっと嬉しくなります。



下鴨神社と粟田口

今日は結婚式に行かせていただきました。
下鴨神社での神前式。
私の郷里では慶弔の儀式は基本的に全て神式で行なわれるので神主さんの祝詞には馴染みがあるのですが、雅楽は京都に来てから度々接する程度です。  まことに荘厳でよいですね。 
いつも思いますが雅楽で使用する楽器やその他の和楽器も、意外と音が大きくて驚きます。 プロの演奏だからでしょうけど。
こう言う式では列席者も、何度も何度も立ったり座ったりと繰り返しさせられますが、この様な儀式は簡略化されず伝えられて欲しいものだと感じました(現在の形がすでに削ぎ落とし切った物であり、長い歴史の中で十分簡略化されて来たのだとは思いますけど)
そして粟田口の粟田山荘へ移動して披露宴。
素敵な一日でした。

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刀剣入札鑑定記

HP左メニュー、「ブログ(旧)」の下部に「刀剣入札鑑定記」を追加致しました。



入札鑑定

入札鑑定会。昨日は本部から講師がこられました。
1号 太刀
反る。 鋒は研ぎ崩れ延びる。
大肌で肌立つ。  
大変よく沸える刃。 刃肌が非常に目立ち縁で止まらず刃先まで頻りに抜ける。
ハバキ上で焼き落とす。 
帽子は研ぎ減り抜ける。 
棟先二寸ほどがかなりうつむく。
少しだけ古備前や古青江風ですが沸えばかり明るく匂い部分は沈みます。結果総体に沈む刃。
 伯耆安綱と入札。
2号 刀
重い。かなり。
よく詰む。 少し映り気。 乱れ刃。 沸え付く飛び焼き多数。
帽子乱れて長く返り棟区まで焼き下げ。
 与三左衛門尉祐定と入札。
3号 刀
二尺三寸ほどか。 かなり幅広。 
肉付きは普通でしょうが広いからそう見えず。 鋒延び、広いのでかなり大きくなる(末左の様な姿)。二筋樋。
ざんぐり肌。 湾れに互の目。
肌は明らかに堀川物ですが、こんなに大きいのに国廣には入れたくない・・・。
互の目がぎこちないので大道と入札。
4号 短刀
極めて薄い。三つ棟。 先も反る。 
大板目。 棟寄り流れず。
互の目で皆焼。 帽子乱れる。
 長谷部国重と入札。
5号 平脇
よく反る。 重ね少し薄め。 
少し白け。 匂い出来の直刃。
刃寄り詰み棟寄り大肌。
古三原の刀をそのまま平身にした様な典型作です。
私は小さい物には「正」を使わない癖が有るので「政」で入れたいが誰が居ましたっけ・・・。
お隣の方に本を見せてもらうと「政清」の名がありました。
 古三原政清と入札。
 当同然
 同然
 時代違いイヤ
 当同然
 当
3号は素直に堀川でしょうが大きい物が気になる。
よけい大きい物が無い人でしょうが珍しい銘で入れてみたく藤原廣実と入札。
 当同然
 同然
 当同然
 当同然
 当
一号 太刀  真景(古伯耆)
二号 刀   備前国住長船五郎左衛門尉清光
         天文廿四年八月吉日
   
三号 刀   国廣
四号 短刀  長谷部国信
五号 脇指  政清(古三原)
 一号太刀は棟のうつむきを、「この太刀は平安~鎌倉初期なのでこれで良いが、仮にこれが新刀とすると、このうつむきを研ぎで直すのに半日かかるなぁ・・・」と思いながら拝見しました。
先伏しについて質問しましたが先伏して居る様には見えないとの見解でした。
所載物ですので帰宅後解説を読むと、「古作にありがちの先伏しごころが無い点も一派の太刀にまま見るところ」と書いて有り、鑑定上この太刀は先伏して居ないと見るべき物の様です。
この太刀に限らず、この程度の先伏しは入札鑑定時は無視した方がよさそうです。
研ぎ崩れやその他後天的理由の場合も多いと思いますので。(講師の見解は多分違う様でしたがちょっと上手く理解出来ませんでした)
下地研ぎ作業の地味さをつくづく感じます。 誰もあまり気にしない部分にかける時間が大変長い。

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