天然砥を試す
大平山以外を幾つか試す。
某山の石はいつも通り不可思議。 大平ならば必ず当たるはずの筋、或いはもっと酷く見える筋でも全く当たらない刀が多い。が、今日試した刀には引き難い。
別の山の巣板。 この山にしては研磨力が有ると感じるが残念ながら地を引く。 刀が軟らかいのでこの研磨力はまやかしかも知れないが、こういう砥質の場合、時代の若い刀には大変有効な砥石の可能性が有る。 また若い刀で試す事にする。(今日試した刀も若いが少数派の鉄質なので)
また別の山の内曇。 大変引き易い。 この山でこれだけ引けると言う事は先に試した石の質は相当劣ると言う事になってしまう。
一つの山から出る石の質には一定の法則の様な物があると思う。
安定大量に供給されれば使う側としては選別もし易い。
しかしそう言う状況に無い現在では色々と手を出さざるを得ない。
刀を研ぐ為の天然砥の選別は容易ではないわけである。
(例えば一般に刀剣研磨に使用される内曇砥、現在は”時価”との様相を呈すると言っても過言ではないが、半年ほど前で尋常な厚みの内曇が一丁10から15万円であった。)